8/23 社長「明日からは熱があっても出社してください」
8月23日。発熱8日目。今日も朝から37.4度。社長に個別に連絡をとらなければならない。9時ごろには37.8まで上がる。その旨を社長に報告すると、以下のようなLINEが来た。
「ちなみに平熱は何度くらいですか?」
「平熱が分からないのであれば、明日は出勤して大丈夫です」
そして会社のグループLINEに社長からこう書いてあった。
「返信はまだありませんが、〇〇さんには明日から出勤するように指示を出しています」
「当日の熱に関しては融通をきかせる必要がありそうです」
「この場合の融通とは、熱が37.5を上回っても出勤・勤務を許可するということです」
知らないうちに出勤が決まっていた。
熱は下がる気配はない。が、体調がめちゃくちゃ悪くて動けないというほどでもない。こういうところで無駄に空気を読んでおもねってしまう私は「出勤はできると思います」と返信してしまった(あとでやってしまったと思った)。
さすがに会社としてもこれ以上休まれると痛いのだとは思う。ただでさえ私が居ても人手不足なところだし。新入社員のくせして既に5日も休んでいて、熱の下がる見込みのない(そして熱以外に症状はない)社員に、熱を押して出勤してほしいと思う気持ちもわからなくは……いや、わからない……。普通に無理……。
このブラックがよお、と毒づきたくなる瞬間はたくさんあった。バイト時代、授業準備の時間に給料が出ないこと。バイトは勤続年数にかかわらず有休がつかないこと。台風の時も大雪の時も、ほとんど休みにならないこと(5年近く勤めていて休みになった記憶は1回しかない)。社長のセクハラ発言。社員から他の社員へのパワハラ。労働時間が長いこと。試用期間に保険証が出ないこと。云々。
ブラックなのはなんなら入社前からわかっていたことだったけれど。まさか熱を出していても出勤命令が来るとは思わなかった。
この会社で長く勤めるのは無理だろうな、ということが決定的になった1日だった。出勤が決まった瞬間から動悸が止まらない。熱も少し上がって8.2度を記録。(数分後には7.7まで下がったものの……)
とはいえ、本の発注や発送の関係とか、手帳が降りるまでの期間の関係上、少なくとも10月までは島には戻れない。その間どうするか、がとりあえず考えなければならないところ。しかしながら、退職は1カ月以上前に申し出なければならないから、考える猶予はさほど残されていない。
本当なら今すぐにでも辞めたい……。辞めたい、と言うべきなのだろう。けど、ふんぎりがつかない。結論を焦ってはいけない、と頭のどこかが告げる。
しかるべきどこか、たとえば労基署とかに相談した方がいいのだろうな、とも思う。けど、何でどんなふうに相談したらいいんだろう……。
たぶん単にチキンなだけである。優柔不断なだけである。わかってる。色んな人に相談してまわっているのも、自分の決断に自信がもてないからだ。
自分を責める言葉はいくらでも思い浮かぶ。
だからたぶん、明日私は会社に行く。結論を先延ばしにするために。騙し騙し働くのだと、思う。
自分のふがいなさが憎い。
実家をなかなか出れなかったときみたいだなあ……。しんどい……。泣きそう。
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