8話 休日のヒーロー

 事の発端は、康二のこの一言から始まった。


「突然だがお前ら! デートしてこい!」


 突然すぎるその発言に、その場にいた全員がぽかんとなった。頭の中がはてなで埋まる中、明里が声を上げた。


「……えっ!? デート!? 誰が!?」

「んなもん決まってんだろ? 美香ちゃんとアルマだ」

「……はい?」


 美香は読んでいた本を持ったままぽかんとした。


「みみみ美香ちゃんとアルマ君が!? 嘘っ!? もうそんな関係!?」

「あらあら~、初々しいわね~」


 穂乃果はにこにこと笑っているが、当然美香にとっては笑い事ではない。


「い、いやいやいやいやっ!! いきなり何言うんですか!? 別にそんなわけでは!!」


 美香が赤面する一方、アルマは首を傾げている。


「でーとって何だ?」

「ずばり! 男女二人でお出かけすることだ!一緒に飯食ったりー、映画を観たりー、遊園地に行ったりー、してな!」

「ゆーえんち!?」


 千枝がこれでもかと食いかかってきた。


「ちぃちゃんもゆーえんち行きたーい!」

「おっとちぃちゃん、すまんな。今回は二人のみに譲ってやってくれ。そのかわり、ご褒美フルーチュ贅沢いちご味をたんまり食わせてやっからさ!」

「フルーチュ!」

「ていうかさ、急にデートしろなんてどうしたの?」

「よくぞ聞いてくれましたルカ君!」


 康二は懐から何かを自信あり気に取り出した。それは二枚のチケットだった。


「二人にこれを上げるからさ!」


 美香はチケットの一枚を取った。


「……劇場版魔殺の剣無限迷路編って、これ映画のチケットですか?」

「えっ!? 魔殺の剣の劇場版!? 観客動員数百万超えで話題のあれだよね!? チケットは毎日即日完売するはずなのに!!」

「飲み友達から余ったからやるってくれてさ、でも生憎興味ない作品なんだよ。使わないのもあれだし、良かったら使ってくれ」

「でも、何で私とアルマ君に?」

「そりゃ当然だろ? な? わかるだろ?」


 康二はウィンクして自信満々そうだが、何なのか全くわからない。


「まさつのつるぎって面白いのか?」

「話題ではあるね」

「話題中の話題作だよ! うちの中学でも持ちきりだし! 私も友達に原作借りて読んだんだ! 私はやっぱり雪次郎君推しかな~」

「オレは銀之塚さんかな。剣折られた時のあの激昂っぷりが最高」

「ルカ君、変なとこに共感するよね……」

「まあともかくだ! 二人で楽しんでこいってこった!」


 康二はアルマにチケットを渡した。


「ミカとお出かけ……!」


 さっそくアルマは興味津々だ。


「ミカ行こうぜ! 二人でお出かけ!」

「ええっと……まあいいか。うん、行こう」


 アルマの顔がぱあっと明るくなる。


「いつ行くいつ行くっ?」

「じ、じゃあ、今度の日曜日に」

「日曜日な! 絶対だぞ!」

「よおーし、アルマ! そうと決まったらデートのいろはとやらをみっちり教えてやるよ!」

「魔殺の剣観に行くなら原作貸してあげるよ。事前情報ないとあれだしね」

「よろしくお願いしまっす!」


 楽しそうなアルマに美香は思わず頬を緩める。


〈──次のニュースです。先月三日、神奈川県の都立高校で女子高生が自殺した事件について、新たな情報が入ってきました。自殺現場で発見された遺書らしき紙から、同高校の三年生三名の名前が書かれていたことから、警察はいじめを苦に自殺したという事実を明らかにしました。女子高生の遺体からは複数の痣があり、警察は日常的に……〉


 ふと流れたテレビのニュースに美香は表情を暗くする。そして、いつかの日々がフラッシュバックする。

 馬鹿、死ね、ブス、キモいと書かれたノート。

 ズタズタにされた体操服。

 そして、シャキンと鳴るハサミ。


「……っ」


 美香は震えてる手をなんとか抑える。


「……美香ちゃん?」


 それを明里は見逃さなかった。


「どうしたの、美香ちゃん? 寒い?」

「えっ……あ……」

「何かあったかいもの飲む?」

「う、ううん! 大丈夫だよ! あ、私勉強してくるね!」


 美香はそそくさと部屋へ走っていった。明里は何だったんだろうと疑問に思っている一方、穂乃果は悲しそうに見つめていた。


「大丈夫かな、美香ちゃん……」

「……そっとしてあげましょ。美香ちゃんにだって、一人になりたい時はあるし」

「……うん」


 テレビでは先程の自殺のニュースに対してMCとコメンテーターが会話している。


〈日常的にいじめですか……酷なことですね〉

〈そうですね。仮に被害者側に何か原因があったとしても、それで人生を終わらせるのは酷く悲しいことです〉


 ♢


「素材が千年前にロストしたものだと!?」


 ヴィクトルがそう声を上げた。

 その日、彼は先日発生した子供型アンドロイド襲撃事件の調査をしていた。回収された機械人の残骸の調査結果を、イサミから聞かされていた。その結果は衝撃的な事実だった。あの機械人の体を構築していた素材が、千年以上前の、しかも現在では発掘及び作成不可のものだと言う。


「現存するデータにはない素材だと言うのか!?」

「一番近しい素材としては、戦闘用に使用が多いとされるコーバッツメタルだと思われる。だがいくら硬いとはいえ、副官殿が使用した機械人専用麻痺弾は貫通仕様。多少なりとも損傷はあるはず。しかし……」

「あの時は損傷どころか擦り傷すら付かなかった……銃弾そのものを弾き返してしまったからな……コーバッツメタルだとしたら、そんな性質はないはずだ。しかし、何故千年以上前だと予想できた?エルトリアに関する情報は負の遺産としてほとんどが消失しているはずだぞ?」

「もしやと思って調査していたのだ。名前がなくとも特徴だけなら見つけられるからな。結果、エルトリア時代に存在していた素材が一つだけヒットしたというわけだ」

「となるとやはり……」


 察したイサミがこくりと頷く。


「エルトリア皇帝本人、もしくは近しい存在が、この素材を使用していた可能性がある」

「……やはり理解しがたいな。千年も前に滅びた国が、何故今更復活した? 世界侵略のリベンジならいくらでもタイミングがあったはずだ」

「兵力を再び召集するのに時間を有した、とかでは?」

「それもあるかもしれん。問題は何故今かということだ。明らかに何かを狙って来たようにしか見えん。鍵があるとするのなら……」

「アルマ殿、ということか?」


 イサミは端末を操作し、空中にモニターを映す。作成されたばかりのアルマの個人情報だった。


「千年前から存在する未開地での発見。本来機械人にあるはずの認識番号が無し。その上身体構造が千年前とほぼ一致。確かに無関係とは言えないが……」

「名前以外の記憶がないのが惜しいところだな。千年間も眠っていたのなら仕方がないかもしれんが」

「……記憶を戻そうと思っているのか?」

「必要ならな。もし奴が帝国側の、皇帝の関係者であればの話だが」

「……」


 イサミは静かに端末を閉じた。


「もし仮にそうだとして、勝利殿はどうする?帝国側の人間、すなわち敵として戦うつもりか?」

「……帝国が千年前にしたこと、忘れたわけではないだろう。現に今、我々に牙を剥けているんだ。脅威となるものは、排除するだけだ」


 ヴィクトルは颯爽とその場を後にした。彼の後ろ姿をイサミは寂しげに見つめたのだった。


 ♢


 約束された日曜日がやって来た。美香は開発地区にあるカフェの入り口でアルマを待っていた。

 今日の美香の服は、穂乃果プロデュースの服だ。デニムのショートジャケットに黒のキャミソール、白のプリーツスカートとパンプスという、幼い顔立ちの美香からすればちょっと大人っぽい服装だ。聞けばこの服は、穂乃果の知り合いの女性からもらった服らしい。前から美香のことを穂乃果から聞かされていたその女性は、少しでも美香が女の子らしくなるようにと考えてわざわざ購入したそうだ。


(でもやっぱり、ちょっと大人っぽすぎかなあ……)


 なんて美香が恥ずかしながら考えていた時だった。


「おおーい、ミカー!」


 聞き慣れた声が聞こえたので振り向くと、アルマが走ってやって来た。


「……!」


 今の彼の服装は、紺色のテーラードジャケットにグレーのストール、キャメル色のデニムパンツと赤色のスニーカーを着用した、ちょっと洒落た感じだった。

 こうして見てみるとサイボーグとは思えない。思わず美香の胸が鳴った。


「先行っちまうとかずるいぞー? 一緒に住んでいるんだし」

「あ、ああっ、ちょっと用事があってね?」


 実は康二からの提案で美香は先に行っててほしいと言われた。なんて言えないので美香は笑って誤魔化した。


「ふーん、ま、いっか! それよりさ、どうだ? この格好」


 アルマは一回転して自慢する。


「え? うん、似合ってるよ。かっこいい」

「マジか!」


 アルマは心の中でコーディネートしてくれた康二と明里に深く感謝した。


「じゃあ映画館に行くか! 十時半からだったな?」

「うん。こっちだよ」


 美香がアルマを映画館のある複合施設に案内しようとした。


「……あっ、そうだった」


 ふと何かを思い出したアルマは、美香の左手を右手で握った。


「へっ!?」


 急なことに美香は肩を振るわせた。


「デートする時は手を繋ぐんだろ? で……」


 アルマは美香より先に歩きだす。


「男は女をリードする、だろ?」


 美香の手を引きながら、アルマは前に進む。そう言えば康二からデートのいろはを教えてやると言われていたが、一体何を吹き込まれたのか美香はちょっと不安だった。アルマが言っていたことは確かに合ってはいるが、果たしてそれは良い方向なのだろうか。


「ねえ見てあの人! めっちゃイケメンじゃない?」

「芸能人かな? 背高ーい!」

「なあ、あいつかなりイケメンじゃね?」

「やべ……男なのに惚れそうだ……」


 パワードスーツを着ていないのにも関わらず、今のアルマは通行人からは派手に見えていたらしく、あちこちでアルマに注目が集まっている。


「えっ? あのイケメン彼女持ち?」

「やだー! 超ショック!」


 決してそんな関係ではないのに、そう思われた美香は恥ずかしくて赤面した。


「ミカ?」


 赤面する美香を見逃さなかったアルマは、手を繋いだまま歩みを止める。


「へっ?」

「どうした? 顔が赤いぞ?」

「ああっ、えーっと……」


 何て返せば良いかわからず、美香はおろおろと視線を泳がす。


「ア、アルマ君って目立つなあって思って……」

「目立つ?」


 アルマは自分の体を見回す。


「どっか目立ってるか?」

「えっ、ええっと……あ、あはは! き、気のせいかも! やだなあ!」


 空回りする自分に美香は笑うしかなかった。


「さ、さあ! 早く行こうよ!」


 早く映画館に行かねばと美香は焦った。


「……! 危ないっ!」


 突然アルマが美香の腕を引いた。


「きゃっ……!?」


 美香の足がかくんと下がる。右足のパンプスが外れた。目下には階段があったのだ。アルマが腕を引っ張ってくれなかったら事故になっていたところだった。


「あ……か、階段があったんだ……」

「あっぶねー……大丈夫か? ミカ」

「う、うん。ありがとう……」


 アルマは美香を優しく引き上げた。


「手ぇ握ってて正解だったな!」


 屈託なく笑うアルマにまた美香は赤面した。美香の靴が外れたので、アルマは取りに行った。


「でも気ぃつけろよ? ミカが怪我したら大変だかんな!」

「う、うん……」


 美香は靴を履き直した。


「ほら」


 アルマが手を差し出す。最初は恥ずかしかったが、今は信頼できる。美香は優しくアルマの手を握ったのだった。


 その後、二人は映画を楽しんだ。漫画に疎い美香でも楽しめた一方、事前に予習していたアルマも夢中になれた内容だった。

 あっという間に上演時間の二時間が過ぎた。観客が帰っていく中で、アルマと美香は席から離れずにいた。


「……ミカ」

「……アルマ君」


 二人は顔を見合わせた。


『すっごく面白かった!!』


 思わずハモった。


「何あの映像っ? アニメだよねっ? すごく何というか、一言では言えないって言うか……」

「最後の、ほら! 地獄さんと摩訶座のやつ! 漫画にはなかった演出だったよなっ?」


 お互い興奮していることに気づくと、思わず吹き出して笑ってしまった。


「ミカ興奮してる!」

「アルマ君だって!」


 最近まで張り詰めていた心が綻んだ瞬間だった。美香自身もこんなに心から楽しめたのは久しぶりだと実感した。


「……やっと笑った」

「え?」

「初めて見た気がする。ミカが心の底から笑ったとこ」

「そ、そうかなっ?」

「やっぱオレ、ミカには笑顔でいてほしいな! どんなことがあっても、ミカの笑顔があれば何だってできる気がする!」


 素直な言葉に美香の心が弾んだ。


「だからさ、ミカは笑っててくれよ。それだけでオレも嬉しいからさ!」

「!」


 そう言われた瞬間だった。

 美香の脳裏にある言葉がよぎった。


 ──美香は笑ってる方がいいよ! 私はそれだけで嬉しいからさ!


「……」


 全く同じ言葉に、美香は目を丸くした。


「ミカ?」

「……あ、ううん! なんでもないよ! そんな風に言われたこと、あまりないからびっくりしたんだ!」

「そうか? でも事実だし!」


 何の疑問もなく発言するアルマに困りながらも、正直言って美香は嬉しくも思えたのだった。

 観客がみんな帰ったので、二人も映画館から外に出た。時計を見るともうすでにお昼だった。


「もうこんな時間か。お昼どうしようか? 確かこの辺だと、ハンバーガーショップとか、キッチンカーがある場所とか、あとはテイクアウトができるパン屋さんとかかな?」


 ふと路地を見ると、ハンバーガーショップがあった。お店にはデカデカとポスターが貼られてあり、“5枚の脅威と圧倒的カロリー!! アルティメットギガバーガー新発売!!”と書かれていると同時に、パティが五枚も挟んであるバーガーの写真が載ってあった。アルマはそのポスターに釘付けになっている。


「……食べたい?」

「!!」


 明らかに食べたそうな表情だった。しかしすぐにアルマははっと我に返る。


「い、いやっ、今日はやめとく!」

「いいの?」

「デートは女を優先する、だからな! だからミカが食べたいものでいい!」


 これも康二からの入れ知恵だろうか。男尊女卑とかではないため決して悪いわけではないが、ちょっと思い込みすぎてはいると美香は感じた。


「そう? んー、でも急に言われても何がいいかな?」


 しばらく美香は考えると、ふと思い出した。


「あっ、そういえばこの近くに……」


 美香はアルマを連れて、かつて一緒に行った公園へ向かった。その日はそこに一台のキッチンカーがあった。“たこ焼き屋”と書かれた旗を掲げたその車から、いい匂いが漂っている。


「立花くーん!」


 美香が車に向かって呼びかけると、車から修がひょこっと出てきた。


「あ、大空! 来てくれたのか!」

「あら美香ちゃん! お久しぶり!」


 カウンターには修の母親がいた。


「オサム! 何でここにいんだ?」

「立花君家はたこ焼き屋さんなんだよ。週に一度、ここで野外販売してるんだ」

「……あら!?」


 修の母親がアルマを見た途端、顔を赤らめうっとりしだした。


「あらあらあらあら! あんたが修の言ってたアルマ君? やだもお! 言ってた通りのイケメンねえ!」

「?」

「お前のこと褒めてるんだよ」

「そうだ! うちのたこ焼き食べに来たんでしょ? 良かったらイケメン価格でサービスしちゃうけど?」

「イケメン価格って何だ!? お袋! まさかタダにするとか言わないよな!?」

「そうだけど何か?」


 まさかの展開に美香は慌てだした。


「ええっ!? あ、あのっ、お金は払いますよ!?」

「いいのいいの! いつもうちの息子が世話になってるからね! それにアルマ君はうちのたこ焼き初めてでしょ? 是非とも食べてもらいたいのよ!」


 そう言って修の母親は張り切ってたこ焼きを焼き始めた。


「すまん大空……後で俺が払うわ……」

「た、立花君は悪くないよっ?」

「はいよ! たこ焼き二人前!」


 二人の前に出来立てのたこ焼きが出された。


「美味しそう!」


 初めて見るたこ焼きに、アルマは目を輝かせる。

 たこ焼きを受け取り、二人は立花親子に礼を言ってその場を後にした。かつて二人で座った海の見える芝生に座り、二人はたこ焼きを食した。


「どう?」

「……!!」


 初めて食べたたこ焼きに感動したのか、アルマは気持ちの良い食べっぷりを見せた。全て食べ終えると、アルマは一息ついて目を輝かせた。


「たこやきってすげーんだな! 熱くて、とろっとして、うん! すっげー美味い!」


 子供みたいな笑顔に思わず美香の胸が弾んだ。とりあえず口に青のりがついていたため、美香は優しくティッシュで拭いてあげた。


「デートってこんなに楽しいとは知らなかったな! だっていつだって美香と一緒だし、美香と一緒だとすごく心がふわふわすんだ! これが、楽しいって気持ちなんだな!」


 これがデートかと言われるとちょっと違う気もするが、アルマが楽しんでいるのならそれはそれで悪い気はしない。実際美香本人も楽しんでいるからだ。動機はどうあれ、康二には感謝だ。


「……この近くにね、新しくオープンした古本屋さんがあるんだ。行ってみたいんだけど、いいかな?」

「!」


 アルマは徐に立ち上がり、手を差し出した。


「ミカが行きたい所なら!」


 とりあえず今は楽しもう。そう決意した美香はアルマの手を取った。

 その後、言葉通り二人は古本屋に寄り、美香は気に入った何冊かを購入することにした。しかしここでトラブルが発生した。財布を落としてしまったみたいだ。落としたとしたらあの公園だ。


「ごめん! 財布を落としたみたいだから

 ちょっとだけ待っててくれる?」

「おう! いつでも待つ!」


 急いで美香は公園へ向かう。たこ焼きを食べたあの場所へ行くと、芝生の上に財布が落ちていた。


「あった!」


 ほっと胸を撫で下ろし、美香は財布を拾う。


「よかった~。割と早く見つかって」


 安心したその時だった。突然ずしんと地響きが聞こえてきた。


「!?」


 遠くで悲鳴が聞こえた。だんだんその地響きが大きくなる。


「おいおい何だあれ!?」

「着ぐるみ!? にしてはキモすぎない!?」


 見えてきたその姿に美香を含めた公園にいる人達は慄いた。

 つるっとした質の紫色の肌に銀色のアーマーを纏った、巨大な異形の化け物だったのだ。


「ぎゃー!! 何アレキモッ!!」

「化けモンだーっ!!」


 男女のカップルが悲鳴を上げて逃げる。美香もあまりの恐怖で体が震えている。


「あーっ、いたー!」


 すると、化け物の背中から誰かが出てきた。あのピンク色の髪の少女だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る