第3話 部活と委員会と

「部活動」

それは人とのコミュニケーションの場であり、ボッチだった俺にはとてもハードルの高い存在である。

それこそお前は中高でなんの部活に入っていたかだって?そんな悲しい質問に答えなきゃいけないのか?

いや、俺も入っていたと言えなくもないか。

そう、「帰宅部」に!

定期試験直前の部活動停止期間中にクラスメイトから「お前は帰宅部だから学校にずっと残らなきゃ行けないな」と言われたことはあるかい?

やばい、言ってて悲しくなって来たからこの話はやめよう。

俺は図書室に入り浸り、本の守り人として過ごしてきたので仕方のないことだろう。


話を戻して、俺は現在美香と一緒に部活の見学をしている。

何故このような状況になったかと言うと前回の話に戻る。




「ねぇ、話の最中に悪いんだけど、ちょっと和泉君貸してくれないかな?」


振り返るとそこには美香がいた。

俺の心臓がモキョッとしたような感覚だ。あれだ、あたかも不倫が妻に発覚した夫のようだ。


「侑、勅使河原さんがお呼びだ。諦めて連行されときな」

「おい、圭、チョ待てよ」


圭はそう言うと明後日の方向を向いたと思ったら、俺の言葉を無視して「自販機でジュース買ってくるわ」と言って戦線離脱。どうやら周りからは味方がいなくなったようだ。





そして話は現在に至る。


「アンタは部活何入るか決めた?うちの学園無駄に設備が整っているからそこんとこ多いのよ。」


俺は死刑囚のような気持ちで歩いていると美香が言った。どうやらさっきのことは気づいていなかったらしい。


「そういえば考えても無かったなあ」


この言葉は本当である。改めて考えてみると現に俺は中高で部活にはいっていなかったし、この学園でも特に興味も無かった。


「まぁ、そんなことだろうと思ったわよ。あなたの親に頼まれたんだから。大人しくついてきなさい。」

「俺って要介護者かなんかか?」

「あながち間違いでわないかもね」

「学園の部活って何があんの?広すぎて分からん」

「そうね、この学園部活だけじゃなくてサークルもあるものね」

「いや、初耳なんだが」

「ちょっ、まさか調べてなかったの?」

「あぁ、いや、そのぅ………」

「ハァァ 説明しなきゃいけないようね。いつから要介護者になったのかしら。」

「それって誰のこと?」

「自分の心に手を当ててよく考えてみればおのずとわかるわ、

まぁそれはそれとしてまずは部活なんだけど………」


美香の話からするとこの学園にはサッカー部や野球部はもちろん卓球部、バトミントン部、軽音楽部、茶道部マイナー所で言えばオカルト研究サークルや自らSOS団と名乗るオタク集団まである。etc……







時刻は午後7時。

大体のものを見て回った。

やっぱこの学園おかしいだろ。「なんでこんなもんがあるんだよっ!」って口に出しちゃったよ。

中でも印象に残ったのは天体観測サークルだよ。夜じゃないと星がよく見えないとぼやいていたよ。

でもどうして印象に残ったかだって?

それはね!彼らの部室に入ったらなんとビックリ、部屋中に五芒星や六芒星が描かれた紙がびっしり貼ってあったんだ!あれはいっそのことホラーだよね!

星の勉強してたら陰陽道にたどり着いたと言っていたけど見る人が見たら通報案件もいいところだよ。「オカルト研究サークルと併合したらいいんじゃないかなあ」とアドバイスしたらあんな奴らと一緒にしないでと言われたけど君らも同じだからね!



なんか一仕事終えた気分だ。

お前はどうすんのかだって?決まっているじゃないか。


もちろん「帰宅部」さ。



そんなことを考えているとタイミングよく美香が呟いた。


「言い忘れてたけど、うちの学園、部活強制参加なのよねぇ」








後書き


筆者は中学の頃は卓球部で部長をしてましたが、高校は卓球をほのぼのしたかったために

「帰宅部」でした。

冒頭で述べたクラスメイトとの会話は本当の話です。


本当にあった怖い話。

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