第669話 《ラング領》から追い出してやる
〈クルス〉は最初弱弱しいことを言っていたけど、今はプリプリ怒って大股で部屋を出ていった。
その後ろ姿は、とても倒れそうには見えない堂々(どうどう)としたものだ。
僕を魅了する麗しき、プルンプルンとしたお尻を左右にフリフリと振っている。
あれだけ揺れているのは、たぶんわざとやっているに違いない。
今晩も押し倒すほど、僕が〈クルス〉を求めていると教えてあげて、〈クルス〉の自信を取り戻してやろう。
一杯揉んで触って、〈クルス〉が大きな声を出せるように、発声練習もしてあげよう。
開園式は快晴とはいかなかった。
どんよりと厚い雲が、《ラング》の町を覆っている。
だけど、子供達は空のことなど、全く気にせずに嫌になるぐらいの元気さだ。
僕が開園の挨拶をしている時も、ペチャクチャとかなり私語が多い。
すっ飛んで行き頭をパーンと叩(はた)いて、有難い僕のお話を良く聴けと、説教しようと思ったけど。
相手はまだ七、八歳くらいだったので、グッと堪えて我慢したんだ。
幼児に本気で怒るのはちょっとかっこ悪いし、式に参列している親が文句を言ってきたら、〈クルス〉に迷惑がかってしまう。
まあ、その時は領主権限で家族ごと、《ラング領》から追い出してやるけどな。
お偉い領主様の話なのに、聴かない子供を注意しないバカ親がいけないんだ。
孫が《ラング学園》に入園したんだろう、参列者の中に《ラング衛兵隊》員を見つけたので、開園式の後でバカ親達を特定して貰おう。
開園式には、今後協力関係になる《ラング女子修道院》の院長も、駆けつけて祝辞をしてくれた。
駆けつけてくれたと言っても、隣なんだけどな。
〈ハパ〉先生も、剣術教室を実施する関係で先生紹介のために来て貰った。
始終ニコニコと笑っておられたのが、とても不気味ではある。
ハードな鍛錬をされて、子供達が全員登園拒否になったりしないですよね。
その他にも《ラング領》の重臣達や、物見高(ものみだか)い領民が見に来てくれて、盛大な式となったと思う。
〈クルース〉園長の子供向けの訓示の後、年少と年長組に別れて、いよいよ学園が胎動する。
〈クルース〉園長は僕が昨日の夜、念入りに自信と種を植え付けたので、普段通りキリリとした感じだ。
昨日の夜、あれほど身体がクネクネしてたのと大違いである。
年少組が、〈サトミ〉に連れられて教室へ入っていく。
年長組は、〈クルース〉園長自らが引率している。
生徒数が増えた場合は、先生を雇うことも考えなくてはいけないな。
でもまだ、生徒数は二十人くらいだし、当分は様子見だな。
「ふふ、子供達の目が、キラキラと輝いていましたね。《ラング領》の未来は、子供達と一緒で明るいと思いますわ」
〈アコ〉は明るく笑っているけど、僕の挨拶を聴かない悪ガキどもだぞ。
〈クルス〉も〈サトミ〉も、これからかなり苦労をするだろう。
でも今日は、開園式って言うお目出度い日なんだ。
〈アコ〉の気分に、僕も乗っておくことにしよう。
「そうだな。この子供達が、次代の《ラング領》の礎(いしずえ)に、なってくれると思うな」
「えぇ、子供は宝ですもの。ふふ、私達も沢山の宝が欲しいですね」
〈アコ〉は、どんだけ産むつもりなんだ。
まあ、そのための行為を、沢山することに僕も異存はない。
それどころか、重度の依存症かも知れないな。
〈サトミ〉の後宮へ帰ると、〈サトミ〉が真っ裸で出迎えてくれた。
僕の目の前に、薄いピンク色に輝く裸体が、忽然(こつぜん)と現れたんだ。
正確には、青と赤のストライプの派手なシマシマショーツだけを履いている。
まん丸いおっぱいを、プルプルと弾ませて僕に抱き着いてきたぞ。
この開けっぴろげで可愛い女は、僕が帰って来るのを待っててくれたんだ。
剥(む)き出しなんだから、このままおっぱいを揉んでも良いのだけど、裸になっている理由がとても気になるな。
「えっ、どうして〈サトミ〉は裸なんだ」
「お茶をひっくり返してしまったの。でも〈ターさま〉が帰ってきたから、慌(あわ)てて出迎えたんだよ。裸ではいけなかったの」
「ううん、いけなくはないよ」
そりゃ裸でも、いけるよ。
むしろ、もっといけちゃうよ。
一目瞭然(いちもくりょうぜん)で、イケイケ状態だと言えるだろう。
僕は理由に深く頷(うなづ)くと共に、〈サトミ〉のおっぱいをモミモミし始める。
「いやぁ、〈ターさま〉、玄関でそんなことをしないでよ」
えぇー、裸で出迎えた〈サトミ〉が、それを言っちゃうの。
「はぁ、そのための裸じゃないのか」
「ふぅん、違うよ。訳はさっき言ったじゃない。〈ターさま〉のお出迎えのためなんだよ」
「だから、揉んでいるんじゃないか」
「えぇー、〈サトミ〉は胸で、お出迎えはしてないよ。キスなら良いけど、お風呂に入ってからにしてよ」
〈サトミ〉は難しいことを言うな。
丸出しのおっぱいへの、正しい対処だと思ったのに、このおっぱいを無視してキスをしろと言うのか。
かなりの無茶ぶりだ。
「そうなの」
「そうだよ。物事には、ちゃんと順序があるんだよ」
僕には納得が出来なかったけど、とりあえずキスをしてみた。
「へへぇ、〈ターさま〉、お帰りなさい。キスをありがとう」
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