第606話 寝間着を鑑賞

 「そうだ、僕達はもう夫婦なんだな。午後の予定は何かあったかい」


 太もも置かれた手がとても熱くて、午後の予定を聞く必要が出来たんだ。


 「ん、今日は何もありませんわ」


 「そうか。二人切りで過ごせば良いんだな」


 僕は〈アコ〉の太ももに手をかけ、グッと持ち上げて〈アコ〉が僕の方を向いた形で膝の上に乗せた。


 「きゃー、またこの格好をさせるのですか。足を開いて跨(またが)るのは、とても恥ずかしいんですよ」


 「もう夫婦だから、良いじゃないか」


 「ふぅん、良く言いますわ。昨日の初夜は、気合を入れてましたのよ。それようの寝間着を着てお布団に入ったのに、ムニャムニャとおっしゃただけでしたわ」


 僕は記憶がなくなるほど酔っていたのに、それは無理だよ。

 本当の初めてはもう終わっているけど、〈アコ〉は初夜を大切に思ってくれていたんだ。

 悪いことをしてしまったな。


 それに、それようの寝間着を想像して、大変ムクムクしてきたぞ。


 「見たいな」


 「えぇー、ダメです。昼間からあんなの着れませんわ。夜まで待ってください」


 「えぇ、ダメなの」


 「はぁー、着ないとは言っていないのですよ。今は我慢ですわ」


 うーん、残念ではあるけど、〈アコ〉の言うことはもっともである。

 夜に期待をしよう。


 ただ、エッチな寝間着を着なくても、〈アコ〉のモッチリとしたお尻の感触で僕のはもう元気一杯だ。

 膝の上の〈アコ〉を、強く抱きしめて長くキスをする。


 「んんう、〈あなた〉、私をどうされるおつもりなんですか」


 「〈アコ〉を愛しているんだ。愛したいんだ」


 僕は〈アコ〉の耳元へ、注(そそ)ぎ込むようにこう囁(ささや)いた。


 「あー、すごく嬉しいです。私も愛していますわ」


 〈アコ〉は一瞬身体を震わせて、その後とても体温が上がってしまったらしい。

 身体中が熟れたトマトのように、真っ赤に染まっている。


 僕は舌も使い〈アコ〉にディープなキスを決めながら、豊かなお尻を揉んでいた。

 スカートをまくり上げて揉むと、みっちりとした感触が堪らないぞ。


 「あぁん、こんな明るいのに、恥ずかし過ぎます」


 嫌がっている割に〈アコ〉は、何も抵抗をせず大人しく僕の膝の上に乗ったままだ。

 これはもっと、しろっていうサインだろう。

 〈アコ〉のブラウスのボタンを外すのは、少しドキドキしてもう洩れそうだよ。


 「夫婦だから良いだろう」


 「夫婦でも恥ずかしいの。あっ」


 スリップをたくし上げて、おっぱいに到達した。

 おっぱいを両手でサワサワと触ると、〈アコ〉が色っぽい声をあげてくる。

 もう人妻だからか、前より声に艶が出てる気がするな。


 ショーツを抜き取る時も、〈アコ〉は殆ど抵抗をしなかった。

 首まで赤くなりながらも、お尻を浮かして協力さえしてくれる。

 膝の上に座ったままでは、本人が拒(こま)めば無理だからな。

 僕のパンツさえ脱げないだろう。


 〈アコ〉がのけ反って喉を見せたので、そこに舌を這わせたら、甘えたような声が続けて出てきた。

 僕は愛おしさが増して、もう我慢が出来なかった。


 うーん、次はもっと上手く、そして長くしたいな。


 それにしても、やる時だけ「愛している」と言うのはいかがなものか。

 自分でもそう思ってしまうな。

 でも感情が高ぶらないと無理なんだ。

 素の状態では、とても恥ずかしく言えない。

 スケベは僕の心に耐性をもたらす、支援魔法みたいなもんなんだろう。



 夕食後に入浴を済ませて、また後宮のソファーでのんびりとしている。


 「〈あなた〉、お酒を飲まれますか」


 「うーん、〈アコ〉は飲みたいの」


 「お付き合いならしますわ」


 「それなら、今日は良いよ。しばらくお酒はいいって感じなんだ」


 「ふふ、そうですよね。それなら、お茶を入れますわ」


 〈アコ〉が横に座ってくるので、自然と腰に手を回す。

 新婚だから当然だ。


 腰から少し手を上げて、おっぱいを揉んでみる。

 こんなに大きいのに、無視出来ないのは当然だろう。

 いやでも目に入ってくる。


 「んんう、良いですけど。お茶が零(こぼ)れないように、ゆっくりお願いしますわ」


 おっぱいの色んなとこを、ねっとりと揉んでいると〈アコ〉が僕にしなだれかかってきた。


 「はぁん、声が出ちゃいます」


 スペンス乳腺の開発も、かなり出来たような気がするな。


 「例の寝間着を着てくれよ」


 「んんう。分かりましたわ。〈あなた〉は寝室で待っててくださいね」


 〈アコ〉は一瞬、悩んだような顔をしたけど、直ぐに希望を叶えてくれた。

 僕の気持ちを尊重してくれている気がして、すごく嬉しくなるな。


 パジャマを着てベッドの中で待っていたら、やっと〈アコ〉が寝室へ入ってきてくれた。

 僕が振り向く前に、〈アコ〉が部屋の灯りを消してしまったので、光源は〈アコ〉の持っている小さなランプしかない。


 「〈あなた〉、お待たせしました」


 〈アコ〉が布団の中へ入ってこようとするけど、僕は両手で押し留めた。


 「えっ、お布団の中へ入れて貰えないのですか」


 「うん。その前に寝間着を鑑賞したいんだよ」


 「きゃっ、そんなのダメですわ。見ないでください」


 自分で着たくせに、見ないでとはどういうことだ。

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