第553話 そんなの当たり前でしょう

 「はぁ、〈タロ〉様、お茶をいつまでも舐めていないで、もう行きましょうよ」


 「おっ、食べ終わったのか。早く行こう」


 〈アコ〉は僕の腕に絡みついて、おっぱいをグイグイと押し付けながら、《ラング領》で行った結婚式の準備の話をしてくれた。


 でも、おっぱいをグイグイと押し付けられたら、気になって頭に入るわけがない。

 僕は「うん、うん」「そうか、そうか」と適当に返事をしておくしかない。

 だって、話の内容が頭へ入ってこないんだもん。

 頭に入ってくるのは、いかにおっぱいが大きくて〈ふわぁふわぁ〉としているかだけさ。


 〈アコ〉も、僕が何でも肯定(こうてい)するから、すごく喜んでくれたようだ。

 結婚式は花嫁のためのものだから、〈アコ〉に全て任しておけば問題ないだろう。


 屋根裏部屋に着いたら、いつものように部屋着に着替えた。

 着替えているところを見たら〈アコ〉の今日の下着は、白色だ。

 色で〈アコ〉の気持ちを推(お)し量(はか)れないが、今日は赤や黒じゃないと思ったんだろう。

 赤や黒の時の気持ちは、聞いてみないと分からない。

 まあ、結婚すれば分かってくるのだろう。


 「〈タロ〉様、胸の前に今回のお話を聞かせてください」


 僕達は絨毯の上に、横並びで座って話した。

 〈アコ〉は僕の身体にピタリと、自分の身体をつけてくれている。


 「〈青白い肌の男達〉との戦いの話かい」


 「そうですわ。〈タロ〉様、何か辛いことがあったのでしょう」


 僕と〈アコ〉は身体を捻(ひね)って、とても近づいて話している。

 〈アコ〉の吐息が僕に届いて、僕の吐く息が〈アコ〉の髪を揺らすほどだ。


 「えっ、辛いこと」


 「〈タロ〉様のお顔が、少し険(けわ)しくなっていますわ」


 〈アコ〉がもっと近づいて僕を見ようとするから、唇と唇がくっつきそうになってしまうよ。


 「そうなんだ。自分では気づかなかったよ」


 「ふふ、私は〈タロ〉様の正妻ですよ。その位分からなかないで、どうするのですか」


 「ははっ、降参(こうさん)するよ。辛いことか。両王子とその取り巻きに気を使ったことと、冬休みが潰れたことかな」


 「王子様が二人もいれば、倍は気を使いますからとても大変でしたね。それに冬休みは、私も楽しみしていましたからとても残念ですわ。埋め合わせで、これから楽しいことを一杯しましょう。ただ〈タロ〉様、一番辛いことがまだあるんじゃないですか」


 うーん、冬休みが潰れる以上に辛いことか。


 「そうだな。自分の提案で、人が沢山死んだのは嫌だったな」


 丘の上から見た沢山の死体が、焼け焦げている景色を一生忘れることはないだろう。


 「そうでしたか。でも〈タロ〉様は、何も悪くありませんわ」


 〈アコ〉が僕の目をじっと見詰めて、キッパリと言ってくる。

 その瞳には一辺の曇りもなく、純粋に真実を話している気がした。


 「うーん、でも僕が提案した作戦だよ」


 「それであっても、何も悪くないのです。私の元へ帰って来てくれるためなら、良いことにしかなりませんわ。そんなの当たり前でしょう」


 「そっか、当たり前なのか」


 「あら、〈タロ〉様は私の言うことを信じられないのですか」


 やっぱり〈アコ〉は、微塵も自分の考えを疑っていないようだ。

 僕もその言葉を信じても良いのだろうか。


 「いや、〈アコ〉を疑ってなんかいないよ。それは信じているさ」


 「ふふふ、それでしたら、問題は解決しましたわ」


 そう言いながら、〈アコ〉は部屋着の上を脱いでいく。

 顔は真っ赤になっているけど、熱いような視線は僕から決して逸(そ)れない。

 まるで目を逸らしたら、僕がどこかへ行ってしまうと思っているようだ。


 スリップを頭から引き抜いたら、ポロンとおっぱいが零(こぼ)れ落ちた。

 〈アコ〉は両手を膝の上で組んで、おっぱいを隠しもせずに目を瞑(つむ)っている。


 おっぱいを自由にして良いということだな。

 でも、キスを待っている気もする。


 最初は、キスを選択しよう。

 夢にまで見たおっぱいも魅力的ではあるが、厚くてプルプルしている唇も目の前に差し出されているんだ。

 順番的に、ここは唇だろう。


 〈アコ〉の裸の肩を抱き寄せて、唇に優しくキスをする。

 瑞々(みずみず)しい〈アコ〉の唇は、僕の荒れた唇に潤いを与えてくれると思う。

 僕の差し入れた舌も、〈アコ〉は口の中で、ふんわりと包んで受け入れてくれた。


 「んんう、〈タロ〉様のキスは、私をとても幸せにしてくれますわ。〈タロ〉様はどうですか」


 「うん。僕も幸せだよ。戦場ではいつも夢に出てきたことなんだ」


 「ふふふ、私の胸も夢に出てきましたか」


 〈アコ〉が嫣然(えんぜん)と笑って、少し胸を突き出して見せてくる。

 〈さあ、夢にまで見た私の胸を触っても良いのよ〉と、〈アコ〉のフルフルと揺(ゆれ)れるおっぱいが、雄弁に僕へ語りかけてくるようだ。


 〈アコ〉がそのつもりなら、遠慮する必要はない。

 〈アコ〉の大きな胸を両手で、鷲掴(わしづか)みしてみる。


 ただ、力は入れてはいけない。おっぱいは繊細なものだからな。

 僕の指の間から、ニュルリと出るほどふわぁふわぁだ。

 僕の手の平には、とても収まらない大きさである。

 改めて見る〈アコ〉のおっぱいは、最大で最高としか言いようがない。


 ただ大き過ぎて一度で揉めないから、どう揉むかで迷ってしまう。

 ははっ、根元かつ下乳から揉むのが定番だろう。

 後はスペンス乳腺も意識しなくてはならないぞ。

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