第507話 パンツを手洗い

 「これで良い」


 「ふふ、一番凝(こ)っている所を、解(ほぐ)してあげますわ」


 うーん、身体の正面で凝っている場所って、一体どこだろう。

 胸じゃないし、お腹が凝っているはずもない。

 太ももの辺りかな。


 〈アコ〉は手を、部屋着のズボンの中へ入れようとしている。

 えぇー、直接太ももを揉むつもりか。


 そう思っていたら、パンツの中まで手が入ってきた。

 ひゃぁー、〈アコ〉のプニュとした手が、あそこに触れているぞ。


 「とても恥ずかしいのですが。これが私のお礼ですわ。スッキリしてください」


 〈アコ〉は、真っ赤になってこう言った。

 背(そむ)けた顔は、壁を見ている。


 僕の方を見れないらしい。

 僕は〈アコ〉を凝視してしまう。


 一体、どういうことだ。

 突然のことに混乱してしまう。

 そんな状況なのに、〈アコ〉は手を動かし続けている。


 そんなのダメだよ。

 刺激が強すぎる。

 僕は耐えられそうにないよ。


 何度〈アコ〉の手が、動いたかは分からないけど、僕はその時を迎えてしまった。

 快感を覚えてはいるが、困惑も覚えている。


 〈アコ〉のプニュとした手に握られたまま、僕は「あっ」と声を上げてしまった。

 身体を一瞬強張(いっしゅんこわば)らせてから、弛緩(しかん)してしまったのだ。

 頭が混乱し過ぎて、ぼっーとなってしまう。


 茫然(ぼうぜん)としている間に、僕はズボンとパンツを脱がされたらしい。

 〈アコ〉は僕の汚れたパンツを、洗ってくれているようだ。


 「フン、フン」と鼻歌を歌いながら、手でパンツを手洗いしている。

 鼻歌を歌うって言うことは、機嫌が良いのか。

 僕のパンツを洗うことが、楽しいことだとは、とても思えないのだが。

 ヌチョとしているはずだ。


 どう言うこと。

 ますます頭が混乱するぞ。


 「ふふふ、〈タロ〉様、スッキリとされたようで、良かったですわ。このパンツは干して返しますので、このパンツを履(は)いてください」


 〈アコ〉が新品のパンツを渡してくれた。

 金運が上げるためか。なぜか赤色のパンツだ。


 最初から用意してたってことだよな。

 これは予定の行動で、初めからこうするつもりだったんだな。


 「あ、〈アコ〉、これは一体、どういうことなんだ」


 「ふふふ、これが〈奥の手〉です。スッキリとさせたら、男性はエッチな気持ちが収まると聞きました。それに気持ち良かったでしょう。お顔がそう言っていましたわ」


 壁の方を向いていたと思ったが、顔も見られていたのか。

 顔がとても熱くなってしまう。

 僕の正直な顔のバカ野郎。


 渡されたパンツを履きながら、割り切れない思いが込み上げてくるぞ。

 僕は〈アコ〉に手綱を握られて、好きな様に引きずり回されている気分だ。

 でも、こんなサービスをされたら、それも良いかなって思ってしまう。

 快楽に負けそうな、僕をどうか許してください。



 午後は〈クルス〉の耳掃除だ。


 〈クルス〉は、後ろを向いて着替えを行っている。

 ワンピースをストンと落としたら、薄いスリップ越しに、白いショーツが見えたぞ。

 今日は青じゃないんだ。

 まあ、学舎生だから白色が普通だよな。


 ふむふむ、改めて思う。

 普通の白も良いものだ。


 「ふぅー、〈タロ〉様は、私の着替えを見るのがお好きですね」


 「そうなんだ」


 「うふ、断定されましたね。まあ、良いでしょう。膝枕をしますので、そこに寝転んでください」


 〈クルス〉に、ずいぶんと軽く流されてしまったな。

 僕に着替えを見られるのは、どうでも良いことなのか。

 どう考えたら良いのだろう。少し悩むぞ。


 「うん、分かったよ」


 〈クルス〉は僕の頭を持ち上げて、自分の膝の上へ乗せてくれた。

 膝って言うより、太ももだけどな。


 「お返しに、私の耳掃除をしたいと言われても、それは絶対に認めません。先に言っておきますね」


 「へっ、耳掃除が嫌なの」


 「絶対にダメです。うーん、結婚してから一度だけ試してみましょうか」


 一度だけなのか。

 そのトライヤルに、全精力をかけてやるぞ。


 〈クルス〉の太ももは、細いと思っていたけど、そんなことはない。

 女性の平均より細いのは確かだ。


 でも、適度にムッチリとしているぞ。

 たぶん、骨が細いのだろう。脂肪がついて、かなり柔らかい。

 僕の側頭部が、そう訴えかけてくる。


 「わぁ、〈タロ〉様。一杯耳くそがありますよ。自分では、とっていないのですね」


 耳くその、くそって言う言葉は結構キツイな。

 せめて、耳垢(あか)にして欲しかったな。


 「そ、そうか。そんなにあるんだ」


 「うふふ、心配しないでください。全部、私がとってあげます」


 〈クルス〉は、穏やかに笑いながら、両耳の耳くそをとってくれた。

 こんな風に世話を焼いて貰えるのは、くすぐったくて、心が温かくなってしまう。

 〈クルス〉の太ももも温かくて、僕の股間も熱くなってしまうぞ。


 「〈タロ〉様、耳掃除は終わりましたよ。他にして欲しいことはありますか」


 僕は〈クルス〉を後ろに押し倒して、〈クルス〉の頭を手で抱えた。


 「きゃっ、〈タロ〉様。私をどうするのですか」


 「ふっふん、こうするのさ」


 頭を固定したまま、〈クルス〉の唇にそっと触れた。

 〈クルス〉は、されるままで嫌がったりしないから、深くキスをして舌も入れてみる。

 同時に部屋着をたくし上げて、生おっぱいを触ることにした。

 午前中の〈アコ〉との出来事はもう忘れて、今は〈クルス〉に夢中だ。

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