第429話 拷問

 そこは揉むんじゃなくて、さするもんなんだ。


 おっぱいやお尻とは、違うんだ。

 〈サトミ〉の持っているものとは、方向性が違うんだよ。

 脂肪じゃなくて、海綿体なんだ。


 それに〈サトミ〉は、思ったより握力があるんだな。

 揉まれて嬉しい気持ちもあるが、結構痛いぞ。


 僕のあそこは、繊細で初々(ういうい)しいヤツなんだ。

 少しの刺激でも、ビクッと怖気づいてしまうんだよ。

 それをこんなに、遠慮なく揉まれたら、拷問に近いことになっている。

 これじゃ僕が、罰を受けていることになってしまうぞ。


 「うわぁ、〈サトミ〉。これはダメだよ」


 僕はたまらず、腰をガバッと引いて〈サトミ〉の手から逃れた。


 「きゃー、〈タロ〉様。見たでしょう」


 〈サトミ〉は、その場でしゃがみこんで、僕を睨みつけている。


 合わさった太もものラインが、とてもセクシーだ。

 お尻のふっくらとした曲線が、とても魅惑的に見える。

 太ももの奥を手で隠している姿が、とてもいやらしいぞ。


 「あっ、見てないよ」


 あぁー、本当に見てないんだ。惜しいことをしたよ。

 逃げることに、必死だったんだ。


 「ふん、見てないのは、本当みたいですね。〈タロ〉様、後ろを向いててください」


 「はい。分かりました」


 〈サトミ〉は、僕の後ろでゴソゴソとショーツと上げて、スカートを履いているようだ。

 非日常が、日常に戻ってしまう。


 「〈タロ〉様、せっかく揉んであげたのに、逃げましたね。〈タロ〉様は、まだお子ちゃまなんですね」


 ズドーンしたショックが僕を襲う。〈サトミ〉に、お子ちゃまと言われてしまった。

 確かに、僕のあそこは、お子ちゃまかも知れない。

 言われなくても、知っているよ。悲しいな。


 ただ、これからも〈サトミ〉は、揉むつもりなんだろうか。

 これを毎回されたら、堪ったものじゃないぞ。溜まっているけど。

 正しい対処を知って貰う必要があるな。


 「〈サトミ〉、どうして揉もうと思ったんだ」


 「うっ、そんなこと、〈サトミ〉に聞かないでよ」


 〈サトミ〉は、顔を赤くして横を向いてしまった。

 〈サトミ〉は、恥ずかしいのを我慢して、揉んでくれたようだ。

 可愛い女だな、〈サトミ〉は。


 これじゃ、揉むのは間違いだと、言いにくいな。

 勇気を出して揉んでくれたのに、その勇気を台無しにしてしまうと思う。

 もう、揉んでもさすっても、くれなくなるんじゃないかな。

 これは伝え方を、良く考えなくてはならないぞ。

 〈サトミ〉が、自分で変えるように、何とかもっていけないかな。


 また、難しい宿題を抱えてしまった。頭が沸騰してしまうぞ。


 「〈タロ〉様、いつものように〈サトミ〉を、抱いてくれないの」


 〈サトミ〉は、両手を絞るようにして、恥ずかしそうに聞いてきた。


 「もちろん、するよ」


 僕は〈サトミ〉を、お姫様だっこに抱えて、そのまま椅子に座った。

 左手は脇下を通して、左のおっぱいを触っている。

 そして、右手は両膝下を通して、お尻の横を触っている。


 「〈タロ〉様、これでいつもが帰ってきたね。こうして、〈タロ〉様に包み込まれているのが、一番幸せなんだ」


 「そうか。〈サトミ〉も、気に入ってくれて嬉しいな。僕もこうするのが、大好きなんだ」


 「あはぁ、でももっと、〈サトミ〉を大好きにして欲しいな」


 〈サトミ〉はそう言って、僕の首に手を回して、顔を近づけてくる。

 今度は、自分からしないんだ。


 僕は、少し首を曲げて、〈サトミ〉の唇にキスをした。


 「へへっ、〈タロ〉様、大好きだよ」


 僕は、〈サトミ〉にキスをしながら、おっぱいとお尻を触り続けた。


 〈サトミ〉は、「んんう」って小さな声を出していたけど、逃れようとはしない。

 〈サトミ〉は、今、何を考えているんだろう。何を感じているんだろう。


 僕は、触るのが片側に偏っているので、次は反対向けに抱かなきゃと、考えていた。

 片方のおっぱいとお尻だけが、大きくなったら困ってしまう。


 僕の考えていることは、何てくだらないんだろう。


 目を閉じて、唇を半開きにしている〈サトミ〉は、夢を見ているようだ。

 僕に抱かれて、何を夢見るのだろう。


 その夢を叶えるために、僕は〈サトミ〉と一緒にいよう。

 大して役には立たないけど、少しは温もりを伝えられると思う。


 「〈タロ〉様、もう〈サトミ〉を離してください。身体が熱くなり過ぎたの。〈タロ〉様は、触り過ぎだと思うよ」


 「ごめん」


 「あはぁ、罰を受けた気がしないな。昨日の悪い夢から覚めて、今度は、〈タロ〉様が出てくる夢を見ちゃった感じなんだ」


 〈サトミ〉は、「えいっ」って足を振り、僕の胸からすうっと抜け出した。


 「いつも〈タロ〉様は、〈サトミ〉の夢に出てきて欲しいな」


 そう言いながら、〈サトミ〉は部屋を出て行った。

 僕の返事は、いらないらしい。

 夢の中を僕が、コントロールすることは、出来ないからな。


 夢か。

 僕も〈サトミ〉の夢を見るだろう。


 たぶん、〈サトミ〉は、可愛いピンクのショーツを履いているはずだ。

 少し裏切って、青いシマシマかも知れない。それも良いぞ。


 パンツの替えを用意しておこう。

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