第428話 モミモミ

 「へへっ、〈タロ〉様が、〈サトミ〉を許してくれたよ。もう笑っているね」


 「〈サトミ〉こそ、笑っているじゃないか」


 「だって、嬉しいんだもん。〈タロ〉様に、抱きしめて欲しいと願っていたんだ。〈サトミ〉はね。怖かったんだよ」


 「そうか。誘拐されたんだ。それは怖かったろうな」


 「ううん、違うよ。〈タロ〉様が〈サトミ〉を、拒(こば)んでいるような気がして、それがもっと怖かったんだ」


 「拒む。僕は〈サトミ〉を拒んでないよ」


 「それは、〈サトミ〉の勘違いだったの。〈タロ〉様も怖かったんだと分かったの。怖いものどうし、引っ付いていれば怖くなくなるね。へへっ」


 「そうだな。ずっとこうしていようか」


 「うん。でも罰はどうするの。〈サトミ〉の、お尻を叩くのでしょう」


 「罰は、もう良いと思っているんだよ」


 「でも、〈アコ〉ちゃんと〈クルス〉ちゃんが、罰を受けているのに、〈サトミ〉だけがないのは、ちょっと良くないよ」


 「じゃ叩こうか」


 「うん、分かった。〈サトミ〉が準備するから待っていてね。抱きしめたままでいてくださいな」


 〈サトミ〉は、スカートをストンと落として、ショーツを膝まで下げた。

 僕は〈サトミ〉を抱きしめたまま、あそこの角度を上げてしまう。

 〈サトミ〉のお腹に当たっているから、気づかれたかも知れないな。


 「〈タロ〉様、絶対に下を向いたらダメだよ。〈サトミ〉のあそこが、見えちゃうからね」


 この状態なら、僕のあそこは絶対下を向かないよ。


 「でも〈サトミ〉、下を向かいないとお尻が見えないよ」


 「えっ、〈タロ〉様。何を言っているの。背中の方からじゃないと、お尻は見えないよ」


 それはそうだけど、〈サトミ〉が下を向いたらダメだと言ったんだぞ。

 僕が、バカみたいに言わないでくれよ。前と背中くらいの、区別はつくんだよ。

 それとも、わざと言ったのか。下を見るように誘導したのか。

 それとも僕を試したのか。まあ、良いや。考えても分からないことだ。


 「はぁ、分かったよ。それじゃ叩くよ」


 ― パチン ―


 「うわぁ、〈タロ〉様、痛いよ。〈サトミ〉のお尻が腫れちゃった」


 体勢が悪い割には、良い音がしたけど、そんなに力は入れていない。

 腫れるほど、痛いはずがないと思う。


 「そなに、強く叩いてないよ」


 「でも、〈タロ〉様。〈サトミ〉はお尻が痛いの。撫ぜて欲しいな」


 「しょうがないな。それじゃ撫ぜるよ」


 僕は〈サトミ〉のお尻をゆっくり撫ぜ始める。

 〈サトミ〉の膝に、ひっかかっているショーツは、良く見たら黒色だった。

 〈サトミ〉は、僕に見せようとする時は、いつも黒の気がするな。


 どうして、黒なんだろう。〈サトミ〉は、ピンクの方が似合と思うな。

 可愛い〈サトミ〉に相応しい色だ。今度、ピンク色のショーツを買ってあげよう。

 でも、しましま模様も捨てがたいな。迷うところだ。


 「〈タロ〉様、どこを見ているの。ちゃんと〈サトミ〉を見て欲しいな」


 えぇーっと、見て欲しいのは、あそこか。お尻か。どこなんだろう。

 たぶん、顔なんだろう。当たり前だよな。


 「分かった。可愛い〈サトミ〉の顔を見るよ」


 「へへっ、可愛いかな」


 「うん。可愛いよ。それに、お尻も可愛いな」


 僕は〈サトミ〉のお尻を、両手で軽くモミモミしてみた。

 〈サトミ〉のお尻は、弾力がすごくて、握力の強化も出来そうだ。

 そして、小振りで可愛いと思う。プリリンとしているぞ。


 「もう、〈タロ〉様。お尻ばっかり見て、〈サトミ〉の顔を見てないよ」


 「お尻も〈サトミ〉なんだから、良いじゃないか」


 「それじゃイヤなの」


 〈サトミ〉は、僕の首に手を回して、キスをしてきた。

 〈サトミ〉からしてくるのは、初めてだと思う。〈サトミ〉の中で、何かが変わったんだろう。

 もっと強固に結びつきたいと、無意志で行っているのかも知れない。


 僕の唇へ、自分の唇を押し付けて、首へと回した手に力を込めている。

 爪先立ちになったから、お尻は少し硬くなっているようだ。

 お尻の両サイドに、えくぼが出来ている。


 「ぷはぁ、今度は〈タロ〉様から、して欲しいな。今度は、〈サトミ〉が揉んであげるよ」


 「えっ、何がして欲しいの」


 〈サトミ〉は、目を瞑って、唇を尖らせた。その様子は、幼く見えるくせに結構エロい感じだ。

 何と言っても、下着を膝まで下ろしているんだからな。当然だろう。


 僕は、〈サトミ〉を強く抱きしめて、まずは唇を、舌でなぞってみる。

 〈サトミ〉も、舌を可愛く出して、僕の唇をなぞり返してくれた。

 〈サトミ〉の舌は、やっぱり小さくて、ピンク色が鮮やかだ。


 僕はその〈サトミ〉の唇を、舌で触ってみる。

 〈サトミ〉もお返しで、唇に触れてくると思ったら、全く違うお返しがきた。


 「うぴやぁ」


 何するんじゃ。


 〈サトミ〉は両手を使って、僕のあそこをモミモミし出したんだ。

 それも結構力を込めて、揉んでくれている。


 「〈タロ〉様、気持ちが良いでしょう。さっきからギチギチで、苦しそうだったから、解放してあげるね」


 〈サトミ〉は、誰から聞いたんだ。

 言っていることは、正しいと思うけど、やっていることが間違っているぞ。

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