第426話 尾てい骨
「あぁ、そうですけど。むき出しって、言わないでください。私の下半身は全て、〈タロ〉様に見られているんですね」
「そうだよ。お尻が目の前にあるよ」
僕は〈クルス〉のお尻をスーと撫(な)ぜてみた。
〈クルス〉は、ピクンと身体を震わせたと思う。
「ひゃー、〈タロ〉様。触らないでください」
〈クルス〉のお尻は、白く光ってプルンとしている。
少し縦に長い気もするけど、ちょうど良いサイズだと思う。
大きくはないし、小さ過ぎるほどじゃない。
「ごめん。右手の位置に、ちょうどあるから、どうしても触ってしまうんだよ」
「んんう、まだ触っています。罰は叩くのであって、触るのじゃないはずです」
「分かったよ。もう触らないよ」
お尻の触り心地が大変良いので、僕のあそこが元気になってしまった。
大きくなったから、〈クルス〉のお腹に当たっているはずだ。
「うふふ、〈タロ〉様。一晩寝たら、元気になられたようですね」
良かった。〈クルス〉も気づいてくれたようだ。嬉しくて、泣いてしまいそうだよ。
「〈クルス〉、それじゃ行くよ」
「〈タロ〉様、お待ちしています」
〈クルス〉は、何を期待しているんだか。
― ボゴッ ―
「ウギュ」と〈クルス〉は、変な声を出した。
失敗したぞ。
僕は、〈クルス〉のお尻の真ん中を叩いてしまったらしい。
叩いた所が割れ目だったので、空間があって、良い音が出なかったんだ。
「ごめん、〈クルス〉。痛くはないか」
「うぅ、〈タロ〉様。それほど痛くはないのですが。尾てい骨から脳まで、電気が走りました。どうしてくれるのです」
丸出しのお尻を突き出したまま、〈クルス〉は、身を固くして何かに耐えているようだ。
すごくいやらしいぞ、〈クルス〉。まさか、〈クルス〉はこういう趣向がストライクなのか。
いやらしいお尻は、触らずにはいられない。僕は〈クルス〉の尾てい骨を優しく触った。
少し盛り上がった下の方を、ソフトに触ったんだ。
〈クルス〉は、お尻を振って答えてくれる。正解したようで嬉しいな。
「あっ、あっ、〈タロ〉様。そんな所を触ってはダメです」
「でも、ここを叩いてしまったから、痛いんだろう。撫ぜているんだよ」
「ううん、もう痛くはないですし、ダメだったらダメなんです」
〈クルス〉は、僕の手から、もっとお尻を振って逃げようとする。
僕は逃げられないように、左手の肘から先を使って、〈クルス〉の身体を押さえてみた。
「いゃー、押さえないでください。私を固定して、もっと触るのではないでしょうね」
「少し下の方も、痛いんじゃないのか。ここにも当たったよね」
「ひゃー、痛くはないと言ったでしょう。下着が捲られているのに、そんな下の方まで触られたら、恥ずかし過ぎます。いい加減にしてください」
〈クルス〉は、身を捩っていると言うより、暴れていると言う方が近くなってきた。
「もう少しだけ」
「ふざけないでください」
〈クルス〉は、真剣に怒り出したようだ。
そろそろ止めた方が良いな、と思っていたら。
〈クルス〉の右手が、僕のあそこを握ってきたんだ。そして、優しく撫で始めた。
えぇー、〈クルス〉もなのか。
「うわぁ、〈クルス〉。そんなのダメだよ。真面目な〈クルス〉が、そんなことをするなんて、おかしいよ」
「うふふ、何もおかしくはありません、〈タロ〉様と私は婚約者なので、お返しをしているだけです。〈タロ〉様、こうされると気持ちが良いのでしょう」
「ひゃー、もう止めてよ。このままじゃ、マズイことになるんだ」
「ふん、私がマズいことになっても、止めなかったのは、〈タロ〉様ですよ。反省していますか」
「深く反省してますから、もう許してください」
「うふふ、分かりました。もう止めてあげます。これから、あまりにもエッチなことをすれば、この奥の手を発動しますからね」
うーん、僕はこれからどうしたら良いんだろう。
許嫁達が、極悪な奥の手を取得したようだ。ただ、極楽な奥の手とも言える。
エッチなことをし続けて、奥の手を使用して貰うのは、何が悪いのだろう。
望むところだと言えないか。
僕のスケベな欲求が、高い水準で同時に達成出来るぞ。
ただ、爆発させられるのは、どうなんだろう。すごく恥ずかしい気がするな。
人は責めるより、責められることの方が、かなり弱いんだな。
僕は少し責められただけで、逃げ腰になっているらしい。
情けないと思うが、許嫁達にまさか反撃されると思わなかったんだ。
頭の整理がつくまで、少し時間が必要だろう。
触られるのに慣れて、心の準備が整ったら、晴れて爆発させてもらおう。
火山の噴火のように、ドロドロとした噴出物を撒き散らそう。
そうなると、パンツは酷いことになるんだな。
そのことの整理も、必要かも知れない。
僕がしばらく考えていたら、〈クルス〉が僕の顔を覗き込んでいた。
少し不安気に、僕を見ている。
「〈タロ〉様、落ち込まれたのですか」
「ううん。少し、これからのことを考えていたんだ」
「これからですか」
これからのことは、また明日考えよう。
今日出来ることも、明日へ伸ばしてしまえ、と言う天晴(あっぱれ)な精神だ。
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