第410話 今度は左だ 

 「〈アコ〉は、他人の気持ちが分かるってことだよ」


 「ううん、私は、そんなに良い人間じゃありませんわ。悲しい別れをした人がいるのに、こうして〈タロ〉様に抱かれて、幸せに浸(ひた)ってますのよ」


 「でも、僕も同じだ。〈アコ〉と触れ合えて、今、すごく幸せだよ」


 「嬉しいです」


 〈アコ〉は、目を閉じた。キスを早くしろって言うサインだ。

 〈アコ〉にキスをすると、小さく「もっと」と言う。


 それなら、自分からもしろよ、と思わないでもない。何か拘(こだわ)りがあるのだろう。


 また、キスをすると、小さく「良いよ」と言う。おっぱいを触っても良いのか。


 僕が、スリップをたくし上げようとすると、し易(やす)いように、身体を浮かせたくれた。

 ただ、おっぱいは僕の胸で潰されているから、横からしか揉めない。

 それでも、フニュっと、モチっとした手触りは素晴らしい。


 〈アコ〉の息遣いは、「んんん」「うふん」と艶(なま)めかしくなってくる。

 僕が揉むので、先っちょがこすれているんだろう。


 続けてキスをすると、小さく「下も」と言う。お尻も触っても良いのか。


 僕が、ショーツの中に手を入れようとしたら、入れやすいように、スカートをめくってくれた。

 〈アコ〉のお尻は、大きくて張っている。

 これぞ女だって感じで、揉んでいると安心するほどだ。

 〈アコ〉は、僕がお尻を触る度に、お尻をモゾモゾしてくれる。自分では止められないのだろう。


 あぁ、僕はどうすれば良いんだ。おっぱいと、お尻のどっちを揉めば良いのだろう。

 片手で両方という手もある。でも、やっぱりおっぱいだ。


 僕は、両手でおっぱいを押し上げていく。

 すると、〈アコ〉のおっぱいが、僕の視界を埋め尽くした。やっぱり大きいぞ。

 真中にポツンと、先っちょも見えてくる。


 「ここは甘いです」と、ピンクに染まって、主張しているようだ。

 「ここは優しくね」と、ピョコンと尖って、可愛くおねだりしている。

 「ここは敏感なの」と、ピンピン震えて、恐れていると思う。


 こんなこと言われたら、もう我慢出来ない。〈アコ〉のおっぱいが、おしゃべり過ぎるんだ。


 僕は右を口に咥(くわ)えて、舌で味わってみる。甘くはなかった、と言わざるを得ない。

 ただ、〈アコ〉の「いゃ」と言う声は、甘かったと言えるだろう。


 僕は右を、舌で優しく転(ころ)がしてみる。優しく出来たかは、夢中だったので自信がない。

 ただ、〈アコ〉の「だめぇ」と言う声は、僕の耳に優しく響いた。


 僕は右を、唇を当てて吸ってみる。思い切り吸ったので、脳が酸欠になりそうだ。

 ただ、〈アコ〉の「あん」と言う声は、下半身に血を集め、僕の脳の酸欠を推し進める。


 僕は〈アコ〉のおっぱいを、かぶりつくように、愛撫(あいぶ)した。

 酸素が行き渡ってない脳では、他のことは考えられない。

 ただひたすら、おっぱいを舐めて、転がして、吸うだけだ。


 「んんう、〈タロ〉様、お終い」


 えっ、どういうこと。左はどうすんの。


 「えっ、終わり」


 「そうですわ。早くお昼ご飯を食べないと、間に合いませんよ」


 あぁ、そんな。血が集まった僕の下半身は、大変なことになっているよ。

 カチンコチンだ。


 〈アコ〉の左も、淋しくて泣いているだろう。右ばかりを可愛がってと、すねているはずだ。

 あぁー、何て可哀そうな左のおっぱい。それと、カチンコチン。


 僕と〈アコ〉は、お昼ご飯を食べて、屋根裏部屋から出て行く。

 階段を降りきると、〈アコ〉が僕の腕を引いて目を瞑った。

 僕は、左のおっぱいを揉みながら、〈アコ〉にキスをする。


 左のおっぱいには、「服の上からでゴメン」と、謝ることしか出来ない。


 「ふぅ、〈タロ〉様、私の胸にどうして謝るのですか。求めて下さるのは、嬉しいのですが、謝られても困るんです」


 「右だけだったから」


 「次は左にすれば良いでしょう」


 「了解しました。そのようにいたします」


 「ふー」


 〈アコ〉は、呆れたように僕を見ている。


 でもこの一時が、とても大切なものなんだ。

 一mも離れて話すのは、とてもやりきれないし、心が冷たく沈んでしまう。

 ゼロcmの距離を、保っていきたいと思う。

 お互いの身体の温かさを、常に感じることが重要だと思う。


 右と左を、分け隔(へだ)てなく舐(なめ)るのが、悔いを残さない秘訣(ひけつ)だと感じた。 

 それとも、同時に舐る方法の開発を急ぐべきか。悩みはつきない。


 「〈アコ〉、僕と離れないでよ」


 「ふふふ、離れるなんて、笑ってしまいます。私は〈タロ〉様中毒ですわ。泣いても離しませんよ」


 〈アコ〉の決して譲らないという目が、かなり怖いけど、これで良いのだろう。


 〈アコ〉の気持ちは、百kgを超える重さが、あるようにも思う。

 でも僕が、〈アコ〉を離したくないと思っていれば、たぶん、ゼロkgの重しかないと思う。


 〈アコ〉は羽の様な軽さで、僕の胸へ飛び込んでくるだろう。

 僕は、それを軽々と受けとめて、微笑むだけだ。


 重たいと感じるのは、おっぱいの大きさのせいに違いない。

 おっぱいを、手で持ち上げてあげれば良いだけだ。

 ついでに、舐めるのもありだと思う。今度は左だ。 

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