第373話 汗だく

 〈クルス〉の唇はもう開いていたので、舌を入れてかき混ぜてみた。

 〈クルス〉の舌は逃げようとしたけど、狭い口の中では逃げようがない。

 僕の舌で、隅々まで舐められるしかないと思う。


 「はぁん、〈タロ〉様。舌もダメです」


 僕は無言で、〈クルス〉の上着を捲り上げた。


 「ちょっと、〈タロ〉様。あぁ、何をするのですか」


 〈クルス〉は、そう言ってきたので、舌を吸ってみた。

 〈クルス〉は、ピクンと身体を震わせ、大人しくなった。

 ここまでなったら、後はかなり自由に出来るだろう。


 僕は、スリップも強引に捲り上げて、〈クルス〉のおっぱいを露出させた。

 〈クルス〉は、イヤイヤするように頭を振っているけど、抵抗はそれだけだ。

 腕は力なく、僕の背中に回されたままだ。

 僕は〈クルス〉の舌を刺激しながら、おっぱいを揉みしだく。

 〈クルス〉のおっぱいは、ちょうど手の平サイズなので、存分に揉むことが出来る。

 揉み始めは硬いけど、中はとても柔らかくなる。揉めば揉むほど、極上になるおっぱいだ。

 先っちょも硬くなってきたので、触ってあげよう。


 「やぁん、そこは止めて、〈タロ〉様。はぁん、もうイヤです」


 「もう少し揉ませてよ」


 「んんう、もう限界です。また今度でお願いします。それに喉のどが渇きました。何か飲みましょうよ」


 確かに、部屋も暑いから喉が渇いたな。僕も〈クルス〉も、興奮してびっしりと汗もかいている。


 「ダメなの」


 「ダメです。続きは、次に逢った時です」


 次の機会に、続きをしても良いと言われると、止めざるえないかな。

 残念だけど、僕もすごく喉が渇いている。喉がひっつきそうだ。休憩するのは、仕方がないな。

 でも、続きってなんだろう。あれかな。期待が膨らんで、爆発しそうだよ。


 「お茶で飲もうか」


 「〈タロ〉様、出来ればさっぱりとしたいので、檸檬入りのお茶を買ってきて欲しいのです」


 「欲しいのです」と甘えた声で言われたら、買ってくるしかないじゃないか。

 それにしても意外だ。いつもクールっぽい〈クルス〉も、甘えた声を出すんだ。

 さっきの余韻よいんが、残っているのかも知れないな。どっちにしても買いに行こう。


 「任せてよ。直ぐに買ってくるよ」


 「うふふ、お手数をおかしけしますが、よろしくお願いします」


 急な階段を慎重に降りて、〈南国茶店〉に入って行った。

 〈南国茶店〉は、大盛況で〈リク〉と〈シーチラ〉が、冬なのに汗だくになって働いている。

 お腹の大きい〈カリナ〉も、動き回っている感じだ。


 〈リク〉は、近衛隊長なのに、店員として使って良いのだろうか。

 〈カリナ〉も妊婦なのに、負担が大き過ぎやしないのかな。


 「〈カリナ〉、ちょっとこれは。人を増やした方が良いんじゃないか」


 「ご領主様、分かっています。近々、面接をする予定なんですよ」


 「そうか。そうだろうな」


 「ご領主様も面接をしますか」


 「いや、良い。そこは、〈カリナ〉に任せておくよ。信頼しているからな」


 「はい。お任せください。私が休んでいる時も、問題ないようにしておきますね」


 「頼むな。それと檸檬入りの紅茶が欲しいんだ」


 「分かりました。直ぐ用意します」


 店内を見渡すと、女性客が八割を占めているようだ。

 年齢層は、固まっていなくてバラバラに見える。低年齢層は場所柄、学舎生だろう。

 中年層は、たぶん学舎の職員だと思う。休養日まで仕事をしているのか。ご苦労様と言いたい。

 ただ、高齢層も一定数いるのは、なぜなんだろう。想像がつかないな。


 「ご領主様、水筒に入れておきました。さあ、首にかけますよ」


 「〈リク〉、ありがとう。お前にも苦労をかけるな」


 「ははっ、苦労なんて大袈裟ですよ。私は〈カリナ〉とずっといられて、感謝しているのです」


 〈リク〉は、鍛錬といい、今の話といい、とても異常だと思う。

 いくら好きで結婚したといっても、一日中はさすがにイヤになるだろう。


 僕は許嫁達とイチャイチャしたいと思っているけど、少しぐらいは一人の時間も欲しいと思う。

 それを〈リク〉は、一人の女性と一日中一緒なんだ。

 我慢強いとか、辛抱が出来るとかを、超えているな。本当にそれで幸せなんだろうか。

 逆に〈カリナ〉も、そう思っているのだろうか。暇な時に一度聞いてみよう。


 「〈クルス〉、お茶を貰ってきたよ。〈南国茶店〉は、ほぼ満員で熱気がすごいんだ。名前のとおり〈南国〉みたいだったよ」


 「〈タロ〉様、ありがとうございます。〈カリナ〉さんは、無理していないのでしょうか」


 「ちょっと心配になって聞いたら、近々、新しい人の面接をするって言ってたよ」


 「〈タロ〉様に、お願いがあります。その面接は、実は私が頼んだのです。〈タロ〉様に言うのが、後になってすみません。焦っていたので、先に進めてしまいました」


 〈クルス〉は、申し訳そうに頭を下げてきた。バツが悪そうな表情をしている。


 「えっ、〈クルス〉が頼んだの。知り合いの人なのか」


 「そうです。それほど仲が良くはないのですが、《赤鳩》の同組だった人なのです」


 「えっ、《赤鳩》の学舎生が働くの。学舎とは両立出来ないと思うよ」

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