第367話 禁断の苺

  〈サトミ〉の顔が、真っ赤になったので、エッチな場所に違いない。

 僕は、スカートの中に手を入れて、〈サトミ〉のお尻を触った。

 そして同時に、上着の裾から手を入れて、おっぱいも揉んだ。


 スリップ越しなってしまうのが、悲しい。スリップが邪魔なんだ。

 ただ、スリップ越しでも、〈サトミ〉のおっぱいは、プリンとしているから揉み応えがある。

 実が一杯ではち切れそうな、おっぱいを、クニュクニュと揉んでたら、〈サトミ〉の先っちょが硬くなってきた。

 〈サトミ〉は、先っちょが敏感なんだな。嬉しい発見だ。

 また、新たな〈サトミ〉の一面が見れたぞ。


 「〈サトミ〉、硬くなったよ」


 そう言ったら、〈サトミ〉は僕を突き飛ばして、手をクロスして胸を守ってきた。

 顔は火を噴いたように真っ赤だ。

 突然の暴力だよ。僕の何がいけなかったのだろう。事実なのに、理不尽な対応だと思う。


 「バカ。バカ。〈タロ〉様のバカ。〈サトミ〉は、もう知らない」


 〈サトミ〉は、そう言って僕の部屋から、飛び出てしまった。

 どうも、先っちょが硬くなったことは、言ってはいけない言葉だったんだな。

 禁断の言葉なのか。〈サトミ〉の先っちょは、禁断の果実。林檎なのか。

 いや、そんなに大きくはない。禁断の苺なんだろう。

 だって、つぶつぶしてたし、指で潰れたもの。


 それと、〈サトミ〉の言うように、僕はバカなんだろう。

 言わなくても良いことを、何も考えずに口に出してしまった。

 〈サトミ〉先っちょが、硬くなったのが、妙に嬉しかっただけなんだ。

 「硬くなった」と言わずに、「嬉しかった」と言えば良かったな。




 西宮に塩付け魚と干物を、持っていくことにした。


 《ラング》のお土産という意味もあるが、王宮への販路を開拓する販売戦略でもある。

 王宮で評判になれば、他でも売れるという、少しコスい考えなんだ。

 塩付け魚と干物が、お土産なのは、ちょっとどうかとは思う。

 でもまあ、良いんじゃないか。使えるコネは何でも使おう。


 「〈タロ〉様、お元気そうでなりよりですわ。《ラング領》は、大きく発展されているようで、これからが楽しみですね」


 「〈ハル〉様も、お元気なご様子で喜ばしい限りです。《ラング領》は、まだまだ発展途上の段階なんですよ。でも、臣下達が頑張ってくれているので安心しています」


 「それに、お土産を頂いてありがとうございます。例の塩付け魚なのですね。沢山頂いたので、王宮の知り合いにも、お裾分(すそ)わけをしておきますわ」


 「ははっ、お土産には、どうかと思ったのですが。お口に合うと嬉しいです」


 「ふふっ、《入り江の姉御》母娘の術を持ってすれば、美味しくなるのに決まっていますわ。そうでしょう」


 おぉ、〈アコ〉の母親は、《入り江の姉御》母娘の正体を見破っているんだな。

 人を見分ける能力を持っていると思う。

 日常的に、王宮に巣くう魑魅魍魎の相手をしているだけのことはあるな。


 お茶と焼き菓子を用意してくれたので、三人で少し茶会をすることになった。


 「そうそう、この前も話したけど、拠点が出来たので、王位継承争いが活発になってきていますわ。両陣営とも、見方の貴族を増やそうと動き出したようなのです。〈タロ〉様も、お気をつけてください」


 「えーっと、〈ハル〉様。何に気をつけたら良いのでしょう」


 「私の血筋の関係で、〈サシィトルハ〉王子派と思われているので、〈アコ〉との仲を裂こうとすると思いますね」


 〈アコ〉はもう分かっている話ななんだろう。唇を噛締めて難しい顔をしている。


 「そうすると、〈タィマンルハ〉王子派が、接触してくるのですね」


 「そうだと思います。ただ、仲を裂ければ良いのですから、王位継承に関係ない人の場合もあると思いますわ」


 「はぁ、要はそそのかすとか。焚(た)きつけるってことですか」


 「そのとおりですわ」


 〈アコ〉の母親は、それほど深刻そうな感じではない。

 だけど、〈アコ〉は少し気にしているようだ。表情が、いつもよりちょっと暗いと思った。

 直接の当事者と、そうでない者の違いなんだろう。


 その後、〈アコ〉といつもの四阿に向かった。

 西宮の庭は、王位継承争いとは無関係なのか、とても静かだ。

 寒い中に、お年寄りは出歩かないのだろう。

 冬枯れの木々が、葉を落として、無言で佇(たたず)んでいるだけだった。


 〈アコ〉は、何か言いたそうなのだが、何も言わない。

 僕の前に、少し俯(うつむ)き加減で佇んでいるだけだ。


 「〈アコ〉、僕との仲を心配しているのか」


 「いいえ。私は、〈タロ〉様を信頼していますわ。でも、なんとも言えない気分なんです」


 「そうか。でも、僕は〈アコ〉と別れたりしないよ。悪いけど、嫌と言っても離さない」


 「〈タロ〉様…… 。嫌なわけがありませんわ。私を離さないでください」


 〈アコ〉が、泣きそうな顔をして、僕を見てきた。もう俯いてはいない。

 大きな胸を誇らしげに、張っているように思える。いつ見ても大きいな。


 僕は〈アコ〉を強く抱きしめて、キスをした。


 「〈アコ〉の唇は、熱いな」


 「えっ、そんなに厚いですか。〈タロ〉様は薄い方が、お好きなんですか」


 「ううん。〈アコ〉の厚い唇は好きだよ。だって、キスが気持ちいいもの」


 「ふふ、そうなんですね。それでは、もっと私の唇を熱くしてください」


 〈アコ〉の唇を貪るようにキスをした。同時におっぱいとお尻を揉んだ。

 ただし、服の上からだ。感触が伝わらないので、あまり嬉しくはない。

 冬の戸外だから、仕方がないのだけど、僕も贅沢になったものだ。

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