第344話 ダイナマイトバディ

 ただ、〈アコ〉のダイナマイトバディが、この固いイメージを思いっきり破壊している。


 〈ベート〉は、「大丈夫です。〈アコ〉お嬢様の身体の寸法は分かっています」って自信満々に言ってたけど、全然ダメじゃん。

 これは、どう見ても小さ過ぎるぞ。


 ブラウスは、〈アコ〉のおっぱいで、今にもはち切れそうになっている。

 おっぱいの部分が、パンパンに膨れて、全く皺(しわ)がない。

 ボタンも全部は、留められていないようだ。

 リボンがあるので良く分からないが、すごいことになっていると思う。見えないのが悔しい。


 ジャケットの裾(すそ)は、〈アコ〉のお尻に乗っていると言って良いだろう。

 前は、おっぱいのせいで、ボタンは留められないみたいだ。左右に大きく開いている。


 そして、一番はパンツ=ズボンだ。

 ピチピチと音が、〈アコ〉の下半身で鳴っている気がする。

 良くはけたなって、褒めてあげたいほどパンパンだ。


 前から見ても、お尻が横にはみ出している。太ももの部分は、たぶん限界に近いのだろう。

 布の生地が薄くなって、太ももの形と柔らかさを、全てさらけ出していると思う。


 〈ベート〉に感謝の心を捧げよう。これは、絶対に後ろを見なくてはいけないぞ。

 パンツスーツは、後ろ姿に熱い塊をぶち込んでいるんだ。

 見なければ、一生後悔の念に苛(さいな)まれるだろう。

 悔やみ抜いて、口惜しい気持ちのまま、生涯を終えることとなるのに違いない。


 「〈アコ〉、すごく似合っているぞ。頭が切れる、有能な美人秘書にしか見えないぞ」


 現実には、肉弾戦も厭(いと)わない、あざとかわいい女性秘書にしか見えない。

 〈アコ〉は、そういう娘じゃないけど、誘因フェロモンを撒き散らしているんだもの。

 簡単に転がされて、ブランド品を買ってあげる、僕の醜(みにくい)様子が容易に幻視出来るな。


 「えっ、美人秘書ですか。そんな。私はそんなに賢くは、ありませんわ。それに似合ってはないと思います。ピチピチなんですもの」


 疑っているな。そりゃそうだ。似合っては、いないもの。

 本人が言うとおり、いくらなんでも、ピチピチ過ぎる。

 服のシルエットが、〈アコ〉のおっぱいとお尻で、歪(ゆ)がまされている。

 お堅そうなパンツスーツが、お下品な服に変っているってことだ。


 もっと褒めて、勘違いをさせなくてはいけないな。


 「そんなことはないよ。恐ろしいくらいに、〈アコ〉にピッタリだ。僕は、今惚れ直したと言って過言じゃない。それくらい、今の〈アコ〉は素敵だよ」


 「もお、〈タロ〉様。そんなに褒めないでください。褒め過ぎないで、って言ったのに、もう。私は困ってしまいますわ」


 良い調子だ。〈アコ〉は薄っすら赤くなって、信じかけているぞ。


 「素敵な〈アコ〉をもっと見せて欲しいな。全身を見せて欲しいな。そこで、回ってくれないか」


 「もう、〈タロ〉様。私は、そんなに素敵じゃありませんわ。こうですか」


 〈アコ〉は、謙遜(けんそん)しながらも、後ろを向いてくれた。

 おー、やったぞ。成功したな。〈アコ〉のお尻が見れるぞ。

 おだてられて、その気になったんだろう。チョロインだな。


 〈アコ〉のお尻を見たら、もうお尻そのものだ。

 変な表現だけど、ぴっちり過ぎて、ズボンをはいていないように見えるってことだ。

 大きくて丸い形が、そのまま浮き出ている。パンティーラインも、そのまま浮き出ている。

 今日のショーツは、布の面積がえらく狭いと思う。


 僕とデートするからだったら、嬉しいな。でも、違うか。

 はくときに引っ張られて、狭く見えるんだろう。

 いつもより、お尻も揺れない。ぴっちり過ぎて、揺れる余裕がないようだ。

 針で刺したら、破裂(はれつ)すると思う。お尻の取り扱(あつか)いには、気をつけよう。


 「〈タロ〉様、もう良いでしょう。早く水車を見に行きたいですわ」


 「分かったよ。もう見たから、行こうか」


 「はぁ、まだ見てませんわ」


 「ごめん、ごめん。言い間違いだった。厩舎へ行こう」


 僕と〈アコ〉は、〈ベンバ〉に跨って農場の方を目指した。

 前からある農場には、冬野菜が植えられているようだ。冬だから、たわわとは言えないな。


 でも僕の前には、たわわに実った〈アコ〉がいる。今にも熟して零れ落ちそうだ。


 僕は手綱を持ちながら、肘の内側で〈アコ〉の身体を支えてあげている。

 馬から落ちないように、するためだ。他の意図が、ないとはいえない。


 〈アコ〉のおっぱいは、たわわだから、当然そこで支えることになる。

 〈アコ〉のおっぱいが、横にも張っているのが、主たる原因である。

 一目瞭然であり、僕のせいではない。


 二人用の鞍ではあるが、僕と〈アコ〉の下半身は密着状態だ。

 〈アコ〉のお尻が、大きいのと柔らかいのが、主たる原因である。

 分かり切ったことであり、僕のせいではない。


 「んん、〈タロ〉様。先ほどから、私の胸を触られていますわ。どういうことなんです」


 「それは、農場に入ったからだよ。道が悪くなったから、〈アコ〉が落ちないように支えているんだ。決して触っているんじゃないのさ」


 「ふぅん、そうですか。止める気はないのですね」


 「でも危ないじゃないか。それに、触れているっていっても、肘だよ。それも内側だよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る