第307話 免疫がありません

 「はっ、何それ」


 〈アコ〉が、言い終わらないうちに、〈アコ〉の様子が変わってしまった。

 〈アコ〉は、ニタリと不気味に笑って、服を脱ぎ棄てていっている。


 〈クルス〉の方は、涙を流しながら茫然と立っている。

 おっぱいは丸出しで、黒のショーツ一枚のままだ。


 普通なら僕は、飛びついていくと思うけど、今はどうやら異常事態らしい。

 とてもじゃないが、エッチな気分にはなれない。〈クルス〉が、深く悲しんでいるのも分かる。

 〈クルス〉に、何かとても良くないことが、起こったみたいだ。


 〈アコ〉の方はと見ると。スリップも脱いで、真っ赤なショーツだけになっている。

 メロンおっぱいが、ブルンブルンと揺れている。


 「〈タロ〉様、どうでーす。こっちの方が大きいでーすよ。触っても良いょ」


 僕は、またフラフラと〈アコ〉の方へ、吸い寄せられる。

 何か異常なことが起こっていると思うが、おっぱいの誘惑に勝てません。

 完敗です。無抵抗です。免疫がありません。


 「触っても良いの」


 「遠慮なくどうぞでーす。大きいだけが取り柄でーす」


 〈アコ〉のおっぱいを、生で見るのは二回目だけど、やっぱりすごく大きい。

 おっぱいを揉もうとしたも、とてもじゃないが、手に収まりきらない。

 周りから揉むのが、良いとの情報は知っているけど、我慢出来ずに真ん中を揉んでしまった。

 先っちょを手の平に包んで、それでも優しく揉んだ。指が埋まるほど柔らかい。

 どこまでも沈んで、見えなくなってしまった。


 「ふふふ、〈タロ〉様は大きい方が好きなのネ。もっと強く揉んで良いでーす。乳首も触って良いょ。好きにしたら良いんだからネ」


 この状況で触ってはいけないと、頭は分かっているが、指は分かっていなかった。

 両手の親指と人差し指で、〈アコ〉の先っちょを軽く摘まんでみた。


 「あっ、あんん。乳首はやっぱり敏感なのネ。すごく感じるぅ。もっと触ってよー」


 ご要望に応えようと、指を先っちょに近づけた時。


 「あなた、〈アコ〉ちゃんの身体を返しなさい。酷いことばかりして、何が面白いの」


 〈クルス〉が、見たこともない様な怖い顔で、〈アコ〉に詰め寄ってきた。

 黒いショーツ一枚なのは変わっていない。憤りが大き過ぎて、裸同然なのを忘れているようだ。

 構っていられないのかも知れない。怒りのためか、おっぱいもプルプルしている。


 「フン、幸せそうな、あんた達が、泣いて不幸になるのが楽しいのでーす。それに僕ちんは、エッチなことに興味があるのでーす。あんた達の大事な〈タロ〉様を奪ってやるのでーす」


 「あなた、噂で流れていた〈僕ちん幽霊〉ですね。そんな妄執を持っているから、成仏出来ないのですよ」


 「フン、成仏する気はさらさらないでーす。もっと不幸を撒き散らしてやりたいのでーす」


 「〈アコ〉ちゃんから、今直ぐ出て行きなさい。えぃ」


 〈クルス〉は、「パーン」と〈アコ〉の背中を平手打ちした。

 それに合わせて、〈アコ〉のメロンおっぱいがブルンと揺れた。


 「ちょっとー、止めるのでーす。離れちゃいまーす」


 「しつこい。もう一度。えぃ」


 〈クルス〉は、「パーン」「パーン」と、さらに〈アコ〉の背中を平手打ちした。

 また、〈アコ〉のメロンおっぱいが、ブルンブルンと揺れた。


 「フン、今回はこれまでーす。でも許しませんーよ。また憑りついてやりまーす」


 その後、〈アコ〉はその場で大きな声で泣き出した。

 もちろん、赤いショーツ一枚でだ。メロンおっぱいは、放り出されたままだ。

 今度は〈アコ〉か。今、何が起こっているんだ。〈僕ちん幽霊〉、何だそれ。

 支離滅裂、荒唐無稽、理解不能でカオスだよ。


 「ふぅ、〈アコ〉ちゃん大丈夫。叩いたりしてゴメンね」


 「うぅっ、〈クルス〉ちゃんのお陰で助かったわ。でも、本当に怖かった。身体が動かせなかったの」


 「私も、自由が奪われて、すごく怖い思いをしました」


 〈アコ〉と〈クルス〉は、泣きながら抱き合っている。二人とも、ほほ全裸だ。

 美少女同士。いや。もう美女か。いづれにしても、裸で抱き合っているのは絵になるな。

 大きいおっぱいと、中くらいのおっぱいが、引っついているな。

 あの間に、頭を突っ込めないかな。ダメかな。


 でも、二人とも泣いているし、エッチな心は抑えよう。


 ただ、抑える必要はないみたいだ。僕のあそこは、完全に縮こまっている。

 あそこは、何か憂慮する事態を感知しているらしい。小型だけど、結構優秀なんだな。

 頭より頼りになるぞ。それとも、僕の頭が、おかしいのかも知れない。


 いづれにしても、二人を慰めた方が良い感じだ。


 「〈アコ〉、〈クルス〉、何があったんだ。悲しいことがあったのか」


 「〈タロ〉様は」


 「〈タロ〉様って」


 あー、二人とも僕に怒っているぞ。それも、今までで一番怒っている。


 「〈タロ〉様、私達の目の前で、浮気しましたね。許せませんわ」


 「全くです。〈タロ〉様が、こんな酷い人だとは思いませんでした。猛反省してください」


 「えっ、えぇぇぇ」


 「私は、本当に悲しかったのです。〈変態幽霊〉の誘惑にまんまと乗って、胸をあんなに揉んで。あれは私の胸ですけど、あの時は、あの〈変態幽霊〉の胸ですからね。完全な浮気ですわ」

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