第279話 寝相

 はっ、今気づいた。布団の中なら、見えないな。胸とかお尻を、触れたんじゃないのか。

 でも、もう遅い。既に僕の両手は、二人に極められている。

 自由に動かせない。どうすることも出来ないんだ。

 〈アコ〉と〈クルス〉が、「うふふ」「ふふふ」と笑ったのは、間抜けな僕を笑ったんじゃないのか。

 僕を上手く嵌められたので、嘲笑ったのかも知れないぞ。

 あぁ、腕枕を断れば良かった。後悔先に立たずだ。立っているけど、役立たずだ。


 夜中にふっと目が覚めた。


 僕も〈アコ〉も〈クルス〉も、寝ている内に動いたのだろう。もう、腕枕は解除されている。

 ただ、長時間手が圧迫されていたので、ジンジンと少し痺れている。

 それに何だろう。顔に何か、柔らかくて温かいものが当たっているぞ。

 寝ぼけた頭のままで、その何か柔らかくて温かいものを、触ってみる。

 それが何か確かめるためだ。弾力もある。二つ丸いものがあるな。


 「んんう」と横で、〈アコ〉が呻きだした。

 途中から分かっていたが、これは〈アコ〉のお尻だ。

 寝相が悪くて、上下反対になっているんだ。

 僕が揉みやすいように、位置を変えてくれているんだな。有難く堪能させて貰おう。


 僕がお尻を揉むたびに、〈アコ〉が「んんん」「うんん」と可愛い声を出す。

 大変面白い。もっちりと柔らかくて、揉み心地も良いから止められないな。


 しばらく揉んで、何度も可愛い声を出させた後、割れ目もさすってみた。

 「あんん」と〈アコ〉が切なさそうな声を出して、寝返りを打った。

 お尻は反対側へ行ってしまい、股間が目の前にある。

 どうしたものか。少しだけ触ってみようか。 


 秘密の場所を少しだけ撫でてみる。まあ、スリップとショーツの布の感触が殆どだ。

 でも、お尻より熱を持っている気もする。

 あくまでも気がするだ。もう少し触って確かめようとしたら、また〈アコ〉は寝返りを打った。

 今度は、大きく動いて、身体が上下反対になった。最初の状態に戻ったということだ。

 〈アコ〉の顔が目の前にある。寝ているのに、すごいアクションだな。

 大きく動いたのに、何も声がしなかった。これ以上触って起こしたらマズイな。


 今度は、〈クルス〉の方へ向き直った。

 〈クルス〉は、寝相が悪くはないようで普通に寝ている。僕の横で上を向いてスヤスヤ寝ている。

 きっちりとした正統的な寝方だ。〈クルス〉の真面目な性格が滲み出ている。

 ただ、三人で寝たから熱かったのか、布団は胸の下までしか被っていない。


 僕の直ぐ横に無防備なおっぱいが、横たわっているってことだ。

 これは、「どうぞ」ってことに違いない。有難く触らせてもらおう。


 触ってみると、〈クルス〉のおっぱいは、重力に抗って、その形を崩していないのが分かる。

 お椀型を保っている。適度な固さがあって、張りがあるってことだろう。

 素晴らしいおっぱいだ。


 スペンス乳腺をなぞると、〈クルス〉は「ふん」「ふん」と悩まし気な声を立て始めた。

 おぉ、スペンス乳腺の開発が進んでいるぞ。より素晴らしいおっぱいに、なりつつあるぞ。

 たゆまぬ努力の成果が出てきて、喜ばしいことこの上ないな。

 思わず頬が緩んでしまう。ニシシッ。


 よーし、ぽっちも触ってみよう。

 ぴょこんと少し突き出ているぽっちを、スリップ越しに、指の腹でクリクリしてみた。


 「あん」と〈クルス〉は、可愛い声を出した後、手で胸を隠すように、寝返りを打って横を向いてしまった。

 少しドキドキしたぞ。目が覚めたのかと思ったよ。

 そっと、〈クルス〉様子を窺うと目は覚めていないようだ。やれやれ、驚かせるなよ。全く。


 目を閉じた〈クルス〉の顔が目の前にある。

 僕は〈クルス〉の優しくキスをした。起こさないようにそっとだ。


 今度は〈アコ〉の番だ。不公平いけない。争いの元になる。

 〈アコ〉にも軽くキスをして、布団を被り直した。

 二人の乙女の匂いに包まれながら、僕は目を閉じることにしよう。

 良い夢が見れたら良いな。


 「〈タロ〉様、起きてください。もう朝ですよ」


 「早くしないと、朝食が食べられないですわ」


 もう、朝か。僕は「うーん」と手を伸ばしながら、ベッド上に起き上がった。


 「お早う」


 「お早うございます。良く眠れましたか」


 「うん。思ったより眠れたよ」


 良い夢も悪い夢も、何も見なかったな。一応熟睡出来たんだろう。


 「お早うございます。早く顔を洗ってください。私達はもう済ませましたわ」


 〈アコ〉と〈クルス〉は、既に寝間着から着かえているようだ。

 もう一度、朝の光の中で、二人の下着姿を見たかったな。

 「早起きは三文の徳」とは本当のことだな。 

 三文の価値は知らないけど、僕は三文損をしたんだな。

 二人の下着姿は三文なのか。もっと高額で良いんじゃないか。二人に失礼だと思う。

 百円ショップでは売ってないぞ。


 「分かったよ。直ぐするよ」


 僕は、脱衣室にある洗面器で、急いで顔を洗い口を磨いた。

 ふと考えた。昨日のパンツは乾いたのかな。もうはけるかな。

 少し気になって、浴室を覗いてみた。


 僕のパンツは、乾いているようだ。

 それに、薄いピンクと薄いブルーのショーツも乾いているようだ。

 浴室に紐で吊るされて、三枚がヒラヒラと舞っている。

 朝だから、エッチな風景と言うより、微笑ましい仲良しの風景だな。

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