第262話 膝立
「〈タロ〉様、もう一つ確認したいことがあります。《インラ》国の奴隷の方の件です」
「あー、その件か。断ったことは知っているよね」
「えぇ、断られたと知って、安堵しました。〈タロ〉様は、私の気持ちを大切にしてくれているのだと分かって、心の底から喜んでいます」
「そうなんだよ。奴隷は僕には必要ないんだ。〈クルス〉がいてくれたら、それだけで良いんだ」
「そう言って頂けて、大変嬉しいです。しかし、裸でいる奴隷の方を、穴が開くほど見ていらしたと、噂ではなっています。これはどう言うことなのですか」
あぁー、あの銀縁眼鏡の糞糞尿生ゴミ野郎め。裸じゃなかっただろうが。
何てことを言ってやがるんだ。
だがしかし、銀縁眼鏡糞糞尿生糞野郎のせいだけじゃないかも知れない。
噂が伝播するうちに、面白可笑しく尾鰭がついた可能性の方が高い。噂ってそういうものだ。
いずれにしても、何て、いやらしいことなっているのだろう。
「は、はだかじゃなかったぞ。裸なわけがない。ちゃんと服を着てたよ。それに少ししか見てない。僕が見たいのは、〈クルス〉だけだよ」
「〈タロ〉様、私の目を見て言えますか」
「いくらでも言えるよ。僕が見たいのは、〈クルス〉だけだ」
〈クルス〉が、疑いの目で僕を見据えてくる。不思議なことに、信用がないな。
階段でも、ずっと見たいと思っていたんだ。
この助平な欲望が溢れ出た、ギドギドした目を見れば分かるだろう。信用して欲しいな。
「んー、私を見たいと思っておられるのは、強く感じています。それは嘘ではないと思います。噂はあてにはなりませんので、〈タロ〉様の言われたことを信用しますね。断られたので、既に終わったことでもあります。それと、今も私を見たいですか」
〈クルス〉は顔を赤くして、目を逸らした。
「そりゃ、今も見たいよ。何を見せてくれるの」
「うー、何って言われましても、答えられません。階段で覗きたかったのでしょう」
〈クルス〉は、ますます顔を赤くして、顔を下に向けてしまった。
はぁー、階段で下から覗こうとしていたのは、バレていたのか。
何も見えなかったけど、見え見えだったのかな。
顔を赤くしているんだから、何と言ってもエッチなことだよな。
見るってことは、おっぱいを触るんじゃなくて、見るエッチだよな。
「階段で覗きたかった」と言ってるんだから、スカートの中のことだよな。
そうすると、何だ。スカート捲りなのかな。
〈クルス〉が、恥ずかしいのを曲げて言ってくれているんだから、何かをしなくちゃいけない。
何もしないと、〈クルス〉のプライドをズタズタにすることになる。
僕の想像も入っているけど。これは〈クルス〉のためなんだ。
決して僕の欲望を満たすためじゃない。でも、嬉しいな。ワクワクするな。
見果てぬ夢の色が判明するぞ。スカートの奥の夢幻の彼方を覗き込むことが出来る。
しかし、悩むな。うーん、座っている状態で、スカートを捲るのは、もう一つの気がする。
見える範囲が、限定されてしまうじゃないか。
僕は、〈クルス〉にどう言えば良いんだ。
座っている状態から、立ってくれとは、少し言いにくいな。
僕の欲望が、あからさまに見え過ぎてしまう。
「〈クルス〉、僕が希望を言っても良いの」
〈クルス〉は、目を合わさずコクンと小さく頷いた。
「それじゃ、後ろを向いてくれるかい」
〈クルス〉は、膝立になって後ろを向いてくれた。
おぁ、膝立か。〈クルス〉が、自主的に膝立になったぞ。膝立とは、思いつかなかった。
素晴らしい。ハラショー! ありがとう。スパシーバ!
僕が「座っているのはダメだ。膝立になりなさい」と言ったわけじゃないぞ。
さすがは僕の婚約者で、恋人だ。良く分かっていらっしゃる。
僕は、〈クルス〉の部屋着の裾にスルスルと手を伸ばした。
〈クルス〉は、一瞬ビクンと身体を震わせたように思う。
でも、無言で膝立の姿勢は崩していない。
裾をゆっくりと持ち上げると、足が段々見えてくる。
〈クルス〉の白くて細めの太ももが、徐々に全体像を晒してくる。
その後、ついに見果てぬ夢の色が判明した。薄い水色だ。爽やかで澄み切った空の色だ。
どこまでも続いて、果てることのない大空の色だと思う。
水色のショーツは、〈クルス〉のお尻を完全に包んで、お肉のはみ出しはない。
でも、身体の細さに比べると、お尻は大きいと思う。
大きいと思うのは、男子の比率で考えた場合だ。女子では、普通の比率なんだろう。
〈クルス〉は細身だけど、女性らしい体形をしているとの結論だ。
形もプルって丸いし、フニュッと柔らかそうだ。今一度、素敵なお尻だと断言しておこう。
忘れてはいけない。太ももも良いぞ。白くて、スベスベしてそうだ。
奴隷の方のように、白過ぎて真っ青な感じではない。丁度良い白さだ。
これは、好みの問題かも知れない。僕は〈クルス〉の全てが、好きなんだ。
スカートを捲らせてくれる〈クルス〉が、愛おしい。
猛烈に触りたいぞ。サワサワ、モミモミしたいぞ。
水色のお尻と、スベスベの太ももが、僕を無限の彼方に誘ってくる。
桃源の里の入り口にある、桃のようなお尻にいざなってきている。
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