第258話 プックリ

 「分かったよ。でも、瓢箪が邪魔なんだ。これも、持っててくれないか」


 「えっ、私が両方持つのですか」


 少し嫌がっている〈アコ〉に、僕の瓢箪も渡した。〈アコ〉は両手で瓢箪を持つことになる。

 〈アコ〉の両手は塞がってしまって、何だか微妙な顔をしているな。それはそうだろう。

 両手で瓢箪を持っている人間は、何とも間抜けに見える。僕じゃなくて良かった。

 笑わないように気をつけよう。もしかしたら、怒るかも知れない。


 僕は腰に両手を回して、〈アコ〉を引き寄せた。瓢箪を持っていないから、両手が使える。

 〈アコ〉は、瓢箪を持っている手を少し開いて、僕の抱擁を受け入れてくれた。


 「これを持っていると、私は〈タロ〉様を抱きしめられませんわ」


 〈アコ〉は不満のようだ。それはそうだろう。僕なら、すでに怒っていると思う。


 「〈アコ〉、少し我慢してくれ。代わりに、僕が一杯抱きしめてあげるよ」


 「うー、一杯ですよ」


 僕は〈アコ〉を力一杯抱きしめた。

 僕の手は自由になって、大部ましになったけど、今度は〈アコ〉が持っている瓢箪が気になるな。でも、これはこれで良いか。


 「〈アコ〉の身体は、堪らなく柔らかいな。良い匂いはするし、幸せな気持ちのなるよ」


 〈アコ〉の花の髪飾りから、花の良い匂いが漂ってくる。

 それに、〈アコ〉自身の甘い匂いもプラスされて、天国に一歩だけ近づいた気がするぞ。


 「私も〈タロ〉様に抱きしめられると、幸せになりますわ。嫌なことが消えてしまいます」


 僕は、〈アコ〉を抱きしめたまま、キスをした。

 〈アコ〉は、逆らわずに唇を重ねてくれている。

 ただ、手が疲れたのだろう。瓢箪を絨毯に置いて、支えるだけにしたようだ。


 良く見ると〈アコ〉の身体は、瓢箪型だな。楕円形の中央部分がくびれた瓢箪と同じ形だ。

 大きな胸があって、ウエストがくびれていて、また大きなお尻がある。

 〈アコ〉が、大きな親瓢箪で、左右に小さな子瓢箪が並んでいるようで、微笑ましい情景だ。

 思わず、笑ってしまいそうになる。気をつけないといけない。

 機嫌を損なうと、次の行動に支障をきたすぞ。


 僕は、笑いを堪えるためもあって、〈アコ〉にもう一度キスをした。

 そして、キスをしたまま、両手を胸へと伸ばした。

 奴隷の方とは違って、その存在が僕の心を突き動かす、麗しのメロンおっぱいだ。

 触らない方が異常だと思う。我慢出来るはずもない。我慢する気もない。

 心の叫びには、抗えないんだ。


 「どうしても、〈アコ〉のおっぱいを触りたいんだよ」


 「もー、〈タロ〉様。声に出して言わないでください。いくら二人切りでも、恥ずかしいですわ」


 〈アコ〉が、頬を赤くして、ちょっとモジモジしている。

 子瓢箪もフルフルと微妙に動いている。 微笑ましいな。


 「あー、ごめん。心の声が漏れてしまったんだ」


 「少しだけ… 」


 〈アコ〉が、顔を真っ赤にして、小さな声で囁くように言ってきた。

 触っても良い、公式のお許しが出たようだ。公式見解だから、存分にこねくり回わさせて貰おう。 

 言ってみるもんだな。やっぱり、コミュニケーションは重要だな。


 僕は、〈アコ〉の上着の裾に両手を突っ込んで、おっぱいをまずサワサワした。

 〈アコ〉のメロンおっぱいは、僕の手の平の向こうで、タプンタプンと波打っている。

 薄いスリップ越しだから、温かさと滑らかさが伝わってくる。

 あくまでもソフトに触って、おっぱい全体を手の平全体で、堪能させて貰おう。


 「んうう」と〈アコ〉が、小さく呻くように声を出している。まだ、大丈夫だ。


 次は、スペンス乳腺だ。脇の下との境辺りをゆっくりと触っていく。

 何回も、なぞるように滑らせて触った。これで、スペンス乳腺が、本当に開発出来ているのかな。


 「んうん、んうん」と〈アコ〉が、小さく呻くように声を出している。まだ、大丈夫だ。


 おっぱいの斜め下辺りから、おっぱい全体をタプタプと震わせてもみた。

 〈アコ〉のメロンおっぱいは、僕の手の動きに合わせて、弾むように動いてくれた。

 プルルンプルルンだ。いや、ブルルンブルルンか。どっちだろう。どっちでも良い。

 揺れれば良いんだ。良い揺れ方をしているよ。この調子でいくぞ。


 次はいよいよ先っちょだ。わぉ、両側とも、プックリとなっているぞ。少し硬くなってもいる。

 僕が触ったから、反応したんだな。うふふ、何だか嬉しいな。

 痛くないように優しく、優しく触ろっと。


 「あぁん、〈タロ〉様、もう… 」


 〈アコ〉が、泣きそうな顔で、中止を訴えてきた。

  えー、もう終わり。プックリして、調子が出てきたところなのに。これからだよ。酷いよ。


 「〈アコ〉、だめなの」


 「んん、もうだめですわ。〈タロ〉様は、私に瓢箪を持たせて、抵抗出来ないようにしたのですね。私、少し怒っていますわ」


 「そんなことは考えてなかったよ。〈アコ〉を抱きしめるのに、邪魔だっただけだよ」


 「本当なのですか。私、疑っていますわ」


 また、疑われたよ。何て信用がないんだ。いつも真摯な行動を心がけているのに、おかしいな。


 「誓って、悪いことは考えていないよ。分かった。もう、胸は触らない。今度は僕が瓢箪を持つよ」


 そうなんだ。何も悪いことは、考えていない。

 〈アコ〉の胸を触るのは、何も悪いことじゃない。ごく自然なことだよな。正しいことなんだ。


 僕は、瓢箪を両手で持たされて、とても間抜けな感じになってしまった。

 この瓢箪は、どうしたら良いのだろう。もうコイツの役目は終わったのに。

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