第226話 赤ちゃんプレイ

「きゃっ、〈タロ〉様。そんなことをされたら、休息にならないですわ」


「そうでもないよ。〈アコ〉の胸を触ると気持ちが良いから、幸せな気持ちになれるんだ」


それほど嫌がっては、いないようなので、更に〈アコ〉のおっぱいを両手で揉んでみた。

  少々辛い体勢だけど、おっぱいのためなら、このくらいは耐えよう。


「ふふ、まるでお乳を飲もうとしている、赤ちゃんみたいですね。〈タロ〉様、幸せになりましたか」


おー、なんたることだ。僕は、もっと幼子にされてしまった。もう、乳飲み子扱いだ。

深みにドボンと、嵌まってしまっているぞ。

赤ちゃんと言われたら、もう、何かが終わっているな。

まさか、これが赤ちゃんプレイっていうヤツか。


「あー、幸せは、幸せなんだが」


「ふふふ、〈タロ〉様。赤ちゃんみたいな声を出されて、とっても可愛いですわ」


もっと、深みにズボズボ嵌まって、これは抜け出せそうにないな。

もう、諦めの境地だ。このまま、胸を揉んでいるしかないのか。

胸を揉むのは、嫌いじゃないしな。この際、赤ちゃんに徹してしまえ。


僕は、〈アコ〉のおっぱいの頂きを目指した。赤ちゃんが、欲しているのはここだもん。

  頂きを探り当てて、クニクニと触ってみた。


「あっ、いやっ、ダメですわ。そこは触らないでください」


〈アコ〉は、顔を赤くして、両手でおっぱいを隠してしまった。


「でも、赤ちゃんは、そこが好きなんだよ」


「何言っているのですか。〈タロ〉様は、赤ちゃんではありませんわ。それに、赤ちゃんは好きじゃなくて、そこが必要なのです」


「うーん、必要だから、好きなんじゃないの」


「少し違うと思いますけど。その話は、もう良いです。とにかく、〈タロ〉様は、赤ちゃんではありませんわ。だから、ダメなのです」


「えー、ダメなの」


「周りなら、もう言いませんわ。でも、そこはダメなんです。敏感なんですもの」


「敏感だと、なぜダメなの」


「もお、そんなこと〈タロ〉様に、言えるはずないでしょう。私を困らせようとしているでしょう」


 「そんなことないよ」


 「そんなことです」


 〈アコ〉は、両手でおっぱいを隠したままで、防御を崩そうとはしない。頑固だな。

 もっと、揉んで柔らかくしておくべきだった。作戦ミスだ。

 思慮が浅いのは無理もない。僕は、赤ちゃんだからな。


 おっぱいを触れないなら、膝枕はもう良いか。


 「〈アコ〉、足が痺れるといけないから、次は添い寝をしてくれない」


 「添い寝ですか。でも、この長椅子は狭いので、ちょっと無理だと思いますわ」


 「何とかなると思うよ。一度試してみようよ」


 「うーん、分かりましたわ。でもどう見ても無理だと思いますよ」


 〈アコ〉は、僕と背もたれの間に、一応寝転んでくれた。

 しかし、〈アコ〉が言ったように、このソファーは狭いので〈アコ〉と僕が重なってしまう。

 〈アコ〉の身体は、僕の身体の半分くらいに、乗っかっている状態だ。


 「ほら、〈タロ〉様。やっぱり無理ですわ」


 「まあ、このままでも良いんじゃないの。僕はこの方が良いぐらいだよ」


 「えぇ、これは添い寝とは言えませんわ。〈タロ〉様の上に寝転ぶのは、良くないことだと思います」


 「そんなことはないよ。良いことだよ」


 「はぁ、こんなのおかしいですわ。それに私が上にいると、〈タロ〉様、重いでしょう」


 「いや。全然重くないよ。ちょうど良い重さだよ、布団代わりになるよ」


 「まあ、〈タロ〉様。私を布団代わりにするなんて、すごく嫌らしい感じがしますわ」


 「嫌らしい意味じゃないよ。〈アコ〉が、布団くらいの重さしか無いってことだよ」


 「〈タロ〉様、言い過ぎですわ。私は、布団みたいに軽くはありません。反って、傷つきます」


 「ごめん。謝るよ。でも少しだけこうしててよ。良いだろう」


 「はぁ、仕方ありませんね。少しだけですよ」


 〈アコ〉は、僕の頬に自分の頬を置いて、軽く溜息をついている。

 直ぐ横に〈アコ〉の唇があるのだから、これは放置出来ない。何か処置する必要があるな。

 だから僕は、〈アコ〉の頭を片手で押さえて、〈アコ〉の唇を僕の唇で塞いだ。

 頭を押さえたのは、〈アコ〉を逃がさないためだ。そのため、長く長く塞くことが出来た。


 「ふふぁ、〈タロ〉様。長いです。そんなに、私とキスをしたかったのですか」


 「そうだよ。久ぶりだから、ずっとしたかったんだよ」


 「ふふ、私も、ずっとして欲しかったのです。〈タロ〉様が、中々してくれないから、どうして、って思っていたのですよ」


 「あはぁ、僕もしたいと思っていたんだけど。膝枕では出来ないだろう」


 「ふふふ、それはそうですね。だから、添い寝がしたかったのですね」


 「キスは、もちろんしたかったけど、添い寝は、キスとは別にしたかったんだ」


 「ふふふ、でも、今、しているのは、添い寝ではないと思いますわ。〈タロ〉様、私を抱きしめたりしないのですか」


 抱きしめ難いから、僕は〈アコ〉の身体を真上に移動させた。

 〈アコ〉は、僕の身体の上に、うつ伏せになっている状態だ。

 この状態のまま、僕は下から〈アコ〉を抱きしめた。


 〈アコ〉のリクエストには、答えなくてはならない。僕の責務だからな。

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