第120話 〈アコ〉にキス

 僕は〈アコ〉の首に回している両手を僅かに手前に引いた。

 〈アコ〉の顔は、僕の目の前にきて、少し上をむいている。


 僕は〈アコ〉の首が動かないように優しく固定して、〈アコ〉の唇に唇を重ねた。

 〈アコ〉は「んぅ」ってくぐもった声を出した。


 〈アコ〉の唇は小振りだけど肉厚で、弾力もあるけど、とても柔らかい。

 熟れる寸前の桃のように、プュルンとしている。

 唇を軽く押し付けた後、一旦離して、〈アコ〉の顔を見詰めた。


 「〈アコ〉とキスが出来て嬉しいよ。今度は〈アコ〉からしてよ」


 「えっ、そんなの困ります。恥ずかしいですわ。〈タロ〉様からして」


 〈アコ〉は、両手で頬を隠して、僕の胸に顔を埋めている。

 大胆な時もあるけど、今は甘えた方が良いと思っているんだな。


 〈アコ〉の両手を握って、優しく頬から外して、もう一度唇を合わせた。

 これはチャンスかもしれないな。舌を入れてやれ。


 〈アコ〉の唇を割って、口の中に舌を差し入れようとしたけど、〈アコ〉が固く歯を合わせたので入らない。

 〈アコ〉は閉じていた目を開いて、驚いたように一瞬僕を見ていた。


 仕方が無い。〈アコ〉の歯茎をゆっくりと舌で舐めてみた。

 〈アコ〉は、目を再び閉じて、「んぅ」と僕が歯茎をなめるたびに、くぐもった声をあげた。


 僕が唇を離すと「もお、〈タロ〉様は」と全体が桃色になった顔を両手で隠して、小さく呟いた。

 恥ずかしがっているが、怒ってはないようだ。


 「〈アコ〉、座ろうか」


 「はい。〈タロ〉様」


 〈アコ〉は僕の左横にピッタリと身体を付けて座った。


 「〈タロ〉様、お茶はどうですか」


 「有難いね。欲しいよ」


 「私がコップに注ぎますね」


 僕と〈アコ〉は、仲良くお茶を飲んだ。


 「喉が渇いていたので、とても美味しかったよ」


 「お茶を用意してきて良かったですわ」


 お茶を飲んでいる時は、こぼすとマズイので、控えていたが、もう良いだろう。触ろう。

 どこを触ろう。胸かお尻か。やっぱり、胸だな。

 横で大きな胸が、僕に触れて欲しいと、フルンフルンと揺れているんだもの。


 左手を〈アコ〉の首の後ろに回して、上の方から軽く〈アコ〉の左胸をムニュと触る。


 いつもどおり、とんでもなく柔らかい。

 ねっとりとしたクリームを掴んだように、僕の指が乳房の中へ沈んでいく。

 そして大きい。何と言っても、メロンおっぱいだからな。

 僕の手の大きさでは掴み切れない。手から一杯お肉が、はみ出している。


 「はー。〈タロ〉様、直ぐに私の胸を触りますね」


 「誰も見て無いから、良いじゃないか。〈アコ〉の胸が好きなんだよ」


 「でも今は触るのを止めて下さい。〈タロ〉様にしてあげたいことがあるのです」


 僕は胸を触りながら聞いてみた。なんだろう。もっとエロいことかな。


 「僕にしてあげたいって、なんなの」


 「耳かきです。〈タロ〉様、しばらくしていないでしょう。この前見たら一杯ありましたよ」


 「耳かきか。そう言えば、一度もした覚えがないな」


 「まあ、した覚えが一度もないのですか。気を付けてくれる人が、いなかったのですね。

 でも今は私がいます。任せて下さい」


 「はーい」


 「あまり良くない、お返事ですね。面倒くさいと思っていますね。まあ、良いですわ。

 膝枕でしますから、私の膝に頭を乗せて下さい」


 〈アコ〉の膝というか、太ももに、右の耳を上にして頭を乗せる。

 〈アコ〉の太ももは、ふっくらとして、むちゅっと柔らかくて、温かい。

 癒されるな。


 手をどこにもっていこう。左手は〈アコ〉の腰に手を回して、お尻を触ろう。

 右手は〈アコ〉の右太ももを触ろう。

 お尻も、太ももも、サワサワ撫でると柔らかくて気持ちが良い。


 「はー。〈タロ〉様、今度はお尻と足ですか。〈タロ〉様ですから、もう良いですけど。

 手を動かして、私がビックとなって、鼓膜を突き破っても知りませんよ。

 エッチな、〈タロ〉様が悪いんですからね。分かりました」


 鼓膜を突き破るとは、〈アコ〉は、すごいことを言うな。万が一のこともあるかも知れないな。

 仕方が無い。お尻も、太ももに手を添えておくだけで、動かさないでおこう。


 「はーい」


 「あまり良くないお返事ですが、危険性は分かったようですね。それじゃ始ますよ」


 〈アコ〉が耳かきを使って、僕の耳の穴の掃除を始める。


 「ひゃー、すごい」とか、「いゃー、穴が一杯だわ」とか、「こんなに大きいもの見たの初めて」とか、耳に気持ちが良いことを言ってくれる。


 耳の穴をコショコシュこすられるのも、気持ちが良い。


 僕は、「あぁ」「そこが良い」「そこをもっとこすって」と声をあげてしまう。


 「〈タロ〉様、そんなに気持ちが良いですか。でも、変な声をあげないで下さい。

 私が何かいけない事を、しているように聞こえますよ」


 「しているじゃないか。〈アコ〉が、僕の穴をこすっている」


 「〈タロ〉様、耳かきですよ。そんな、いやらしい言い方しないで下さい」


 「でも、〈アコ〉にしてもらうと、本当に気持ちが良いんだ」


 「そうですか。それは嬉しいですわ。今度から定期的にしますからね」


 「はーい」

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