第100話 先生は、お正月だ

 久しぶりの「楽奏科」の授業だ。


 〈ヨヨ〉先生は、本日も肉感的で、溢れる色気を周囲にこぼしまくっている。

 授業に出ている学舎生は、もう皆、先生の色気でびしょびしょだ。


 Vネックに胸元が開いた、身体の線がモロに出る、ピッチリとした青いワンピースを着用されている。

 青少年の心を、これほどまでに理解されている〈ヨヨ〉先生は、先生の鏡のような女性だな。


 「〈タロ〉君、お久しぶりですね。お元気でしたか」


 「はい。〈ヨヨ〉先生、今、元気になりました」


 「んうん。今ですか。元気ならよろしいでしょう。

 今日は、まず初めにリュートの調律をしましょう」


 〈ヨヨ〉先生は、僕の目の前に自分の椅子を持ってきて、脚を組んでリュートを抱えた。

 組んだ太ももに上に、リュートのお尻を乗っけている。


 低めの椅子に座って、脚を組んでいるから、先生の太ももの裏側が良く見える。

 青いワンピースの内側は暗くて、裏側の途中までしか見えないのが口惜しい。


 「〈タロ〉君、弦を一本づつ弾いて、音を聞きながら、この螺子を絞めて調律します。

 先生が一度やってみますから、良く見ててね」


 先生は、集中して僕のために調律をしてくれているから、太ももや股間の部分のガードは疎かになってしまったようだ。

 青いワンピースの裾も、段々と重力の作用で、先生の身体の方に動いていく。

 先生の下半身の肌色が徐々に増大していくのは、素晴らしい動画のようだ。

 「良くみててね」と言われなくても、それはもう注視しますよ。


 さらに、集中が増したのか、図らずも先生の脚の角度が上がって、太ももの裏側のその奥のお尻や股間の三角部分が、見えそうで見えないのだから、もう無理です。

 目が釘付け、いや、杭付けになって、目が先生の下半身から離れません。

 どうしたら良いんでしょう、教えてください先生。


 「〈タロ〉君、どうですか。調律のやり方が分かりましたか。

 今度は自分でやってみて下さい」


 〈ヨヨ〉先生は、自分が抱えていたリュートを僕に渡してくれた。


 その拍子に、先生が脚を組み替えたのを僕は見逃さなかった。

 自動追尾機能が備わっているんだ。しつこく対象物を追うことが出来る。


 艶めかしく交差する先生の二本の脚の根元に、白い物がチラリと見えたの逃さなかった。


 おぉ、意外に白なのか。

 先生のことだから、当然、赤色か黒色かと思っていたよ。


 紫色も候補には入っていたが、白色は無かった。

 まだまだ、修業が足りていないな。

 だが、先生の新しい一面が見れて本当に良かった。


 「はい。〈ヨヨ〉先生、こうですか」


 「〈タロ〉君、そうです。お上手ですね。

 リュートから、こぼれる音を良く聞いて下さいね」


 〈ヨヨ〉先生は、椅子に座ったまま、上半身を僕の方に傾けて指導してくれる。


 身を乗り出すような格好になるので、当然ながら、深いVネックの胸元から、豊満な胸の谷間が見えてしまう。


 「広がるスライムゼリーおっぱい」だから、谷間は隙間が無い一直線で、恐ろしいほど深そうだ。

 一度入ったら出てこれないと思う。


 同時に下着も見えている。赤い色だ。情熱の色だ。

 赤いスリップに白いショーツ、紅白か。大胆なセンスだ。


 何とも目出度い取り合わせだな。

 胸も、つき立てだけどヒンヤリしたお餅のように柔らかで、重ねて目出度い。


 先生は、お正月だな。煩悩をつきまくる女性だ。

 もう、僕は百八つ以上乱打されている。


 「先生、この譜面の演奏の仕方を教えてください」


 他の学舎生から邪魔が入った。

 たぶん、僕への嫉妬だ。先生を独占しているのが、気に入らないのだろう。


 「〈タロ〉君、続けて調律をして下さい。

 上達のコツは、何よりもリュートを触って、愛しむことです。

 そうすれば、リュートが必ず答えてくれます。

 素敵な音色で鳴いてくれるはずです。

 出来れば、〈タロ〉君専用のリュートがあれば最高ですね。

 何時でも、触れ会えるから。

 考えておいてね。先生のお願い」


 先生は、悲しいが他の男のところへ行ってしまった。


 「先生のお願い」って言う時の少し開いた唇が、濡れて光ってて、エロかった。

 大勝ちだな。


 声も艶があり過ぎて、何をお願いされているのか、一瞬分からなかった。

 脳が痺れてしまったのだろう。


 〈ヨヨ〉先生は、普通のことでも、何をしてもエロいのは、何故だろう。

 もっともっと、先生を研究する必要があるな。

 それには、まず観察だ。


 先生は今、腰を屈めて、譜面を見ながら熱心に指導している。

 僕に腰を突き出している格好だ。先生は後ろ姿も、そそるものがあるな。

 横目で、先生の丸くて雄大なお尻の弾力を、まずは推測してみよう。


 早朝稽古も終わって、今日は休養日だから、〈アコ〉と〈クルス〉を迎えに行く。

 〈リク〉も一緒で抜かりはない。


 ただ、早朝稽古の時から、〈リク〉のようすがいつもと違う。

 何か悩んでいるようだ。


 「どうした〈リク〉」と聞いても、「何でもないです」と言うので、取り敢えずは放っておこう。


 本当に困ったら、何か言ってくるだろうし、僕にはどうにも出来ないことかも知れない。

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