第89話 蜜柑果汁
若々しさが溢れ出して、蜜柑もイモも、より美味しそうに見えている。
こんな若い子達が傍にいて〈リク〉は大丈夫なのかなと、〈カリナ〉を見ると、
「ご領主様、何か不穏なことを思ったのではないでしょうね。
私も負けていませんよ」
とおっしゃる。
〈リク〉を見ると、〈カリナ〉を見ながら穏やかに微笑んでいる。
負けてないといいな、〈カリナ〉さん。
「それと、ご領主様。
〈テラ〉が《緑農学苑》で学んだ知識を生かして、新しい商品、蜜柑果汁の飲み物を作ってくれたのです。一度試飲してみますか」
おっ、蜜柑ジュースを作ったのか。《緑農学苑》中々やるな。
「そいつは良いな。一杯飲ませてよ」
〈カリナ〉に、店奥の休憩スペースに案内されて椅子に座っていると、〈テラーア〉が、店の奥から緊張した面持ちで、お盆に乗せたジュースを持ってくる。
慎重に持ってくるけど、少し危なっかしいな。大丈夫か。
期待というか、想像どおり、大丈夫じゃ無かった。
僕にジュース入りのコップを渡そうとした時、何もない所で不思議に蹴躓いて、僕の股間にジュースをこぼしてしまったよ。
〈テラーア〉は、どじっ子属性か。ベタな展開をやってくれたね。
僕がまごまごしていると、〈アコ〉と〈クルス〉が、手際よく僕のズボンを脱がしていく。
僕はズボンを脱がし易いように立たされて、パンツ丸出してアホみたいに突っ立っているだけだ。
前に下着を買う時、顔を背けていたのは、〈アコ〉さん、〈クルス〉さん、何だったのですか。
今、僕のあそこが押し上げている下着を目の前にして、顔を逸らすどころか、ガッツリ見ているじゃありませんか。
「ご領主様、すいません。直ぐに洗います」と、
〈カリナ〉も参戦してきて、ズボンのジュースで濡れた部分を水洗いしてくれるようだ。
〈テラーア〉は、「ご領主様、大切な制服に本当にすいません」
と、顔を青くして身を縮めている。
「そんなに気にしなくても良いよ。水洗いすれば汚れは落ちるし、黒色だから目立たないよ」
と慰めておく。
こんなことで、女の子を責める趣味は無い。
〈アコ〉と〈クルス〉は、ハンカチを使って、少しジュースで濡れた僕のパンツを拭いてくれるようだ。
自動的に、僕のあそこも二枚の布越しに、〈アコ〉と〈クルス〉に優しく撫でまわされることになった。
撫でまわされたら、とっても気持ち良くなって、ずんずん大きくなることは仕方がないでしょう。
生理現象だもの。
〈アコ〉と〈クルス〉は、僕のあそこが大きくなってきたのが分かって、顔が真っ赤になっている。
「あっ」とか「ひゃっ」とか小さな悲鳴をあげているぞ。
男の子の整理現象が学べて良かったね。
君たちの手の中で、ビクビクしているだろう。小動物みたいで可愛いね。
小動物か。自分で言って少し悲しい。
〈アコ〉と〈クルス〉は、僕のあそこを隠すため、恥ずかしいのを耐えて拭き続けている。
今、拭くのを止めたら、大きくなった僕のあそこが、皆に見えてしまうからな。
大きくなった原因が、自分達があそこを撫でたからというのを、知られたら恥ずかしいんだろう。
そんなお年頃だ。
でも、女性陣は皆、顔が赤くなっている。
僕のあそこは、〈アコ〉と〈クルス〉の可愛い手では、全てを隠せなかったようだな。
当然だな、そこそこはあるんだ。
ただ、パンツから、ペロンと可愛く頭を覗かせるほどでは無いんだ。
しかし拙いぞ。このまま撫でまわされたら、爆発してしまうんじゃ無いのか。
〈アコ〉と〈クルス〉の二人ががりで、繊細な柔らかい白い指をさわさわと動かして弄りたおしているんだ。
僕の小動物が、随喜の涙を出すのを止められそうに無い。
ぞくぞくする気持ちが段々高まってきて、危ない。
自慢じゃないが、耐久力が無いのも自信があるぞ。
皆の見ている前で、爆発するのは変態的だよ。大いに誤解される。
〈アコ〉さん、〈クルス〉さん、もう止して。
癖になったらどうしてくれるんだ。
「ご領主様、これに着替えて下さい」
〈リク〉が着替えを持ってきてくれた。
爆発するところを見られなくて良かった。
助かった。変態にならなくて良かった。
〈アコ〉と〈クルス〉も、ホッとした表情だ。
僕のあそこを拭いていたハンカチを、何とも言えない表情で、ポケットにしまいっている。
まさか、汚いと思っているんじゃないだろうな。
そのハンカチを捨てたら、泣くぞ。
〈テラーア〉は、「ご領主様、真に申しわけありません」と、まだ恐縮したままだ。
「ご領主様、水洗いで果汁は落ちました。シミにはならないと思います」
〈カリナ〉は、布で果汁を吸い取った後、水洗いをしてくれたようだ。
女子力は結構高いのか。
「〈カリナ〉ありがとう。助かったよ。
シミにならないから、〈テラーア〉はもう気にするな」
シミにならないと分かって、〈テラーア〉も少し経ったら普通に戻るだろう。
「〈アコ〉と〈クルス〉も、優しく拭いてくれてありがとう。気持ち良かったよ」
〈アコ〉は、「えっ、〈タロ様〉なんてことを言うのですか」と真っ赤になって怒っている。
〈クルス〉も、「もう、〈タロ様〉は。変なこと言わないで」と真っ赤になって俯いてしまった。
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