第31話 【許嫁女子会(エッチ)】

「〈アコ〉さん、お久しぶりです。お元気そうでなりよりです」


「〈クルス〉ちゃんは病気が治ったそうで、本当に良かったですね」


「〈サトミ〉も元気にしてたよ」


「お二人ともお元気で良かった。また、お二人に会えて嬉しいわ」


「〈サトミ〉も〈アコ〉ちゃんに会えて嬉しいよ」


「〈アコ〉さん、私もです」


「ところで、〈タロ〉様が危険なことをされたと聞きましたが、何をされたのですか」


「〈アコ〉さん、私がお話します。

〈タロ〉様は、魔獣紅王鳥の生息地に赴いて、私なんかのために、霊薬の素材を取りに行かれたのです。

そこで頬に大怪我をされて、お命も危なかったのです」


「まぁ、〈タロ〉様はそんな無茶をされたのですか。

良く生きて帰られましたね。怪我もされたのですか」


「そうなのです。生きて帰られたのは奇跡です。

私は〈タロ〉様に、命を懸けて病気を治して頂きました。

この恩は、一生懸けて返さねばと思っています」


「本当に驚かされますね。〈タロ〉様は凄いことされますね。

魔獣の生息地から帰ってこられた人の話は、聞いたこともありませんわ」


「〈サトミ〉のお兄さんは、〈タロ〉様は、特別な星の下に生まれた人だって言ってました。

たった一人で魔獣を倒したみたいです。

その証拠に《紅王鳥》の羽毛を取ってこられたらしいですよ」


「まぁ、〈タロ〉様は一人で魔獣を倒されたの、それは尋常では無い話ですね」


「魔獣の事といい、「天智猫」様の事といい、〈タロ〉様は特別な方だと思います。

私などが嫁いで良いのか不安になってしまいます。

〈タロ〉様みたいに特別な方に、私では相応しく無いんじゃないかと」


「けど、〈タロ〉様は普通の男の子みたいなこともするよ。

尊敬はしているけど、最近ちょっとエッチなんだ」


「えっ、〈サトミ〉ちゃん、〈タロ〉様にエッチなことをされたの」


「〈サトミ〉はね、〈タロ〉様にスカートを捲られて、下着を見られちゃったの。

すんごく恥ずかしかったよ」


「まぁ、〈タロ〉様がそんなことを。〈サトミ〉ちゃん、他にもされたの」


「エッチなことはそれだけだよ」


「〈クルス〉ちゃんの方はどうなのかしら」


「私もスカートを捲られて、下着を見られました。

〈タロ〉様に何をしても構いませんって言ったからですが」


「まぁ、お二人ともされたのですね。〈タロ〉様はエッチなことに興味がおありなのですね」


「〈サトミ〉には、スカートを捲りをするのが、夢だったって言ったよ。

 男の子は好きな女の子にしたいと思うんだって、本当かな」


「私の時も、同じように言っておられました」


「うーん、スカートを捲るのが夢ですか。好きな女の子にはしたいのですか」


「〈サトミ〉はね、そう言われたから、怒れなくなっちゃったんだ。

けど、恥ずかしいからちょっと嫌なの。

けど、おばあちゃんは、もっと見て貰いなさいって言うんだよ」


「私は〈タロ〉様には何をされても良いのですが、実のところは恥ずかしくて堪りません。

私の細い棒のような足を見られるのは、切ないです。

女性らしい魅力的な足なら良いのですが」


「お二人とも、あまり怒ってはおられないのですね。

数年後には嫁ぐのですから、冷たく無視されるよりかは、エッチなことでも興味を持って貰う方が、よほど良いと言うことかもしれません。

でも複雑な心境ですね」


「〈サトミ〉は、〈タロ〉様がもっとエッチなことをしたいって言ってきたら、どうしようと思っているの。

 最近は、お尻や胸も見るんだよ。困るよね」


「〈サトミ〉ちゃんが、言うように、〈タロ〉様がお尻や胸を見ていると、私も感じています。

 私は〈タロ〉様が何を望まれても従いますが、もう少し待って欲しいです」


「まぁ、お二人もそうなのですか。私も今日、見られているなと思いました。

 外から見ると、悪いことでは無いのでしょうが、当事者となると、さあどうぞ見て下さいとは言えませんよね。

 どうお相手をしていくのか難しいですね」


「ほんと、どうしょうか困っているの」


「悩ましい問題ですね」


― それからも、三人は色々な話を、時には笑いながら、時にはしんみりと、時が経つのを忘れて話した。今度も〈アコ〉の従者に注意されるまで ー

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