2-13 すたっふぅ~! すたっふぅ~!
すみません…。
昨日は調子に乗ってしまい、あやうく腹上死するところでした…。
しかし、下着の力は大きい!
世の夫婦に教えてあげたい。と思うが、最終的には脱いじゃうんだよな。
寝る時はナイトガウンで、と言っても、俺たちは皆裸で寝ているのだが…。
ヒト肌が一番落ち着くんだろうな…。
「ダーリン!今日はいろんな種族の“選りすぐり達”が来るから挨拶してね。」
「え、それはまどかさんの仕事ですよ。」
「あたし、堅いの苦手だもん。あ、でもダーリンのは好きだよ。」
朝から何を言ってるんだ…。
それに4人が何故クネクネしているんだ?
「それでは、各種族の方には俺とルナさんで挨拶するんで、アルルさんは兵舎、ターニャはまどかさんとここに残って、3階の部屋と各階のトイレを作ってもらってください。」
皆がそれぞれの仕事に取り掛かる。
レインさんが玄関で待っていてくれる。
「カズ様、先日ご依頼のありました集落の位置を地図に落としてみましたので、ご確認ください。」
「レインさん、ありがとね。
これがあれば、種族の位置も分かるね。
あ、ルナさん、種族ってどれくらいあって、何人くらいいるんですか?」
「数えたことはありませんので、分かりませんね。」
なんとまぁ、どんな種族がいるのか数が分からないようだが、まぁどれくらいくるのか楽しみにしていよう。
「説明は謁見の間で行いますか?それとも1階の広間で行いますか?」
「1階の広間でいいでしょ。
それに、食堂の場所や部屋も案内したいしね。
レインさん、来られた種族の受付をお願いしてもらっても良いですか?」
「分かりました。
では、受付は本館の入り口で行うこととして、城の門に兵をお借りして案内係とし、誘導してもらうようにします。」
うわ、やっぱりレインさんは出来るヒトだ。
・
・
・
広間でルナさんと待つ。
続々と種族が来る。
正直、どんな種族なのかが分からない。
もっと、ラノベとかファンタジーの知識を入れ込んでおくんだったと後悔した。
これほどまでに多くの種族がまどかさんの力で平和に暮らしているんだと思うと、まどかさんの事、改めて尊敬する。
それに、男女というのか雄雌というのは分からないが、男女として考えるなら、男性7割、女性3割という感じだろうか。
「ルナさん、1階の執務室の準備は大丈夫ですかね?」
「はい。問題ありませんね。既にデスクもございますし。」
「あと、気を付けておかなければいけない事とかありますか?」
「と言いますと?」
「種族と種族によっては仲が悪いというものもあると思いますが。」
「それは魔王様が一番してはいけない事として各種族に通達してありますので、仲が悪いという種族はおりませんね。」
「なら、良いんですが、例えば犬と猫はダメだとか、ネズミと猫とか…。」
「ジュークさん、では、種族の配置については私にお任せください。」
「うん。仕事の内容もそうだし、その辺りはルナさんに任せるね。」
「はい!」
ルナさんが今日イチの笑顔を見せてくれる。
なんか嬉しいね。
さて、それじゃ、挨拶しておきますか。
「お集まりの皆さん、遠路はるばる魔王城へお越しいただきありがとうございます。
私、魔王様の相談役と相成りましたシメ カズミと申します。どうぞよろしくお願いいたします。」
皆がお辞儀をする。
でも、俺、偉くないからね。
「さて、皆さんがこの城でやっていただくことは2つです。
一つは、皆さんの種族との連絡調整、もう一つは魔国の繁栄についてです。
魔国の繁栄と言っても、ピンと来ないかもしれません。
一例を挙げますと…」
これまでのドワーフ、ホビット、ゴブリン、オーク、そしてエルフの集落でどんな事をしたのかを説明した。
他の種族は皆びっくりしている。
一旦説明を終え、皆に聞く。
「何か質問はありますか?
自分、この国に来てまだ日が浅いので、皆さんの顔と種族を覚えたいと思いますので、できれば種族を言ってから質問をお願いします。」
3分の1が手を挙げる。うん!みんなやる気だね。
「では、あなた。」
「はい。私はハーフデーモンですが、ハーフであっても魔国の繁栄と種族の繁栄に協力できるのでしょうか。」
「ハーフという意味が自分には良く理解できませんが、ハーフであってもクォーターであっても、魔国に住んでいるヒトは皆一緒です。
魔王様もそう仰っておられると思いますよ。
それぞれの種族の皆さんには得手、不得手があります。
得手の部分を活かし、それを行っていただくことが魔国の繁栄につながると思います。」
「次はあなた、お願いします。」
「フェアリーです。私のような小さい種族もお役に立つんでしょうか?」
「はい。問題はありませんよ。みなさんが得意とする事をこの説明の後に書いてもらいますので、その得意とすることをやっていただきます。
それに飛べるという事はメリットとなりますよ。」
「次はあなた。」
「あたしたちサキュバス、インキュバスは相手を惑わすことしかできないのですが…。」
「いいえ。それも得手の部分に入りますよ。
相手の懐に飛び込めるというのは、それは誇ってよいと思います。
それに、あなた方なら自分がもっている技術を伝授することも可能ですね。」
「え、ジューク様の技術を直に教えていただけるのですか?」
皆がざわめく。
「あの…、その技術というのは何でしょうか?」
「はい。マッサージと言います。」
皆がきょとんとする。
「まぁ、追々教えていきますので。
でも、ぼったくりはだめですからね。」
「ぼったくり???」
皆が今一度、一斉にきょとん状態になった…。
いかんいかん…。ちと走り過ぎたな…。
「すみません。まだまだ質問もあると思いますが、先ずは皆さんが働いていただく場所をご案内しますね。
その後、食堂、お風呂を視察していただき、ご自身の部屋を決めてもらいますね。」
「はい!はーい!」
「どうぞ。」
「あの、ウェアキャットです。
族長に聞いたのですが、城のお風呂にはボディシャンプーとかシャンプーとリンスがあると聞いたのですが、それらを使ってもよろしいのでしょうか。」
「はい。構いません。
既に城で働いていただいているヒトには使っていただいております。
皆さんも使ってくださいね。」
おぉーーー!と歓声が上がる。
「では、これよりルナ将軍が皆さんの長となりますので、彼女に従ってください。
あ、後ほどお知らせいたしますが、明日か明後日に城の改修が完了いたします。
その際は、この城の2階にあります広間にてパーティーを開きますので、皆さん参加してくださいね。」
「おぉ、ぱーちーだ!」
「綺麗なべべ着た方がいいのか?」
「可愛い子と友達になりたい!」
ガヤガヤとしているが、皆、眼がキラキラとしているよ。
さて、後はルナさんに任せましょう。
「では、ルナ将軍、お願いします。」
「コホン…。皆の者、魔王様の依頼によくぞ駆けつけてくれた。私からも礼を言う。
では、皆の者、ついてまいれ。」
皆がぞろぞろと執務室の方へ移動した。
ひと息つく。
広間にはレインさんが残ってくれている。
「レインさん、ありがとね。」
「いえ。カズ様、とても凛々しかったです。」
「あはは、お世辞言っても何も出ないよ。」
「差し出がましいとは思いましたが、ここに来た種族の一覧です。それと集落の位置を地図に落としておきましたので、ご確認をお願いいたします。」
「おぉ!流石できる秘書さんだ!レインさん凄いね!」
あ、しまった…。レインさんクネクネし始めた。
「それじゃ、少しこのリストと地図を見ていますので…、って部屋がないか?」
「いえ、確か別棟の3階はカズ様の部屋から作っていると聞いておりましたので、そろそろ出来ているとは思いますが…。」
「へ?そんなに早くできるものなの?」
「魔王様が陣頭指揮をとっておられますからね。早いですよ。」
疑い半分で、別棟の3階に行くと…、あらら、本当に出来てたよ。
良かった…。階段から廊下につながった部屋が執務室だった。
部屋に入ると、机が2つ…。
ん?2つ?
「あ、ダーリン、来てくれたんだね~。
ねね、見て見て、あたしとダーリンの執務室だよ~。」
って、魔王様と同室、それも机を並べてですか…?
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