第9話 あの猫

「ねーねー泊まっていきなよー」


「いいでしょー」


――――――――――――――――――――

 そう言いながら肌の露出の多い部屋着でお尻をフリフリさせてる美希ミキはとても上機嫌だ。

 彼女の魅力に抗えず僕はついなんどもキスをしてしまった。

 やがてこのまま泊まってしまってもいいかなぁと思い始めた頃に……

――――――――――――――――――――


 プルルルル


 ハムハム


 Chu♡


「電話来てるね」


「出た方がいいんじゃない?」


 むぎゅ


 ギュギュ


〜 〜 〜


「そっか、帰っちゃうんだね」


「まぁ仕方ないよねー

 でもさいつかは泊まりに来てよ」


「それともアタシが君の家に行っちゃう?」


「そっちの方がいいじゃん」


「そうしよ

 今度の土曜日とかどう?」


「しょーみなとこ、ちゃんとご挨拶するべきだと思うんよね」


 ?


「ほら嘘カノじゃんアタシ」


 コクコク


「でも、嘘って他の人に言わない……

 それってつまりシュレディンガーの彼女ってことだよ」


 ??


「え?『シュレディンガー』って言葉が出て来た事に驚いたって……」


「それくらい知ってるよ、有名じゃん」


「あれでしょ、ヤってみるまではその娘が処女かどうかは分からないって奴でしょ?」


 ……


「アタシさ、筋トレやってんじゃん」


「結構強い運動もしてるからさ、もしかしたらもうアレが無いかも……」


 ドキドキ


「気にしないでくれる?」


 コクリ


「よかったー。君ってさドーテーじゃん。

 もしかして気にするんじゃないかってさ。

 気になってたんだよねー」


 むぎゅ


 ぎゅぎゅ


「えへへ」


 クンクン


「ちょっと汗臭いね」


 スーハー


「アタシは良い匂いかな」


 クンカクンカ


 コクリ


「うん……うん」


「今日は来てくれてありがと」


「気をつけて帰ってね」


 バイバイ


 キィー バタン


「あーあ、結局きょーは独りか……寂しいなぁ」


「歯を磨いて早く寝よっかなぁ」


 パタパタパタ


 ジャー


 パカッ

 ヌリヌリ


 シャカ  シャカ

   シャカ  シャカ


 シャカ  シャカ

   シャカ  シャカ


〜 〜 〜


「あ、洗濯やっとこ」


 ゴソゴソ


 バラララ


 ピッ


「実家のやつより全然いいよねこれ乾燥までやってくれるし。パパ達来た時、びっくりしてたもんね」


 フフフ


 ピコン


「あ、パパからだ……『元気でやってるか?』だって」


「アタシは元気だよ。

 今日は友達と一緒に遊んだよ」


 ピコン


「うん、ボーイなフレンドだよ」


 ピコン ピコン


「何それウケるw」


 ピコン ピコン ピコン


 ポチポチポチ


つづく

――――――――――――――――――――

あとがき


週一回程度の更新を見込んでいます

今後とも宜しくお願いたします


☆、フォロー、いいねで応援いただけると

執筆の励みになります

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る