第5話 約束

「おっはよー」


「昨日はよく寝れた?」


――――――――――――――――――――

 朝登校すると隣の席の美希ミキが頬杖をつきながら、小首を傾げつつ話しかけてきた。

 その質問に『昨日は少し眠れなかった』と返答をしつつカバンを席にかけてから座った。

――――――――――――――――――――


「そっか、あんまり寝れなかったんだ」


「もしかして、アタシの事考えてたの?」


 コクコク


「そ、そうなんだ/// へ、へぇ」


 もじもじ


「っていうか、なんか忘れてなーい?」


 クンクン


「『問題ない』って、そーじゃないでしょ」


 クイクイ


「こっちに来てもっとカクニンして?」


 グイグイ


 クンクン


「どう、昨日と違うやつなんだけど?」


「『こっちの方が好き』か、なるほど……」


 メモメモ


「それじゃ、明日もオネガイね♪」


「アタシも確認していい?」


 コクコク


 クンカ クンカ


 クンカ クンカ


「……今日なにか使ってるでしょー」


 ギクッ


「昨日までは使ってなかったよね」


「もしかして、アタシに気を使ってくれたのかなぁ?」


 ニヤニヤ


 うぅ


 コクリ


「いいじゃん。この匂い好きだよ」


 クンクン


「へぇ、コーヒーの匂いなんだ」


 スースー


「んー、この匂いのどこがコーヒーなのかよく分かんないけど……」


 ハハハ


「だよねぇ。アタシもさ香水とかアロマっていくつか試したんだけどさ」


 ふむふむ


「たまに良く分かんない物あってさ、不思議だなぁって」


 ほほー


「今度さ、一緒に買いに行かない?」


 ……コクリ


「ふふふ、楽しみだね」


 トスッ


「どう、そろそろアタシの事を好きになっちゃった?」


 くたー


「好きが分からない?」


 ボソボソ……


「そんなのノリじゃね? 知らんけど」


「誰が誰を好きになるのなんて直感かなー」


「例えば、アタシは君とイロイロな事をシても良いと思うけど」


 ドキドキ


「あんま待たせてると、他の男の子に告白されちゃうかもしれないよー」


「っていうか、今日の午後されるし」


 ⁉︎


 ゴソゴソ


 ぱらり


「これ、なーんだ」


「うん。そう、ラブレターっぽいよねー」


「午後の放課後、呼び出されるみたいなんだけど……どうしよっかなーって」


 うぅぅ


「ふふ、何その顔〜可愛いw」


 ふるふる


「いや、アタシ達ってただの友達じゃん。だからそんな風に言われる必要ないよね?」


 ガシッ


「それって独占欲かなぁ?」


「参っちゃうねー/// モテる女は」


 ニヤニヤ


「それで、どーするの? 断って欲しい?」


「でも、突然そんな風に言われてもなー」


 ふるふる


「そんじゃ、嘘カレになってよ♪ そしたら断りやすいし」


「……嘘なら良いでしょ?」


「嫌だったら別れるからー、ねーってばー♡」


つづく

――――――――――――――――――――

あとがき


ギャルと嘘でもいいから

付き合いたい人生でした。

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