第4話 それから

「ど、どうかな? さっきの歌……」


 ドキドキ


「返事を聞きたいんだけどなぁ」


――――――――――――――――――――

 カラオケ店で、僕の瞳を見つめながらご機嫌な曲を歌い出した美希ミキ

 最初に歌うのが替え歌だったのに驚いたけれど、その内容にもびっくりした。

 次の相手はアタシミキにと言っているかの様だった。


 その美希ミキは、最後に指でハートマークを付けながらポージングしていた。

――――――――――――――――――――


「『待って欲しい』って、今まで考えた事無かったからか……まー、そうだよね」


「意識してない相手から告られても困るよね」


「きっとあの子もそうだったんだろうね」


 しゅん


「んーん。これから考えてくれればいいからさ」


 ショボーン


 ぽんぽん


「アタシ急いでないからゆっくりで良いよ」


「……でも座席が変わったら離ればなれになっちゃうね」


 チラッ


「ん、君からアタシの所に来てくれるの?」


 クンクン


「香水チェック! 覚えててくれたんだ♪」


 ふふーん♪


 グリグリグリ


「今のうちに匂いつけちゃお♪ 慣れちゃったら、もーと近くで嗅がないと分からなくなっちゃうでしょ?」


「なーんてねw」


 クスクス


「ふー」


 スリスリ


「ほらほら、次歌わないの?」


 さわさわ


 にぎにぎ


「それともぉ、その黒くて硬い物でぇシちゃいたいのかな?」


「何? ってマイクだよマイク」


 クルン


(そもそも男の子の色って知らないし……)ボソッ


「な、なんでもないよっ」


「それより、はヤく♡ はヤく♡」


〜 〜 〜


🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵


〜 〜 〜


「はー、楽しかったー」


 コクコク


「でしょでしょ、それにカロリーもなーんと」


 …………


 あれー?


「おにぎり一個分かぁ、意外と減らないのね」


「まぁ、結局運動が一番って事だね。うん」


 テテテテテ


「ちょっと散歩していこ♪」


「っていうかー、アタシを家まで送ってってよ」


 にぎにぎ


「もう夜も遅いじゃん? 女の子1人だとこの時間ってちょっとね」


 コクコク


「ふふ、ありがと♪」


「ちなみに、今日はうちに親いないからさ」


 ⁉︎


「その顔、マジウケルw」


「今日はっていうかー、アタシって一人暮らしなんだよね」


 ドキドキ


「あ、お泊まりシちゃう?」


 ふるふる


「部屋着なら家にパパの部屋着あるよ?」


 ⁉︎


「たまーに両親が来るからさ」


「だから、いつでも泊まれるよ♪」


 ふるふる


「なーんだ。ツまんないの」


「『まだ、パパの服着る勇気はない』って……"まだ"なんだw」


 ストン Orz


「ちょっと……突然座りこまないでよ。周りの人が見てて恥ずかしいってば///」


 ノロノロ


 ぺこり


「そうそう、フツーにしてればいいからね」


 にぎにぎ


 コツン


 カッ  カッ

   カッ  カッ


〜 〜 〜


 ググ――――ン パァ


「アタシのお家に来ちゃった♪」


「うん、マンション住まいなんだ」


「ここまで来たらさ……寄ってかない///」


 プルッ


 ごそごそ


 パッ


 カッ カッ カッ


「誰から?」


「『もう遅いから帰って来なさい』か、まぁそうだよね」


 ふるふる


「んーん。今日はありがとね。楽しかったよ」


「バイバイ、また明日」


 ひらひら


つづく

――――――――――――――――――――

あとがき


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る