第3話 カラオケ

「今日はいっぱい歌っちゃおー♪」


――――――――――――――――――――

 弾んだ声を響かせているのは美希ミキだ。

 彼女は僕に腕を絡めながらカラオケ店へ連れて行こうとしている。

 するととても良い匂いがしていているんだが、いつもと少し違う気がする。

――――――――――――――――――――


「ん? ……もしかして気づいた?」


「さっき、トイレ行った時に……ちょっちょっとね」


 プシュ プシュ


「あ、もし嫌なら言ってね?」


 ぶんぶん


「そう、良かった」


「でもー、気になった時は言ってねー。香水使ってるとよく分かんなくなるって言うじゃん」


 コクコク


「だから、これから毎日お願いね♪」


 シュッ パチッ


 パチパチ


「『なんで毎日』って、そうすれば忘れないじゃん。だ、か、らアタシの事を毎日クンクンしていいんだよ?」


 クンクン


 ぎゅぎゅ


 むにゅー


「ほらほら、こーしてるとアタシの事が好きに成ってくるんじゃなーい」


「こういうのって、何度もなーんども繰り返すとイイんだって」


「ど〜お? アタシの事、好きになって来ちゃった?」


 くすくす


「んーと、飲み物は、アタシはお茶とお水かなぁ……」


「君はクリームソーダ? アイスがあるから入れば出来るのか、頭いいじゃん」


「ちょっと、ちょーだい」


 ふるふる


「えー、ちょっとだけ。スプーンの先っちょだけでいいからぁ♡」


 はぁ コクリ


「ありがと♪」


 カチャカチャ


 ガガガガガ


 ジャー


 ジィーグググググ


「クリームソーダって言ったら、丸いアイスだけど……これは、なんかチガくない?」


 やれやれ


「あ、ごめんってば」


「そうだよね。このお店で作る分には仕方ないよねー」


「アタシが浅はかでしたー」


 テヘペロ


 トテトテトテ


 ガチャリ


「この部屋、思ったより広いね」


 コトリ


 ポスッ


「それじゃ、君はこっちにどうぞ♪」


 パタパタ


「ほらほら、隣に座ってよ」


 …………


「んーもうっ」


 シュタ


 ニギッ


 グイグイ


 コツン


 ドサッ


「キャ♡」


 ドキドキ


 ドキドキ


「んー♡」


 ぎゅっ


 ハッ


 シュタッ


 ストン


「あれー、さっきのってそのままシしゃう流れだったよねぇ」


 つんつん


 スリスリ


 さわさわ


「シたくないの?」


 ドキドキ


「キ ス」


 ズコッ


「って、あれー? もしかしてもっと先を考えてたんだぁ」


「ダメだよー」


 …………


「ねぇ、このソファーって綺麗だと思う?」


 ポンポン


 ふるふる


「だよねー。いやーブッちゃけないでしょ。こんな所でスるだなんてさw」


 コ ク リ


 コクリ


「もー、どんだけーって感じ」


 ダラダラ


「んでさ、どっちから歌うん?」


 んー


「アタシ歌いたいのあるんだけどー。先いーい?」


 コクリ


「あんがと」


 ピピピピ


「でたでた♪」


「はいっ、送信♪」


 ♪〜♪〜♪〜♪〜♪


 シュタ


 スタスタスタ


 クルン


「アタシの歌を聞けー」


🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵


たった1度の約束を

明日へと続けてく

赤い陽の向こうへ

アナタを連れてくのに訳なんてない


想い続ける気持ちに

暖かい色がついてくる


変わらぬ日々でも

アナタは1人ぼっちじゃない


いまだってー


たった一つの約束で

きっと幸せになれるよ〜♪


アタシたちの気持ちは

今ここにあるのさ〜♪


アナタの想い アタシの想い

心に響く言葉へ♪


Just away Just away

勇気をだして

Try again Try again

明日に手を出して〜♪

Just away Just away

アタシらしく

Try again Try again

アナタを愛すから〜♪


🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵🎵


つづく

――――――――――――――――――――

あとがき


替え歌 原曲

Fire Bomber Try Again


マクロス7の汎用性凄いっ。

ラブソングに出来るとは思いませんでした。

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