第59話来夢の彼女のマスコミ対応

「来夢、彼女に電話してやれ!向こうの家

にも、マスコミが行ってると思うぞ!」


「うん、ありがとう!もしもし……」


桜庭家は未来が


「恭介さん、私行ってきます!」


「未来?何処に?」


「マスコミの対応に、ですよ!」


「未来は、止めといた方がいい!」


「未来は?じゃあ誰なら、いいんですか?

恭介さん、ひょっとして愛人でも、居るん

ですか?」


「は?何を言ってるの?未来?」


横で聞いていた、斗夢はコケていた。


「このまま、家にずっと居る訳にも、いかないでしょう?じゃあ、恭介さんが追い払って

くれる?」


「いや、俺では無理だろう!」


「じゃあ、やっぱり私ですね!行ってきます!」


「未来!靴、それはサンダルだぞ!」


「いいわよ!」


マスコミの前に立つ未来。

見渡せば、何時ものマスコミの人ばかりだった。


「あなた達ね~こんな朝早くから、ご近所の

迷惑も考えてください!もし、引っ越しに

なったら、費用を請求しますからね!」


「あの~未来さん、今日週刊誌に来夢さんの

記事が載ってまして、私達は来夢さんの話が

聞きたくて、来たんですが」


「私では嫌だと?私が嫌だという時には散々

聞いて来て、今度は嫌だと?勝手な事ばかり

言って!」


「もう~未来さん、イジメ無いでくださいよ」


「それは、こっちが言いたいです!帰って

ください!」


「もう~未来さんは、今も昔も、全然

変わりませんね?」


「あの~この前から、気になってたんです

けど、今の未来とか、昔の未来とか私は

1人ですよ!分かってます?」


「そ、そりゃ、全員が分かってますよ!」


「じゃあ、変な事は言わないでください!

あっ!」


「はい?」


「来夢に聞きたい事なら、私が答えますから

はい、どうぞ」


「どうぞと言われても……」


「私に聞けない、何か有るんですか?あなた達、私に何か、隠してますか?」


「いえ!何も!」


「じゃあ、どうぞ」


「じゃあ、単刀直入に、あの写真の女性は

彼女ですか?」


「はい」


「どう言った方ですか?」


「大学の同級生です!以上」


「以上って、未来さん」


「私の情報も、まだここ迄です、近い内に

会うので、それから又、報告しますから

今日は帰ってください!みんな仕事に行けず

に、困っているんです!」


なかなか動かないマスコミ。


「分かった!あなた達お腹が、空いてる

のね?おにぎりが要るのね?」


「あっ!いや、違います、未来さん、違いますよ!」


未来の姿は、無かった。


「未来?何するの?」


「私が、おにぎりを作って配りますから

その間に恭介さんは、来夢と斗夢を連れて

出てください!」


「う、うん、分かった!来夢、斗夢、用意は?」


「出来てるよ!」


そして、未来がおにぎりを、持って行く。


「さぁ、どうぞ」


断れずに、手に取るマスコミ。

その隙に、恭介の車が出て行った。


「未来さ~ん!」


「親は子供を、守るものです!あなた達も

反対の立場なら、同じ事をしてますよ!

若い子達なんだから、そっと暖かく見守って

あげてください!私で又、分かる事は

あなた達、優先で答えます!もし今日

彼女の家に行っている、マスコミが居たら

その人達には、今後どんな事も答えません!」


(助かった~)


と、思うマスコミ。

それからは、みんな諦めて雑談をしていた。


「えっ!じゃあ、未来さんも知らなかったん

ですか?」


「はい!卒業したら会わせる、つもりだった

みたいで、先にスクープされてしまって

昨日の夜、聞いた所ですよ、でも、もう

22歳ですからね?」


「我々が未来さんに、初めて、お会いしたの

も、それ位では?」


「そうなんですよ!もう長い付き合いですね?あなた方は、定年は無いんですか?」


「一応、有りますけど、やっぱり、いい

インタビューや、スクープを取ると、仕事は

続けられますね」


「その定年も、考え物ですね、まだ働きたい人、もう、ゆっくりしたいと思う人、二択に

しないと駄目ですね」


「そうです!私達は、もっと働きたいんです!」


「それも、今後は活動して行きます!」


「お願いします、それと、御馳走様でした」


「い~え」


「じゃあ、来夢さんの事は、未来さんに

任せますので、我々は帰ります」


「はい、お疲れ様です」


そして未来は、片付けて、ご近所様に迷惑を

掛けたお詫びに、廻っていた。

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