第56話来夢と斗夢の優しさ

そして仕事が終わって、オフィスに戻る

ヒューチャーと細山。

細山は両手に、袋を下げていた。


「おい!丸、お前は何?その袋?」


「今度は、それを持って引きこもるので

休ませてくださいとかって、言うんじゃ

無いだろうな~!」


「あ、いや、これは来夢さんと斗夢さんが

買ってくれたんです!」


「来夢、斗夢そうなの?」


「はい!何時も全力で、ファンから守って

くれる細山さんに、僕達からのお礼です!」


「丸ーやったな?又、丸くなれるな?」


「もう、止めてくださいよ~」


「でも、嬉しそうだな?」


「はい!もう最高に嬉しいです!僕は

ヒューチャーのマネージャーが出来て

本当に幸せです!」


「来夢、斗夢マネージャーに、こうやって

言われる芸能人は、少ないぞ!お前達の

性格の良さだな!」


「そんな、でも嬉しいです!」


「ありがとうございます!」


そこに恭介が、入って来る。


「おっ!丸~又、丸くなるか?」


「もう~みんなで同じ事を~」


「来夢と斗夢が、何時ものお礼に、買った

らしいぞ!」


「へ~来夢、斗夢お前達はお小遣いだろう?」


「そうだよ!でも細山さんには、何かお礼が

したかったんだよ!」


「いい事だ!お金は自分の為じゃ無くて

人の為に使え!生きたお金の使い方だ!」


「はい!」


そして24時間テレビが、始まる。

未来は、スケジュールを調整して家にいた。

この2日の為に、徹夜する事も有ったが

来夢と斗夢の為なら、何の苦でも無かった。

恭介も帰って来た。

恭介は、もうちゃんと、ティッシュ、タオル

バスタオル、プリンと用意したいた。

未来も恭介の料理は、作って用意していた。

始まると、自分の息子達ヒューチャーを

見るつもりが、やはり障害を持つ人や

それを支える、ボランティアの人達

食料難民へと、目が行ってしまう。


(毎年、見てるけど、全然困っている人は

減らない、私は何をしてるんだろう?)


そんな事が、未来の頭をよぎる。

横で見ている恭介は、未来の考えている事は

おおよそ見当がつく。


「未来?未来は今、自分に出来る事を

一生懸命に、やってるじゃないか!それで

いいんだよ!そういう人が、増えれば無く

なる事は無いだろうけど、少しずつ減って

行くんじゃ無いか?それに、あのボランティアの人達、このテレビを見て、未来みたいに

ボランティアを、する人も出て来るよ!

希望を持って見ろ!」


「はい!」


そして前を見て、テレビを見る未来。

そう現実を見ないと、それが、どんなに

辛い事だとしても、ヒューチャーも

泣きながら、頑張っていた。

恭介が昔した、手話での会話2人は

一生懸命にやっている。

そして3人で、遊ぶ姿が写し出される。

もう未来は、胸が締め付けられる思いだった。


(何も悪い事して無いのに、障害を持って産まれて、何も悪い事して無いのに、仕事にも

学校にも行けない人達、恭介さんが言う様に

無くす事は出来なくても、減らす事は出来る

筈!)


未来は強く思った。

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