第55話珍客がやって来た

ある日、未来の事務所に珍客が、やって

来た。

谷脇は


「先生、お客様です」


「誰?」


見れば若い、女の子達だった。


「どちら様ですか?」


「お姉さん、忘れたの?私達の事を」


(あっ!あの時の、レディースの子達だ!)


「まぁ~こんなに変わるの?人って、全然

分からなかった、みんな元気だった?」


「元気だよ!あれから学校にも、行ってるし

人の目は気にせずに、勉強してるよ!」


「そうなんだ!やっぱり根性が有るわね!」


「私達は甘えてたよ!お姉さんに言われて

分かったよ!それで大学を受験するんだ!

今日は、その報告に来たの!」


「そうなの?みんな凄いね!大学に行って

自分のやりたい事を、見付けるんだよ!

お父さん、お母さんは喜んでるでしょう?」


そう言いながら、未来が泣いている。


「あ~あ~お姉さん、どうして泣いてるの?」


「嬉しくて!大学に行ける子は、行かなくちゃ、世の中には、行きたくても、行けない子が、沢山居るんだから、分かった?」


「はい、今度、お姉さんの選挙の時は私達も

お手伝いに来るから、何時でも読んでね!」


「ありがとう!心強いわ!」


「じゃあ、又、受かったら報告に来るからね!」


「楽しみに待ってるからね!」


「じゃあね~」


「じゃあね」


手を振って、帰って行く子達を見て


「谷脇さん、良かったね!」


「先生の力ですよ!」


「ううん、最後迄、諦めなかった谷脇さんの

気持ちだよ!」


2人で喜びを、分ちあった。

その頃、ヒューチャーは、移動車に乗る迄が

大変な位の、人気だった。

ただ細山の、お陰で2人は、ファンから

ちゃんと守られていた。

運転席に座ると、とりあえず汗を拭く細山。


「細山さん、何時もありがとうございます!」


「いえ!これが僕の仕事ですから!」


「細山さん、ちょっと先のコンビニに

寄りたいんだけど」


「駄目です!2人が行くと、大変な事になりますから!」


「じゃあ、ドライブスルーは?」


「それなら、大丈夫です!」


「じゃあ、寄ってね!」


「はい!分かりました」


そして、ドライブスルーで、大量の注文を

する2人。


「あの~お二人は、そんなに食べるんですか?」


「今、成長期だからね!」


「そうですか~」


不思議そうな細山。


(あんなに食べて、あのスリムな体型は?

何故だ?やっぱりダンスの、消費カロリー

は、凄いんだな!)


そう考えていた。

注文した商品を、受け取ると2人は、ドリンクとハンバーガーを1つずつ、取った。

そして


「はい!細山さん、これ!」


「何ですか?」


「僕達から毎日のお礼です!こんなんじゃ

足りないでしょうけど、僕達学生だから

お小遣いだから、ごめんね」


「いえ、こんなの受け取れませんよ!」


「そう言わずに、食べて!お願い!」


「あ、ありがとうございます!」


細山は、目の前が、ボヤけて来た。

そう涙が、滲んで来たからだった。

この2人の優しさは、自分がマネージャーに

なってから直ぐに、分かっていた。

でも、どんなに人気が出ても、まだ変わらない2人の優しさに、感動したのだった。

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