第52話子供を1番に考える恭介と未来

そんなある日、未来の事務所にテレビ局から電話が入った。

同じくpeaceの、オフィスにも電話が入っていた。


「はい、私ですが……考えさせてください」


と、返事する未来。


「はい、僕ですが……考えさせてください」


同じ様に、返事する恭介。

テレビ局は、ヒューチャーと、一緒に恭介と

未来にも、手話をして欲しいという事だった。

恭介と未来は、相談をする。


「あの子達が、あんなに喜んで恭介さんと

同じ仕事が出来るって、言ってる時に私達が

出て行くのは、良く無いんじゃ無いかな?」


「それは俺も思うよ!あくまでも、あの2人が、主役じゃ無いといけないのに、俺と未来が出て行くと、おかしくなるよな!」


「今回は断りましょう!この先に又、機会が

有れば一緒に出ると、いう事にしましょう

じゃあ、恭介さん断ってね」


「俺?」


「だって、テレビ局だったら恭介さんの方が

良いでしょう?」


(まぁ、未来が言うと、一生仕事が来なく

なるからな!)


「うん、分かったよ」


そして、今年はヒューチャーで、する事に

なった。

大学、仕事、手話と忙しい2人だが、頑張っていた。

その顔は、輝いて見えた。

そんなある日、未来は今の子育て環境等の

テレビのコメンテーターに、ゲストで

呼ばれた。


「行くの?未来」


「行くわよ!だって私は、その問題の委員活動もしてるし、テレビで言えるなんて

チャンスよ!チャンス!」


「未来、程々にな」


「恭介さん?私達が程々に言って、世の中が

変わりますか?」


「いえ、変わりません」


「でしょう?誰かが言わなくちゃ、いけないのよ!」


こういう未来は、誰にも止められない。

テレビが始まる。

peaceのメンバーは、やっぱり見ている。

そして、長年未来を追い掛けて来たマスコミ

元同僚の五月達、来夢、斗夢の保護者達

未来に係わる人は、みんな見ていた。


「本日は、子育て環境支援委員会の委員で

在ります、桜庭未来先生に、来て頂いて

おります、よろしくお願いします」


「桜庭です、よろしくお願いします」


「早速ですが、今の子育ての環境に付いて

どの様に、お考えですか?」


「今の子育て環境は、最悪です!待機児童

ヤングケアラーと、問題は山積みです!

子供を預けれない、母親は仕事を辞めざる

おえません、今迄、頑張って来た物を全て

捨てて、愛する我が子の為に、仕事を

辞めるのです!ヤングケアラーに、至っては

中学校、高校すら、行けない子供達が沢山

居ます!これらの事を、もっと迅速に行政

そして国が動くべきだと、私は委員会の度に

言ってますが、みなさん腰に、鉛でも付けて

居るのか、腰が重いです!」


「では桜庭先生は、国と行政に不満が有ると?」


「大有りです!何の為に、みんな働いてるん

ですか?そういった人達を、無くす為でしょう?そればっかりが、仕事とは言いません!

でも、ちゃんと、その部署が有るんだから

機能しないと、意味が無いでしょ!」


「おっしゃる通りですね」


「調査、調査と言うばかりで、しないのなら

私が行きますと言ったら、国会議員が

そんな事をと言われ、国会議員も市役所の人も、ヤングケアラーの人も、待機児童を持つ

親も、みんな同じ人間でしょう?人の痛みを

分からないと、分かる努力をしないと、この

国は、良くなりませんよ!」


みんな、未来の迫力に押されて、言葉が出ない。

その頃、テレビ局の電話は、なりっぱなし

だった。

みんな、未来への感謝、応援の電話だった。

番組のホームページも、多数の未来への

賛同が。

peaceのメンバーも


「未来ちゃん、来夢と斗夢に、人に影響を

与える人になりなさいって、言ってたけど

自分が1番、影響を与えてるんじゃない?」


「恭介!未来ちゃんなら、何かを、やって

くれそうな気がするな!」


「本当に、あんなに言えるのは、未来ちゃん

位だよ!」


「そうだな!」


恭介は、改めて未来に、惚れ直している。


「すみません、桜庭先生!先生のコメントに

視聴者から、絶賛の電話が、なりっぱなしで

後、ホームページも、もう限界です!」


「だから、数字だけじゃ無く、それだけ今

今この時にも、困って居る人が、沢山居る

という事ですよ!ここに居る、私達だけじゃ

無く、本当に動いて、変えて行かないと駄目

なんですよ!私は、これからも国会で委員会で、戦い続けます!信長様の様に!」


(あ~言っちゃった!)


「あの?信長様とは、あの織田信長でしょうか?」


「はい!私は常に、戦国武将の織田信長様の

様に、ひるまず戦いたいと思っています!」


「そうですか!これらの活躍を、楽しみに

しています、桜庭先生、本日は、ありがとう

ございました」


「ありがとうございます」


未来がテレビ局を出ると、マスコミと一般人が、沢山待っていた。


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