第51話免許取得して帰って来た細山

来夢と斗夢は、今日は大学で夕方から仕事

だったので、恭介はその間に、自分の仕事を

していた。

それを見た、社長の裕平が


「恭介、お前は良く働くな~」


「うちの社長は、人使いが荒いからな!」


「恭介、お前な~」


「冗談、冗談だよ!」


そう言って、じゃれ合って居ると


「ただいま、帰りました!」


細山が帰って来た。


「丸~お帰り、免許は?」


「はい!無事に一発で合格して、貰って

来ました!はい、これ!」


免許証を見せてくれた。

メンバーは、思わず笑ってしまった。


「丸~写真が、顔パンパンだぞ!」


「はい、ハードなスケジュールだったん

ですけど、全然痩せなくて」


「まぁ~丸は、その方が丸らしくて、いいよ!」


「恭介、やったな!丸が帰って来たぞ!」


「丸~お帰り、待ってたよ!」


「すみません、桜庭さん」


「いや、謝らなくていいよ!来夢と斗夢の為に、わざわざ免許を、取りに行ってくれたんだから、反対に感謝してるよ!」


「あっ、そうだ丸、車はもう用意してる

からな!」


「えっ!そうなんですか?」


「あ~移動車だから、ワンボックスにしたからな!これなら来夢と斗夢も、ゆっくり

出来るし、でも、あのハードスケジュールで

運転は大丈夫か?」


「はい!お二人に怪我の無い様に、安全運転で、お守りしますから大丈夫です!」


「ありがとな~丸~」


みんなに、お礼を言われて困る細山。

でも、嬉しかった。

そして、今年ついに、あの24時間テレビの

メインパーソナリティにヒューチャーが

選ばれた。

やっと、年齢が条件を満たしたのだった。

オフィスでは


「やったぜ~!」


「最高!」


「さすがだな恭介!」


そして、親子2代で、ヒューチャーも手話を

する事になった。


「これは、もう運命だな?恭介!」


「あ~そうだな!嬉しいよ!」


「未来ちゃんに、言いに行かないのか?」


「行くと、未来は絶対に泣くから、どう

しようかと思って」


「行ってやれよ!」


「そうだよ!1番喜ぶのは、未来ちゃんだぞ!」


「早く行け!」


メンバーに、追い出された恭介。

未来の事務所に行った。


「未来?今、いける?」


「うん、大丈夫だよ、どうしたの?」


「うん、ちょっと話が有って」


「恭介さん!まだ懲りずに、離婚話ですか!」


「未来、いい加減にしろよ!俺は1度も

した事無いぞ!」


「じゃあ、何?」


「ヒューチャーが、24時間テレビの

メインパーソナリティに決まったよ!」


「恭介さん、本当に?」


「うん!」


「やった~嬉しいよ!今迄、頑張って来た

もんね」


「それで、その時にヒューチャーが、俺が

やったみたいに、手話でコミュニケーションを取るんだって!」


「えっ?それって凄い事じゃない!2人は

手話の勉強も、しないといけないね?」


と、言いながら涙が、ポロポロ溢れる未来。


「まだ、2人は知らないんでしょう?」


「あ~今日は夕方から仕事だから、その時に

言うよ!」


「うん!喜ぶね2人、2人が1番憧れてるのは、恭介さんだから!」


「えっ?そうなの?」


「そうだよ!言わなかった?私」


「いや、聞いて無いよ!」


「恭介さん、ひょっとしたら、ボケて来た?」


「何、言ってんだよ!聞いて無いよ!」


「来夢と斗夢が、アイドルになったのは

パパみたいな、スターになりたいからだって

小さい時に、言ってたよ!」


「未来~頼むよ!そんな大切な事は、

ちゃんと言ってよ!」


「私は言いました!」


「い~え、聞いてません!」


「だから恭介さん、ボケて来た?」


「違うって言ってるだろう!もう、いい

帰る!」


「あら、あんなに怒って、大人気ないな?」


呑気な未来だった。

夕方、オフィスに来たヒューチャーに、24時間テレビの事を、伝えると


「やった~!これでやっと、パパと同じ

仕事が出来るよ!」


「おい、お前達は何を目標にしてたの?」


「僕達は小さい時からママに、人に影響を

与えられる人になりなさいって、言われて

何時か僕達も、パパがした仕事をしたいって

いうのを目標に、今日迄やって来ました!

それに、同じ手話が出来るだなんて、もう

最高に嬉しいです!」


「ハハハハ、来夢と斗夢は、パパとママの

事が、大好きなんだな!」


「はい!何時も何も言わずに、守ってくれる

パパ、少し変だけど、一生懸命なママが

大好きです!」


「羨ましいよ!恭介と未来ちゃんが!」


「もう、お前達も22歳と20歳だろう?

彼女は?」


「まだ居ません、忙しくて恋する暇が無いん

ですよ!」


「まぁ、そう言わずに、未来ちゃんみたいな人を、見付けろよ!」


「それは無理ですよ」


「どうして?」


「あ~いう人は、なかなか居ませんよ!

でしょう?」


「ハハハハ、そりゃそうだな、居ないな?」


そこに恭介が、入って来た。


「お前達、やったな!」


「はい!やっと夢が、叶いました!」


「夢?」


「僕達は、パパみたいなスターに、なりたくて、そしてパパがした、仕事をしたくて

頑張って来て、今回は手話迄、出来るなんて

夢が叶いました!」


「そ、そうなのか?何か照れるな~で、手話は、どうする?俺か未来が教えようか?」


「いえ!自分達で習いに行きます!」


「そうか~頑張れよ!」


「はい!じゃあ仕事が有るので、行って来ます」


「お~気合い入れて、行って来い!」


「はい!」


そして、仕事に行く2人と細山。


「恭介?来夢も斗夢も、本当にいい子に

育ったな?最初は未来ちゃんだから心配

だったけど、あんないい子、居ないぞ!」


「う~ん、多分、俺も未来も、来夢と斗夢の

お陰で成長出来たんだよ!俺達があの子達に

育てて貰ったみたいなもんかな?」


「ハハハハ、反対じゃん」


「そう、家は反対なんだよ、でも、それで

家族が幸せなら、いいんだよ、形なんて

どうだって!」


「そうだな!それは言えるな!」


「多分、1番成長したのは未来だな、今は

信長様病が消えてるからな!」


「えっ、言わないのか?」


「うん、言わないというか、余りゆっくり話

する時間が無いからな~でも聞かないな~」


「へぇ~」


恭介は甘かった。

未来は、毎朝必ず、半紙に書かれた信長様に

お祈りをしていた。


(今日も、家族が健康で、居れます様に)


と、していたのだった。

そして、織田信長の文字も、オレンジから

紫色に変わっていた。

テレビで、今年のラッキーカラーが紫と

いうのを、見たからだった。

誰も気付かない事に、不満は有ったが

みんなが元気なんで、まぁいいかと

諦める未来だった。

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