第47話何時までも優しい恭介

恭介は帰りに、コンビニで可愛いい未来に

プリンを買って帰った。

家に帰ると、未来が起きていた。


「おはよう、起きたの?」


「おはよう、恭介さん、来夢と斗夢は?」


「時間だから、送って来たよ」


「ごめんね、ありがとう」


「はい、未来プリン」


「ありがとう」


「食べな、2人は朝から出るから、食べる暇が無くなるぞ!」


「うん!恭介さん、ありがとう、いただきます」


恭介はコーヒーを飲んでいる。


「う~ん、コーヒー良い香りだね」


「未来のも、有るよ」


「本当に?ありがとう、恭介さんは何年

経っても、変わらないね?優しいね!」


「ハハハハ」


照れる恭介。


「22年前、私はpeaceの時、五月達と4人で

見たの…懐かしいな~あの時もプリンを

食べたの、恭介さんの手話は、私にとっては

衝撃だった、あんな忙しいアイドルが、何時

覚えるんだろうって思って、自分は何も

して無いし、出来て無いって思って、手話を

習い出したの!来夢と斗夢にも、そういう人に、恭介さんみたいな人に、なって欲しい!」


(未来、この22年で初めてじゃ無い?

そんなに誉めるの、でも言うとスイッチが

入るから止めよ)


「そうだな」


と、言っておいた。


「今、ヒューチャーの、お二人が駆け付けて

くれました!」


「キャ~」


「キャ~」


凄い声援だった。


(来夢、斗夢、こんな人気者になったんだね

テレビでも、堂々として、パパの次に

カッコいいよ!)


未来は、そう思いながら見ていた。

最初は笑顔で、登場した2人だが、色々な

VTRを見ている間に、段々と顔が変わって

来た。


「恭介さん!あの子達もう無理だよ!

泣くよ!」


「いいじゃ無いか、テレビでも泣きたい時は

泣いたら、人間何だから」


「そうだね」


そして、やはり2人は、大粒の涙を流し出した。

司会者が


「ヒューチャーの、お二人、大丈夫ですか?」


と、声を掛ける。


「はい、すみません!みなさんの頑張ってる

姿を見ると、自分達は、まだまだだなと

思い、完敗です!僕達に出来る事を見付けたいと、思います!」


「ありがとうございます、ヒューチャーの

お二人の、暖かく、重みの有る、コメントを

頂きました、続いて次のVTRに行きます!

どうぞ!」


そしてVTRが、流れている間に、細山マネージャーが、走ってやって来る。

手にタオルを持って


「これ、どうぞ!」


ハアハアと息を、切らしている。


「ありがとうございます!細山さん、凄い汗

ですよ、これ1枚使って無いから、拭いて

ください」


「あっ、すみません、ありがとうございます」


その、やり取りを見ていた、共演者は

ヒューチャーは、裏表の無い、本当に

いい子達なんだと、再認識する、1場面

だった。

一方、家では来夢と斗夢を見て、只今

未来が号泣中。


(こういう所が、未来は可愛いいんだよな

沢山、泣けよ)


やっぱり、未来に甘い恭介がいた。

そして、VTRが流れる度に、泣いてしまう

ヒューチャー。

そんな、ヒューチャーに沢山のFAXが届く。


《ヒューチャーの2人の、純粋さに胸を

打たれました、今から募金に行きます!》


《人の為に流す涙程、美しい物は有りません

今から募金に行きます》


《私も、私に出来る事を、見付けます》


《ヒューチャー、ファイト!》


等々、2人の涙の代償は、大きかった。

2人の純粋な心、涙が人を動かしたのだろう

それは、一緒にいた、共演者が1番分かって

いた。

そして、エンディング、全員が号泣での

エンディングになった。

心配せずとも、未来は、ずっと号泣している。

横で涙を拭くのを、諦めた恭介。

番組が終わり、司会者、共演者に謝る

ヒューチャーとマネージャーの細山。


「すみません、僕達、泣いてばかりで」


「いやいや、君達の素直な気持ちが、沢山の

テレビを見て居る人の心に、届いて動かして

くれたんだよ!」


と、言ってくれた。

最後に細山が


「お世話になりました」


と、おお汗で、お礼を言う。


「細山さん、ありがとう!」


「いえ、僕は何も!」


「いえ、ありがとうございます!」


細山は、ヒューチャーのマネージャーに

なって、本当に良かったと思っていた。

帰りはタクシーだったので、細山は2人を

タクシーに乗せた。


「お疲れ様です」


「お疲れ様です」


細山は2人を、見送った。

家に着いた2人は


「何て言う?」


「この顔じゃ、隠し様が無いよな!」


「堂々と帰ろう!」


「うん!」


「ただいま」


「お~おかえり!」


と、恭介の声。


「あれ?ママは?」


恭介が、指指す方を見る2人。


「えっ?何?」


未来は、タオルでは、もう間に合わず

バスタオルに、くるまっていた。


「ママ、どうしたの?」


「お前達が、泣いてるのを見てから、ずっと

泣いてるよ」


「パパ、僕達、今日はずっと泣いてしまって

ごめんなさい!」


「どうして謝るんだ?」


「だって、仕事なのに!」


「お前達は、心から泣いたんだろう?じゃあ

謝るな!泣く事は、別に恥ずかしい事じゃ

無いんだから、お前達の涙で、沢山の人が

動いてくれたじゃ無いか!充分だよ!

お疲れ様」


「パパ…ありがとうございます!」


「ところで来夢、斗夢、あの人を、どうにか

してくれ!」


「うん!」


「ママ、ただいま」


「来夢~斗夢~頑張ったね~ママ嬉しいよ~」


「うん、頑張ったよ!だから、もう泣かないで、ご飯を食べよう!」


「うん!」


「ママ、食べれる?プリンにする?」


「うん、プリン」


「は~い」


「いただきます」


未来は、恭介、来夢、斗夢の顔をじ~っと

見詰める。


「あの~未来さん?」


「はい?」


「食べにくいんですけど」


「そう?気にしないで」


「ママ、気になるよ、どうしたの?」


「ママは、幸せ者だな~って思って、こんな

素敵な旦那様と、こんな素敵な子供達に

恵まれて、明日から、もっと頑張らないと

あんなに沢山、困って居る人が、居るんだから!」


「未来、ファイト!」


「ママ、ファイト!」


「ママ、頑張れ!」


「うん!お~!」

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