第44話新しいマネージャー

そして桜庭家は、全員が忙しかった。

一緒に、ご飯を食べるのも週に1、2度だった。

今日は貴重な食事の日。

その時に未来が


「来夢、大学行くんでしょう?勉強する時間

なんて有るの?」


「ママ、時間は作るんだよ」


「そうだね、大人になったね、斗夢はやっと

高校に入ったばかりだから、まだ早いよね?」


「いや、僕も大学に行くよ!」


「え!」


驚く3人。


「どうして、僕の時は、そんなに驚くの?」


「いや、意外だったから、少しビックリした

だけ」


「少し?今ので?」


「う、うん!少しだよ!」


慌てる未来。


「まぁ、そうやって目標を持つ事は、いい事

だわ!ね?恭介さん」


「うん!本当に2人共、頼もしくなったよな!」


楽しい食事だった。

そして、ヒューチャーの新しいマネージャーが決まり、谷脇は未来の所に、秘書として

行く事になった。

peaceのメンバーに、挨拶をする谷脇。


「自負勝手な理由で、申し訳ございません」


「いや、辞める理由が、良かったよ!」


「頑張れよ!」


「未来ちゃんに、しごいて貰え!」


「ありがとうございます!」


谷脇は、その足で未来の事務所と言っても

同じビルの1階だった。


「桜庭先生、今日から、お世話になります

谷脇です」


「あなた、仕事に来て、お世話になっちゃ

駄目でしょう?お世話しないと!」


「はっ?は~」


(やっぱり、変わった人だな?でも、頑張ろう!)


新しいマネージャーを、紹介されるヒューチャーの2人。


「来夢、斗夢~」


と、呼ばれる。


「新しいマネージャーの、細山豊さんだ」


名前と正反対の、横綱級の身体に2人は

笑いを堪える。


「こら!来夢、斗夢!」


「分かってるんですけど、余りにも……笑」


「もう、すみません、細山さん、気を悪く

しないでくださいね、いい子達だから」


「はい!大丈夫ですよ!慣れてますから!」


「あ~そうですか、じゃあ2人は人気者なんで、スケジュールはハードですから、間違わない様に、お願いしますね」


「はい!細心の注意をはらって、仕事しますので」


「じゃあ、よろしく、来夢、斗夢、行って来い!」


「はい!」


仕事に向かう、3人。

すると、オフィスに一本の電話が入る。

peaceのリーダーだった、裕平が社長を

している。

電話に出て、即O.K.を出した。

裕平は恭介が、来るのを待っている。


「はよ~」


「はよ~、やっと来たか、恭介!」


「どうしたんだよ」


「オファーが、来たんだよ!」


「何の?」


「ヒューチャーに、24時間テレビのオファーだよ!年齢的にメインパーソナリティーは

無理だけど、各施設の取材と、2日目は朝から夕方迄、生放送に出演だよ!もうO.K.した

からな!」


「やったぜ~!」


「親子二代だな!」


喜びを、剥き出しにする恭介。


「未来ちゃん、喜ぶぞ!」


メンバーも、嬉しかった。

恭介は、家迄待て無くて、未来に電話をした。

それを聞いた未来は


「やった~とうとう、この日が来たのね!」


と、大喜びだった。

その未来の姿に、事務所のスタッフは

ビックリしていた。

谷脇は、ヒューチャーの事だなと思い笑って

いた。

電話を切った未来に、谷脇が


「先生、ヒューチャーの事ですか?」


「どうして分かるの?谷脇さん、凄いわね

透視?盗聴?」


「もう、先生は人聞きの悪い!私はヒューチャーの元マネージャーですよ!先生の、あんな喜び方は、ヒューチャーしか無いでしょう?」


「あっ、そうか、ビックリした~盗聴されてるかと思ったわ!」


「もう!で、ヒューチャーが、どうしたん

ですか?」


実はねと24時間テレビの事を、谷脇に話を

した。


「やりましたね!先生、デビューして、まだ

3年ですよ!2人が成人に、なったら間違い

無くメインパーソナリティですね!」


「そうね、あの番組はね私と恭介さんの

縁結びの番組なの!」


「え!そうなんですか?」


「そうなの!番組の中で、恭介さんが

手話で少女と会話してるのを、見て感動して

あっ、このpeaceって人達の、影響力って

凄いなって思って、私も手話を習いに行って

ボランティアで、手話をしたりしたの

来夢と斗夢には、まだ小学生なのに、人に

影響を与える様な人に、なりなさいとか

ムチャを言ったり、でも本当に、あのテレビを全力でpeaceのメンバーと、恭介さんが

やってくれた、お陰よ!」


「思い出深い、番組なんですね!益々楽しみ

ですね!」


「谷脇さん、仕事を詰めてするから、その日

スケジュール調整してね!」


「勿論です!任せて下さい!」


「頼りになるから、助かるわ」


「ありがとうございます」


そして、その出演を最後に、聞かされた

ヒューチャーは


「あんな、凄いテレビに?」


「あ~お前達の、お父さんと未来ちゃんが

結婚する様になった、番組だぞ!」


「何、言ってんだよ!子供に!」


焦る恭介。


「でも、未来ちゃんは喜ぶぞ!」


「もう、喜んでるよ!」


「パパ、先に言ったの?」


「ごめん、嬉しくて我慢が、出来なかった。」


「もう、僕達が言いたかったのに!」


「未来が、喜んでる事に、変わりは無いよ

さぁ、待ってるぞ、帰るか!」


「はい!」


「お疲れ様でした!」


取り残される、細山マネージャー。


「あの~僕は?」


「あ~悪い!細山君、今日はもう上がって

いいよ、お疲れ様」


「お疲れ様です」

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