第40話子供に弱い未来

晩御飯の用意をして、みんなの帰りを待つ

未来。


「ただいま」


「お帰りなさい」


そう言って、家族でご飯を食べる。


「未来、明日は来夢と斗夢は、帰って来ない

からな」


「どうして?」


「地方のテレビの仕事だから、向こうで

ホテルに泊まるから」


「そうなんだ、じゃあ、お泊まりの用意を

しないと」


「未来、ご飯食べてからで、いいよ!それに

来夢と斗夢も、自分でするよ!なぁ?」


「うん、自分でするから、ママいいよ」


「そう?」


元気が無くなる未来。


「どうした?未来?」


「何か来夢も斗夢も、段々、大きくなって

私なんか、要らなくなるんだ」


(ヤバい、泣くぞ~)


と、思う桜庭男子達。

すると、未来の目から大粒の涙がポロポロと

流れ落ちる。


(やっぱり~)


「そんな事は無いよ!今、未来が忙しいから

だよ!それに、これ位の事は自分達で

しないといけない年だしな!」


そうもう来夢が17歳、斗夢が15歳になって

いた。

デビューして、2年が経っていた。


「そりゃ、そうか~じゃあ、自分達で

お願いね」


立ち直りの早い、未来だった。


「どう?未来、選挙の準備は進んでる?」


「うん!順調にね!」


「ところで未来、選挙に出るのに、イメージ

カラーを決めるんだけど、何色にする?」


「そうね、何色かな?」


すると来夢と斗夢が


「ママは、オレンジだよ!」


「どうして?」


「太陽みたいな、オレンジ色だよ!」


嬉しい未来。


「恭介さん、オレンジだって!」


「未来、嬉しそうだな!」


「だって太陽みたいだって……嬉しいよ!

ありがとう!来夢、斗夢。」


もう、ルンルンの未来は誰にも止められないのを、桜庭男子達は知っているので、あえて

放っておいた。

次の日は、来夢と斗夢は、学校に行って

仕事だった。

来夢は後1年、斗夢は3年で高校を卒業する。

その先の、進学に付いては、桜庭家は子供

本人に任せていた。

今日は、珍しく恭介が居る。

久しぶりに、2人でゆっくりと、コーヒーを

飲んでいた。


「早いね?子供の成長って!」


「あ~本当だなぁ~」


「色々、有ったね?」


「家は、有りすぎだろう!」


「そうかな?」


「そうだよ!でも、ヒューチャーの人気も

不動だし、有り難いよ!」


「そうね、それもひとえに、信長様のお陰ね!」


「何で?」


「だって、私は毎朝、お願いしてるもの」


(マジかよ~何も言わないから、もう

冷めたのかと思ってたよ!)


「そうだったんだ、ありがとう未来」


「私じゃ無くて、信長様だってば!」


「ありがとうございます!信長様」


「そうそう!」


満足そうな未来。

お昼には、恭介は仕事に行った。

オフィスでメンバーに


「あの言ってた、イメージカラーは

オレンジで頼むわ!」


「オレンジ?」


「うん、来夢と斗夢が、未来は太陽みたい

だから、オレンジだって言ったら、本人は

もう、ルンルンで即決だったよ!」


「未来ちゃんを、落とす時は来夢と斗夢だな!」


「俺は?」


「恭介、お前は、もう未来ちゃんの保護者

みたいなもんだよ!」


「見て見ろよ!今回の選挙の事だって、マスコミが先に恭介の所に来ただろう?」


「あれは、マスコミの配慮だぞ!未来ちゃんに聞くと、何を言い出すか分からないから」


「そう言われれば、そうか~え~保護者?」


「でも恭介、未来ちゃんを、ちゃんと言い

含めて出来るのは、この世の中で、お前

1人だぞ!」


「あ~他の人なら、無理だね!」


「絶対だよ!」


「みんな、何か嬉しいじゃ無いかよ~」


ルンルンの恭介。


(似た者夫婦だな!)


メンバーは思った。

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