第37話やってしまう未来

でも谷脇は、マネージャーとしては優秀で

仕事をそつなくこなしていた。

来夢と斗夢も、なついていた。

peaceは、次のグループのメンバーを選出して、グループ名を考えていた。


「本当に名前って、難しいよな?」


「恭介、お前は子供の名前の時、大変じゃ

無かった?」


「無い訳、無いだろう!未来だぜ!何か有ると信長様だからな、でも却下したら後は

決めるのは早かったよ」


「未来ちゃんは、言いそうだな!」


「さぁ、何にしようか?」


「なぁ、一層の事、武将にするか?」


「は?恭介、未来ちゃんが移ったか?」


「いや、ヒューチャーも、そうだけど今は

横文字ばかりじゃん?インパクトが有る

方がいいと思って」


「そりゃ分かるけど、武将は無いだろう?」


「じゃあ何が、有るんだよ!」


「武蔵とかは?」


「そんなの付けたら、未来が大変だぞ!

止めてくれ、頼む!」


「じゃあ勇者は?」


「おっ!いいかもね!カッコいいよ!」


「うん、それいいよ!」


全員一致で、次のグループ名は勇者に決まった。

恭介は毎日、大忙しだった。

負けず来夢と斗夢も、大忙しだった。

そして未来が、テレビで手話をする日は

明日だった。

みんな忙しくて、忘れていた。

そんな事は、気にならない未来。

次の日、1人で講演会場へ向かう。

タクシーなので、迷う事も無く着いた。

今日の講演内容は、消費税の増税について

だった。

未来としても、興味の有る講演だった。

そして講演が、始まる。

手話をしながら、講演内容を聞いていた

未来、順調だった。

未来の出るテレビは、必ず見るpeaceの

メンバー。


「恭介~未来ちゃん、テレビに出てるぞ!」


「あっ!今日だった、みんなテレビ見てる

暇何て有るのか?」


「その分は、後で取り戻すよ!未来ちゃんを

見ないとな!」


「そうそう!」


(相変わらず、どうなってんだ?うちの

メンバーは?)


恭介も見ていた。

順調に手話をしている未来に


(偉い!偉い!今日はプリンを買って帰って

あげよう!)


と、思っていた、その時に講演者が


「増税は厳しいですが、痛みを分ち合わないと経済は」


と、言った所で未来が、その講演者の所に

行ってしまった。

未来は手話を、しながら話をしている。


「痛みを分ち合うとは、おかしいんじゃ

無いですか?」


「何だね!君は手話をしたまえ!」


「今も手話は、しています、私の質問に

答えて下さい。」


「分ち合うと言うのは、皆が10ずつ出し

合ったら分ち合うだろう!」


「それは、みんなが同じ100を持って

いたら分ち合うですよ!元々100と50の人

が10ずつ出し合ったら、分ち合うとは

言えませんよ!明らかに50の人はダメージが大きいですから、それを、どうして簡単に

分ち合うと言うんですか?」


未来は手話は、ちゃんとしていた。

会場からは、拍手が沸き起こる。

講演者は赤い顔で


「100を持っている人は、それなりに努力

して今、それを持っているんだから同じ

10ずつで、いいでしょう!」


「じゃあ、50の人は努力をして無いと

おっしゃるんですか?それは、おかしい

ですよ!みんなが努力していますよ!」


又、拍手が沸き起こる。


「もう!どうなってんだ?この手話の人は!」


関係者が走って来る。


「桜庭さん、何とか手話だけ、お願いします!」


「だって、おかしいじゃ無いですか!」


「ボランティア何で、何とか手話だけで

お願いします」


「分かりました」


そして講演は終わった。

マスコミが未来の所に、やって来る。


「未来さん、さすがですね!」


「未来さんの言う事は、合ってますよ!」


「あなた達、こんな所迄?暇なの?」


「いえ!忙しいですよ」


「じゃあ、早く仕事に行ってください

私は帰らないと」


「未来さん又、インタビューお願いしますね!」


「私は芸能人じゃ、有りませんよ!」


そう言って、未来は帰って行った。

この講演が、未来の人生を大きく変える事に

なるとは思いも、せずに。

見ていたメンバーは、全員が口を押さえて

いる。

目から涙が、溢れている。


「いいよ!笑えよ!」


「ハハハハ」


「ハハハハ」


「最高、未来ちゃんが言ってる事は正論

だよ!」


「恭介、未来ちゃんはタレントでは

勿体無いよ!政治家にしようぜ!」


「は?」


「あ~未来ちゃん位、上に物が言える人が

政治家には居るんだよ!」


「そうだよ!未来ちゃんを、オフィスに

呼んで俺達が話するから」


「あのな~政治家に何か、なったら誰が

家を守るんだよ!来夢と斗夢は、どうする

んだよ!」


「じゃあ恭介、政治家はみんなが独身か?

違うだろう?」


「そうだ、先に来夢と斗夢の意見を聞こう!」


「うん!そうしよう!」


もう恭介は、そっちのけで話が進んで

行った。

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