第34話相変わらずな未来

そして朝の、生放送に出演するヒューチャー

笑顔で堂々たる物だった。

未来は、テレビの前でタオルを、握り絞めて

見ていた。

立派になった息子達に、ポロポロ涙が溢れる。

ヒューチャーは、休憩も無いスケジュール

だった。

恭介が


「来夢、斗夢、大丈夫か?いけるか?」


「はい!大丈夫です!」


仕事場では、恭介はパパでは無かった。


(頼もしくなったな~)


と思う恭介。

付いて行く恭介の方が、体力の限界を感じて

いた。

メンバーが


「恭介、代わるよ!」


「あの2人なら、大丈夫だ!」


「わり~頼むわ!」


と、交代した。

そして、デビュー初日が終わった。


「来夢、斗夢、お疲れ~」


「お疲れ様です!」


「頑張ったな!」


「はい!」


「今日は、もう早く帰ってやれ、未来ちゃんが、待ってるだろう?」


「はい!」


恭介が


「わり~じゃあ、連れて帰るわ!お疲れ~」


「お疲れ~」


「お疲れ様です!失礼します!」


桜庭男子達は、未来の待つ家に帰った。


「ただいま。」


「お帰りなさい。」


「わ~!何?未来その顔は?」


もう泣き過ぎて、瞼が腫れ上がっていた。

来夢と斗夢も


「ママ、大丈夫?」


「大丈夫、ありがとう!テレビちゃんと

見たよ!凄かったね!来夢も斗夢も本当に

カッコ良かったよ!」


「ママ、ありがとう!」


「恭介さんも、お疲れ様!ご飯食べる

でしょう?」


「うん!」


「直ぐに、用意するからね!」


そして、家族での遅い、晩御飯になった。

みんなが、最高に美味しいと思いながら

食べていた。

最高の夜だった。


「じゃあ、明日も朝からだから、早く寝ろよ!」


「は~い、おやすみなさい」


「お~おやすみ」


「おやすみなさい」


来夢と斗夢は、直ぐに眠りに就いた。


「恭介さんも、疲れたでしょう?早く寝て」


「うん」


と、言っていると今朝の、桜庭家の朝の放送が流れた。


「未来、これは?」


「あ~今朝ね、恭介さん達が行った後に

来たの」


「来たのは、分かるけど、どうして

おにぎり?」


「今日ね、みなさん元気が無くて」


(いや、それは未来の、テンションが低く

かったからだろう?)


「だからね、私1人であんなに食べれ無いし

でも、食べるとみなさん元気に、なったのよ

お腹が空いてたのね?」


(は~何も分かって無いな?相変わらず!)


「そうだな、じゃあ寝るよ」


「はい、おやすみなさい」


「おやすみ」


恭介も疲れていたので、直ぐに眠りに就いた。

翌朝

さすがに、巨大おにぎりは無かった。

ホットする、桜庭男子達。

軽めの朝食を、済ませて仕事に行く、何時もの様に、見送る未来。

みんなが居なくなると、未来は寂しかった。


(そうだ!手話のボランティアを、増やして

貰おう!みんなが頑張ってるのに、私も

頑張らないと!)


恭介に言われた通り、家を守りながら手話の

ボランティア活動に、力を入れた。

ヒューチャーは、昨日のデビューが各社の

新聞紙の1面を、飾っていた。

注目度も実力も、言う事無しだった。

恭介は、朝オフィスに着くとメンバーに


「なぁ~昨日の未来の、朝のインタビュー

みんな見たの?」


「ハハハハ、見たよ!」


「でも、来夢と斗夢に影響すると、思って

黙ってたよ!」


「そうか、わり~な、何時も」


「いや、未来ちゃんは、あ~じゃ無くちゃ!」


「あれ未来ちゃんだから、リポーター達も

あんな大きな、おにぎり食べるんだぞ!

未来ちゃん、何か言ってたか?」


「みなさん、お腹が空いてたのねって

言ってたよ!」


「プハ~ハハハハ、さすがだね!」


「本当に、毎回やらかしてくれるね~」


「ギャラ払わないと!」


「だから、未来は芸人じゃ無いの!」


「残念だな~それが1番残念だ!」


「何を言ってんだよ!さぁ、今日も飛ばして

行くぞ!」


「お~行ってこい!」


そしてpeaceは、次のグループのプロデュースに、忙しかった。

帰って来た恭介に


「恭介、ヒューチャーは、もうマネージャー

付けないと!」


「そう、そう恭介、次のグループのプロデュースも、有るんだから!」


「そうだな、何時までも俺が付いて行く訳

にもいかないしな!しっかりしたマネージャーを、付けよう。」


メンバーが、ニヤニヤしている。


「みんな、どうした?」


「恭介、居るじゃん、最強のマネージャーが!」


その頃、未来は家でくしゃみを、していた。


(誰か私の事を、噂してるわね?)


「誰だよ?」


「未来ちゃん!」


「か~お前達、今迄、未来を見て来て、まだ

そんな事を言ってんの?未来は無理だよ!

来る仕事も、来なくなるぞ!」


「そうかな?いいと思うんだけどなぁ~」


「それに、来夢と斗夢が嫌がるよ!仕事迄

一緒って、未来の事だから、直ぐに口を

出すから、未来は今、手話のボランティアで

忙しいから絶対に無理!他を探すからな!」


「残念だな~」


「そんなに見たかったら、又オフィスに

連れて来るよ!オフィスは、まだ1度も

来て無いから」


「本当に?」


「それいいね!」


「何時?」


「まだ分からない、未来の都合も有るし」


「恭介、早めに頼むな!」


「お前達、どれだけ未来の事が、好きなんだよ!」


「まぁ、未来ちゃんに勝てる人は、そう

居ないな!」


「うん、本当に!」


「はい、はい分かりました、もう次のグループの、打ち合わせしようぜ!」


やっと仕事をするpeaceのメンバー。

一方、ヒューチャーは、順調に仕事を

こなしていた。

その間に、マネージャーの面接もしていた。


「この人、いいんじゃ無い?感じもソフト

だし、ハッキリと物も言うし」


「じゃあ決まりだな」


そして、ヒューチャーのマネージャーも

決まった。

未来はと言うと、手話のボランティアを

頑張っていた。

ボランティアの責任者に


「桜庭さん、今度テレビで生放送ですけど

手話をして欲しいんですけど、講師の先生の

講演を手話で、お願いしたいんですけど」


「私ですか?」


「もう桜庭さんは、この手話のボランティア

でも、ベテランなので、他には居ませんよ

お願いしますね」


「あ~はい」


この講演が、この先の未来の人生を変える

とは、本人はもちろん誰も、予想しなかった。


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