第33話泣き出す未来

そして来夢と斗夢の、デビューする日が

決まった。

1月23日に、ヒューチャーとして、デビュー

する。

衣装も出来て、準備はバッチリだった。

1週間は朝の生番組を、全局廻る。

昼は握手会、夜は歌番組と、スケジュールは

全部、埋まってしまっている。

人気も絶好調で、有った。

後は、本番で2人が、どれだけ力を出し切るか、後やはり年は若いけど、コメント力も

必要で有った。

デビュー前日、未来は豪華な料理を作っていた。

未来なりの、お祝いで有った。


「すっげ~」


「美味しそう!」


「来夢、斗夢やったな!」


「さぁ、食べて」


「いただきます!」


「美味しい~」


「ママ、美味しいよ!」


「明日からは、家でご飯を食べる時は、なかなか無いんだから、しっかり………」


桜庭男子達が、未来を見ると未来は、大粒の

涙を流している。


「どうしたんだよ?未来?2人のデビューは

未来の夢でも、有ったんだろう?来夢、斗夢

ティッシュ!」


「はい!」


恭介は未来の涙を拭いて、鼻をかませる。


「ママ、パパの前では、赤ちゃんだね?」


と、来夢と斗夢。


「ママは、赤ちゃんでいいもん!」


「だから未来、どうしたんだよ!」


「来夢と斗夢が、来夢と斗夢が遠くへ

行っちゃうみたいで……寂しいよ~

寂しいよ~」


「ママ!」


「未来、大丈夫だよ!来夢と斗夢は、どんなに人気者になっても、ずっと未来の大切な

子供達だよ!」


「そうだよママ!僕達はずっと、ママの子供だよ!帰って来れない日は、必ずラインを

するから!ね?」


「本当に?」


「うん!約束するよ!」


「うん、約束だよ!」


「よし!じゃあ、ご飯を食べよう!いただきます!」


「いただきます!」


(もう未来は、こういう所が、純粋で可愛いんだよな!)


やっぱり、未来に甘い恭介だった。

そして、デビュー当日の朝

リビングに行って、驚く恭介。


「未来、何してるの?」


「あっ、おはよう恭介さん」


「おはよう、何をやってるの?」


「信長様に、来夢と斗夢を守ってください

って、お願いしてたの」


(マジで~朝から?)


「あっ、そうなんだ」


来夢と斗夢が、起きて来た。


「パパ、ママおはようございます」


「あ~おはよう」


「おはよう、来夢、斗夢、さぁ、今朝は

しっかり食べて行くのよ!」


テーブルには、巨大おにぎりが沢山、作られていた。

桜庭男子達は


(これから、身体を動かすんだけどな~

食べないと落ち込むよな?)


そう思いながら、何とか1つは食べた。


「あれ?もういいの?」


「朝だから、軽めにしないとな!」


恭介が言うと、ホットする来夢と斗夢だった。


「来夢、斗夢、信長様にお願いしたから

もう何も恐く無いわよ!堂々と行ってらっしゃい!」


「ママ、ありがとう!」


(ママ、まだ信長様に頼ってるの?)


無言で目を合わせる、桜庭男子達。

そして、家を出る。


「じゃあ、未来行ってくるから」


「ママ、行ってきます!」


「行ってきます!」


「来夢、斗夢、頑張って!恭介さん、お願いします!」


「あ~任せとけ!未来、来夢と斗夢を信じろ!朝の生放送に出るから、歴史番組を

見るんじゃ無いぞ!」


「はい!ちゃんと見ます!行ってらっしゃい!」


3人を見送る未来。

何時もの、マスコミの人達が、やって来た。


「おはようございます、いよいよデビュー

ですね!」


「もう少し早く来てくれれば、3人共居たのに!」


「いえ、未来さんに会いに来たんですよ」


「私に?私は芸能人じゃ、有りませんよ!」


「それは知ってますよ、今のお気持ちをって

聞くと又、怒られるけど、今のお気持ちは?」


「大丈夫です!今朝、信長様にちゃんと

お願いしましたから!」


「信長様?」


「はい!」


未来は、満面の笑顔だった。


「未来さん、今迄、頑張りましたね!お子さん2人が、デュオで、デビューだなんて!」


「私は何もしてませんよ!頑張ったのは

恭介さんとpeaceのみなさんと、来夢と斗夢

ですよ!」


リポーター達が、ヒソヒソ話をし出した。


「何か、何時もの未来さんじゃ無いな?」


「そうね~毒舌が無いね!」


「迫力に欠けるね!」


「何か寂しいね!」


「あの~みなさん、どうされましたか?」


「いや、未来さんが何時もの未来さんと

何か違うなと、思って」


「私は一緒ですよ!毎日、桜庭未来ですよ!

ちゃんと昨日は寝ましたか?見えてます?」


「はぁ~私達は大丈夫ですよ!」


「その、私達は、は何ですか?私が大丈夫

じゃ無いみたいですよ、私も大丈夫ですから!」


「出て来た、出て来た、何時もの未来さんが!」


「やっぱり、未来さんは、そうじゃ無くちゃ!」


「何ですか?みなさん今日は、おかしいですよ!疲れてます?あっ!そうだ、ちょっと

待っててくださいね」


と言って、家の中に入る未来。


「何だろう?」


「どうしたんだろう?」


リポーター達が、ざわついていると未来が

トレーに、沢山の巨大おにぎりをのせて来た。


「はい!これどうぞ!食べてください!疲れが取れますよ」


「未来さん、この巨大おにぎりは?」


「来夢と斗夢に、食べさせようと頑張って

作ったんですけど、朝からは、そんなに

食べないって恭介さんに、言われてしまって

私、何も分かって無いから……」


「未来さん、落ち込まないで!こんなに

沢山1人で作って、未来さんが頑張ってるのを、ちゃんと見てくれてますよ!」


「未来さんの気持ちは、来夢君と斗夢君に

届いてますよ!」


「そうですよ!」


リポーター達に、慰められる未来。


「じゃあ、みんなで頂きましょう!」


「そうですね!」


「未来さん、頂きます!」


「美味しいですよ!」


「我々も、元気になります!」


「この後、ヒューチャーの取材を頑張って

行ってきます!」


「お願いします!」


リポーター達とも、長い付き合いで、すっかり、仲良くなってしまった未来。

その様子を、やっぱり見ているpeaceの

メンバー。


「朝から未来ちゃんは、何をしてるんだよ!

信長様にお願いしたり、おにぎり配ったり!」


「リポーター達も、あれ未来ちゃんだから

食べるんだろうな?」


「慰めてたもんな」


「でもpeaceに、お礼を言ったの初めてじゃ

無いか?」


「本当だ!ヤバイ雨が降るぞ!」


そこに、何も知らない恭介、来夢、斗夢が

到着する。

メンバーは思った。


(いいタイミングだ!あれを見たら来夢と

斗夢に影響するからな!)


「おはようございます!」


礼儀正しい、来夢と斗夢。


「はよ~」


と恭介。


「おはよう」


「来夢、斗夢、いよいよだな!お前達は

もう充分出来るんだから、緊張するだろうけど、朝からだから、元気良く行けよ!」


「はい!」


「恭介、じゃあ頼むぞ!」


「あいよ~」


「よ~し!ヒューチャー行って来い!」


「はい!」


来夢と斗夢は、大きな一歩を踏み出した。

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