第32話来夢、斗夢デビュー

翌日から、ヒューチャーの取り上げられ方は

凄かった。

それと同時に、ファンも増えて行った。

家に迄、押し掛けて来るファンもいた。

それが、厄介だった。

家には未来が、鬼よりも強い未来が居るからだった。


「来夢君と斗夢君は、居ますか?」


「貴方は来夢と斗夢の、友達ですか?」


「いえ、ファンです!」


「居ませんし、家には来ないでください!

それと、貴方の住所を教えてください。」


「どうしてですか?」


「私も、貴方を探しに家迄行きます、お父さん、お母さんは、どう思うでしょうかね?」


「すみません、帰ります」


「あっ!でもヒューチャーの応援は、お願いしますね」


ちゃっかりしている未来だった。

そんな事を、繰り返していると家にはファンの子は、来なくなった。

又、そんな、ある日マスコミの人に捕まる

未来。

目が合った瞬間に未来は、無言で口に

チャックを、仕草でしてみた。

すると、リポーターの人達も口にチャックの

仕草をしてくれた。

未来は、リポーター達の所に行き耳元で


「ヒューチャー応援してくださいね、私は

喋れ無いんで!」


笑うリポーター達。

すると、1人のリポーターが


「未来さん、もうマイクもVも止めますから

話をしてくださいよ!無言の未来さんは

未来さんじゃ無いですよ!」


「まぁ~じゃあ無言の時は、私は誰になるんですか?」


「いや、未来さんですけど…」


「でしょう?急に変な事を言うと、ビックリ

するじゃ無いですか、もう!」


「いや、多分ここに居る人達は、僕の言ってる事を、分かってくれてると思うんですけど」


「分かりますよ!」


「分かる、分かる」


「何ですか?貴方達みんなで、私に何か隠してるんですか?」


もう一同が爆笑。


「やっぱり、未来さんは、こうでなくちゃ!」


「ですよね~」


「だから私は私です!貴方達が、どうして

決めるのですか?」


「いや、決めてませんよ」


「だって今、こうでなくちゃって、言った

じゃ無いですか」


「何時もの未来さんで、いいって事ですよ」


「いいか、悪いかは恭介さんが決めるんです!貴方達じゃ有りません!」


もう、みんな笑い過ぎて、言葉が出ない。

でも何とか、1人のリポーターが


「ヒューチャーは、みんなで応援しますよ!」


急に態度が変わる未来。


「えっ!ありがとうございます!よろしく

お願いします!」


そう言って、家に入ってしまった。


「やっぱり、未来さんも親何だな?」


「でも子供さん達は、素直に育ってるよね?」


「それは、桜庭さんの影響かな?」


「だろうね!でも未来さんも、性格が正直過ぎるのと、感覚が少しズレてる位って

誉めて無いか?」


「ハハハハ」


「もう今日は帰ろう!違うスクープ狙おうよ!」


「そうだね!」


「でも未来さん、前みたいにテレビに出れば

絶対に売れるのにね?」


「多分、桜庭さんが反対してるんでしょう」


「それも、分かるな~」


このVと、マイクは切れて無かった。

全部が放送されていた。

それを、今はオフィスで見ているpeaceの

メンバー。

もう恭介は、冷えピタで頭を冷やしている。

メンバーは、笑いを堪えていた。


「いいよ!辛抱しなくても笑えよ!」


「ハハハハ」


「ハハハハ」


「もう本当に、未来ちゃん最高!」


「誰が、コントロール出来るんだろう?」


「でも聞いてたら、恭介の事は、ちゃんと

聞いて、守ろうとしてたよな?」


「だから、その守り方が、変だから困るんだよ!言ったっけ?」


「何を?」


「来夢と斗夢のファンの子が、家に来た件」


「聞いて無いよ!」


そして恭介は、その時の事をメンバーに話

した。


「もう~恭介、本当にお腹が痛いよ!」


「無理、無理、苦しい」


「あのリポーターが、言う様にやっぱり

未来ちゃんは、テレビに出すべきだよ!」


「駄目、絶対に駄目!来夢と斗夢が嫌がってるから!」


「そうなの?」


「うん、もう、だいぶ前から」


「それは駄目だな~勿体無いな~」


「あんな逸材を!」


「警備員に捕まる様な人を、テレビに出して

どうするんだよ!俺は出来たら、家から

一歩も出て欲しく無いんだよ!」


「多分、買い物とかに行っても、あんな事を

言ってるんだろうな?」


「店のレジの人が可哀想だな~」


「でも今は、殆どが機械だから、まだマシかもね!」


「そういう問題か?」


メンバー全員が、首を横に振る。

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