第31話peaceラストコンサート

そして、ラストコンサートの幕が上がる。


「キャ~」


「キャ~」


「恭介~」


「裕平~」


「蒼一~」


「里志~」


「芳樹~」


その声援に、混じって


「来夢~」


「斗夢~」


の声援も有った。

恭介も、メンバーも嬉しかった。


「みんな、今日はラストだ!最高に盛り上がろうぜ!」


「キャ~」


何時もより、みんな、なお力が入る。

メンバーの胸には、20年間の色々な思いが

込み上げて来る。

ここ迄、来れたのはファンの、お陰だと

ヒシヒシ感じるので有った。

そして、来夢と斗夢がステージに立つ。


「来夢~」


「斗夢~」


の声援。

手を振る、余裕の出来た2人。

見ているメンバーも、頼もしく思う。

そしてpeaceは、ラストを歌い上げた。


「え~みなさん、今迄、本当に沢山の声援と

応援ありがとうございます!俺達peaceは

解散する訳では、有りません!まぁ、20年やって来ると、体力的にもキツくなったり

すっかり、おじさんになりました!それで

来年からはpeaceの様な、グループを

プロデュースして、みなさんの前にお届け

しようと思います!その第1発目が来夢、

斗夢~」


呼ばれる2人。


「キャ~」


の声援。


「みなさん、ご存じと思いますが、来夢と

斗夢は、この恭介の息子です、だから

選んだ訳では有りません!来夢は小学1年生から、もう8年間、斗夢は6年間1日も休まずに、やって来ました!後ダンスパフォーマンスや、歌唱力も言う事無しで、俺達全員で

決めました!この2人を、デュオでデビュー

させます!名前はFUTURE(ヒューチャー

未来)です!」


「キャ~」


「キャ~」


すると、会場がざわつき出した。

ファンに混ざって、応援していた未来が

号泣していた。

ファンの人達も、未来を知っているので

タオル、ハンカチと渡してくれる。

メンバーは、又もや大爆笑。


「最後迄、未来ちゃんに持って行かれるな?」


「さぁ、みなさん、このヒューチャー来夢と

斗夢は年明けに、デビューしますので応援を

よろしくお願いします!では本人達に一言

お願いしましょう!」


「え~来夢です、デビューの話は今聞いたので、まだピンと来てません、でも僕達は

peaceの様な、ファンに愛されるアイドルに

なります!よろしくお願いします!」


「斗夢です、僕も兄の来夢と一緒にpeaceの

様な、アイドルになります!よろしくお願いします!」


「頑張って~」


「応援するからね~」


「キャ~」


沢山の声援を、貰った2人は嬉しそうだった。


「じゃあ、みなさん又、いつかどこかで

会いましょう!peaceは、永遠です!」


幕が降りる。

なかなか、なりやまないアンコール。

peaceは、2曲歌って、本当のラストに

なった。

終わって楽屋に戻るpeaceと来夢と斗夢。

全員が


「未来ちゃん、どうなったかな?」


「さぁ~いいよ!未来は、本当に最後の

最後迄!」


心配は要らない、未来は警備員に捕まって

いた。

暫くすると、楽屋のドアをコンコンとノック

する音。


「マネージャーかな?はい!」


「東実警備の者ですが」


「警備員?何だ?」


「はい?」


ドアを開ける裕平。

そこには、未来がいた。


「あの、この人がステージに上がろうとして

捕まえたら、桜庭さんの奥さんだと、ひつこく、おっしゃるんですが分からないので

確認して頂こうと思いまして、連れて来ました!」


「恭介~」


「あいよ~」


その光景を見た恭介は、固まった。


「すみません!ご迷惑をお掛けしました!」


「いえ、間違い無いので有れば、では

失礼致します!」


全員が大爆笑してる中、未来は恭介に

怒られていた。


「会場で大声で泣いて、ファンの人に迷惑を

掛けて、挙げ句ステージに上がろうとして

警備員に捕まるって、何してんだよ!絶対に

その姿はユーチューブとかで、流されるからな、俺は知らないぞ!」


「だって!来夢と斗夢がデビューするなんて

恭介さん教えてくれないし!名前がヒューチャー(未来)だなんて、私こんなに感動した

事は、今日が初めてで!」


「未来?結婚式の時は?」


(ありゃ?恭介、話がズレてるぞ!)


「あの時も、感動しましたけど、今日の

感動は言葉に出来ません!」


「言葉に出来ないから、態度で表したのか!

バカ~」


「ごめんなさい」


「まぁ、恭介、許してあげろよ」


「みんな、未来に甘いんだよ!」


「いや、恭介お前が、一番甘いと思うぜ!」


「そうかな?」


「うん、うん」


「じゃあ、未来許してあげるから、今日

帰ったら反省文を書けよ!」


「え~」


「え~じゃ無い!」


「ハハハハ」


そんな2人を見ても、笑ってしまうメンバー。

ただ来夢と斗夢は、固まったままだった。

こうしてpeaceの、アイドル生活は幕を

閉じた。

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