第30話メンバーを、家に招待

翌日夕方、メンバーがやって来る。


「未来ちゃん、お邪魔します」


「はい、これ、お土産」


「お土産?」


「未来ちゃんの、大好きなプリンだよ!」


「ありがとうございます!」


(おい、おい未来、声のトーンが上がってるよ!)


「さぁ、どうぞ、どうぞ」


「恭介、悪いな!あれ?来夢と斗夢は?」


「もう帰って来ると思うよ」


「ただいま~」


「みなさん、来てるわよ」


「裕平さん、蒼一さん、里志さん、芳樹さん

こんにちは!」


「今、帰りか?」


「はい!」


「来夢、斗夢、早く手を洗って、うがいして

一緒に食べるぞ」


「は~い」


「来夢、斗夢、学校は楽しいか?」


「はい!」


「ステージと、どっちが楽しい?」


「どっちも!」


「ハハハハ、正直だな、未来ちゃんに

似たか?」


「それは、良い意味ですか?」


「未来ちゃん、そりゃもちろん!」


「でも、もう恭介と未来ちゃん、結婚して

何年になるんだ?」


「16年かな?」


「最初の印象が、強烈過ぎてな~」


「うん!凄かったよな!」


「あの~みなさん、私をあてに飲まないで

くださいね」


「だって、未来ちゃん、初めてスタジオに

来た時に、プリンがプリンがって言って

全然、俺達を見ないもんな!」


「あれには正直、やられたね!」


「でも、来夢と斗夢が出来て、本当に俺達も

嬉しいよ!」


「そんな私達の事で、ありがとうございます」


そしてメンバーは、今頃リビングの戦国武将

織田信長に、気が付いた。

恭介に、ヒソヒソと


「あれか?例の織田信長は?」


「あ~絶対に、外さないんだよ!」


「あれは、インパクトがキツイわ!」


「そこ、何をコソコソと!」


「あっ、いや未来ちゃん、あの壁に貼って

あるのは?」


「私の憧れの、織田信長様ですが、何か?」


「あっ、いや~部屋の雰囲気に、合って無いなと思って」


「何を言ってるんですか!信長様が、あそこで見守って下さるから、我が家は平和なんですよ!」


そこに居た、未来以外の全員が


(桜庭男子の辛抱だよな!)


そう思ったが、誰も口には出さなかった。


「あ~美味しかった!」


「まだ飲むか?」


「そうだな!もう少し飲んで、話しようぜ」


「そう、俺達のこれからの事とかも」


「そうだな」


「恭介は、この先をどう思ってる?」


「年齢的に、俺達もダンスパフォーマンスも

キツくなって来てるからな!コンサートなら

いいけど、ツアーになると、体力がもたないな!」


「それは同感」


「他の研修生も、育って来てるし、俺達は

本格的にプロデュースする方にまわったら

どうかな?」


「そうだな!新しい世代の子達を、育てて

行こうぜ!」


「となると、一応は記者会見しないとな?」


「そうだな、そこは、ちゃんとしとかないと

いけないな」


未来は今、来夢と斗夢の、お風呂の世話で

居ないので、ゆっくり話が出来る。


「じゃあ、その方向で行くぞ!」


「あいよ~」


そして、暫く雑談をして帰るメンバー。

未来が、見送りに来た。


「みなさん、又、来てくださいね」


「未来ちゃん?俺達?それとも、プリン?」


「フフフ、どちらもですよ」


「ハハハハ、分かったよ!ご馳走様でした、

じゃあ恭介、又、明日な!」


「お~」


「あっ、裕平さん、蒼一さん、里志さん

芳樹さん、さようなら。」


「お~来夢、斗夢、又、明日な!」


「はい!」


メンバーは帰って行った。

そして、記者会見を行うpeaceだった。


「じゃあ、今後はブロデュースの方にまわる

と、言う事ですか?」


「はい、年内一杯は活動して後は、そうなります、ですから、その期間はコンサートを

沢山して、ファンのみなさんに感謝を伝えたいですね」


「桜庭さん、奥様は何か?」


みんなが笑う。


「いえ、これはpeaceの事なんで、これからも、よろしくお願いします」


記者会見が終わった楽屋で


「どうして未来が、出て来るんだよ!」


「恭介、諦めろ!」


「そうだよ!あ~やって聞いて来るって事は

未来ちゃんは、マスコミに好かれてるんだよ」


「そうかな?」


そしてpeaceは、精力的にコンサートを

開いた。

来夢と斗夢も、ステージに立つので大忙しだった。

そして2人の、知名度も、グングン上がって

いた。

年末peaceの、ラストコンサートの前日に

リーダーの裕平が


「明日で1度、peaceは終わりだ、でも

俺達はずっと一緒だからな!peaceの様な

グループを作り上げて、世の中に送り出そうぜ!恭介、その第1発目に来夢と斗夢のデュオをデビューさせるから!」


「えっ!みんな、何時の間に!」


「名前はFUTURE(未来)だ!」


「みんな、ありがとう!」


「恭介の子供だからじゃ無いぞ!あの2人の

頑張りを見て来たからな、明日のラスト

コンサートで発表するからな、未来ちゃんも

招待しとけよ!」


「恭介、明日迄は未来ちゃんにも、来夢と

斗夢にも、内緒だぞ!」


「お~ありがとうな!」


そして家で、恭介が


「未来、明日はpeaceのラストコンサート

だから、見においで」


「恭介さん!行っていいんですか?」


「あ~ラストだからな」


「はい!うちわを、持って行きます!」


「うちわ?」


恭介、来夢、斗夢の名前入りの、うちわを

持って来た。


(最初から来る気だったな?本当に怖いよ!)


コンサート当日


「恭介さん、来夢、斗夢、行ってらっしゃい!これがパパの、最後の戦よ!来夢、斗夢

負けない様に、戦うのよ!」


「はい、行って来ます」


スルーする、桜庭男子達。

そして、車の中で


「パパ、ママは、どこであの変なスイッチが

入るの?」


「パパが聞きたいよ!ハハハハ」



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