第28話来夢の夢

「ただいま~」


「ただいま~」


「おかえりなさい、来夢、少し話が有るから、リビングに来て!」


「はい」


(ギクッ!怖いよ~何だろう?)


来夢は、恐る恐るリビングに行く。


「来夢、そこに座って」


「はい」


「来夢は、中学校は、どうしたい?」


「僕は、今の友達と同じ、中学校に行くよ!

レッスンも、ちゃんとしたいし!」


「進学校とかは、行かないの?」


「進学校何かに、行ったら勉強ばっかりに

なっちゃうよ!僕は将来、パパみたいな

スターになりたいんだ!」


「そうなの? パパみたいな……分かったわ

来夢が、そう言うならママが全力で、応援

するからね!」


「えっ!いいの?ママ?」


「当たり前でしょう、来夢がする事なんだから、来夢が、そう決めてるなら、それが

正解でしょう!ママは応援するよ!」


「ありがとう!ママ!」


未来のマネージメント魂に、この時火が付いてしまった。


(来夢は、ちゃんと自分で、目標を持って

やってたんだ~まだまだ子供だと思ってたのに、偉いな~そうと決まれば、恭介さんを

使わなくちゃ、電話しよう!)


スタジオ


「恭介~携帯が鳴ってるぞ~」


「え~わりい~レッスン中に!又、未来からだ!」


「お~い、みんな今の間に、休憩しようぜ!」


「おい~す!」


みんな休憩を、しながら恭介の方に興味津々だった。


「もしもし、何?………どうしたんだよ

急に………はぁ?スターにしろって?」


又、メンバーは口にした飲み物を、吹き出す。


「あのな~未来!俺がスターにするんじゃ

無いの!それは、ファンの人達がしてくれる事なの!……プロデュースったって、今は

まだ小学6年生だから、まだ早いよ!後3年は、レッスンをしっかりして、出来たとしても、それからだよ!とりあえず考えるから

じゃあな!」


「恭介、未来ちゃん今度は、何だって?」


「今度は来夢を、スターにしろだってさ!」


「ハハハハ、相変わらず次から次へと

やるね~未来ちゃんは」


「でも未来ちゃんの場合は、それが素だから怖いんだよな~」


「恭介、でも来夢と斗夢なら、後3年頑張ったら、グループじゃ無くて、2人でユニット

何か組んで、デビューさせても面白いん

じゃ無いか?」


「そうそう!2人共ダンスも、いけるし

歌唱力も問題無いから、ちょっと3年計画で

真剣にやろうぜ!」


「そうか?」


「今から準備だよ!」


「ユニット名は、どうする?」


「そりゃ~信長様だろう」


「おい!みんな遊んでるだろ!」


「ユニット名だけは冗談、それ以外は

マジだよ!」


「そうか?来夢は、やる気が有るけど

斗夢がな?」


「斗夢も来夢が、しだしたら付いてするぞ!

絶対に!」


「でも斗夢は、性格が未来に、そっくりだからな~」


「恭介パパ、腕の見せ所ですな?」


「お~頑張るよ!」


家に帰った恭介は、未来から今日の来夢の

話を聞いた。


「そうか?パパみたいなスターか、何だか

嬉しいな!」


「でしょう?だから、恭介さん力を貸して!

私が、マネージャーになるから!」


「いや未来、未来はマネージャーは止めた

方がいい!家を守ってくれないと!」


「どうしてですか?」


「子供達が疲れた時に、安らげる場所が

入るだろう?」


「あっ!それも、そうですね」


(フ~危ない!未来がマネージャー何か

したら仕事が、来ないよ!それに嫌なやつは

絶対に断るだろうし、危ない!危ない!)


「ところで未来、もう直ぐpeaceのツアーが

始まるから、来夢と斗夢を連れて行くから!」


「どうぞ、どうぞ、ご自由に!」


(未来は極端何だよ!前なら怒って たくせに!)


「来夢~斗夢~ちょっと、おいで」


「何?パパ?」


「どうしたの?」


「今度peaceのツアーが、始まったら2人

にも出て貰うからな!その時は小学生でも

俺の息子でも無いからな!プロだからな!

甘やかさないぞ!気合い入れて行けよ

分かったか?明日メンバーには、言うから」


「はい!」


「はい!」


翌日スタジオ


「おはよう」


「はよ~」


「なぁ、みんな今度のツアーに来夢と斗夢を

出したいんだけど?」


「おや、おや、やっぱり恭介は未来ちゃんに

甘いね~」


「O.K.」


「じゃあさ、少し来夢と斗夢の時間を作ろうよ!」


「2人に、ダンスパフォーマンスと歌を1曲

歌って貰おうぜ!」


「それいいね!絶対に盛り上がるぞ!」


「よし、じゃあ、それで行きますか?」


「ラジャー」


「みんな、ありがとう」


そして、来夢も斗夢も、合同でレッスンを

する。

厳しいレッスンだが、来夢も斗夢も弱音を

吐かずに付いて来る。

そんな2人を見て、メンバーは


「さすが、桜庭チルドレンだなぁ!」


と感心していた。

家に帰ると、グッタリの2人。

そんな、子供達を見て恭介は


(だよな?頑張れ!)


そう思っていた。

ただ未来が


「恭介さん!子供達に一体、何をしたん

ですか?」


1人キレている。


「人聞きの悪い!スターになる為の試練

だよ!」


「試練ですか?何時の時代にも、試練は

付き物です!信長様にも、沢山の試練が

有りましたから、分かりました、私は

美味しい料理を、直ぐに持って来ます!」


(未だに、未来のスイッチが分からないん

だよな?)


「さぁ、来夢、斗夢しっかり食べなさい」


「いただきます」


「ママ、美味しいよ~」


「生き返る~」


「もう、大袈裟ね」


そして、ツアーが始まる。


「じゃあ、未来暫く、家を空けるから頼むぞ」


「ママ行ってきます!」


「行ってきます!」


「来夢、斗夢。沢山のお客様の前でも、決して怯んじゃ駄目ですよ!これは戦ですから

下がった方が負け何ですよ!分かりましたか?」


来夢と斗夢は、内心


(はぁ?)


と思ったが、未来の事が分かっているので


「はい!」


と、返事をした。


「行ってらっしゃい!死ぬ気で戦うのよ!」


車の中


「ねぇ?パパ?ママって、たまに変になる

よね?」


(たまに?ほとんどだよ!)


「あ~そうだな、まぁ、あれでも一生懸命

だから放っとこう」


「うん」


そして、ツアーが始まる。

恭介は再度、来夢と斗夢に


「来夢、斗夢ステージに立つ以上は、お前達はプロだからな!自覚を持って、ファンの人を喜ばせるんだぞ!」


「はい!」


来夢と斗夢の顔が、変わった。

さすが恭介と未来の子供だけに、度胸が有る。

ステージを楽しくこなし、下がって来た。

メンバーも


「良かったぞ!」


と声を掛ける。

そして又、peaceがステージに立つ。

その姿を見て、来夢が


「なぁ~斗夢、パパって本当に凄いよな!

あ~なりたいよな!」


「うん!お兄ちゃん僕も、パパみたいに

なりたいよ!」


「斗夢、これからレッスンを、もっと頑張ろうぜ!」


「お~!」


そして、その日のコンサートは終わった。

メンバー全員に


「お疲れ様です!」


と、大きな声の来夢と斗夢。

メンバーが


「来夢、斗夢、良かったぞ!その調子で

頑張れよ!」


「はい!ありがとうございます!」


返事をする2人を見て、恭介は子供達の変化

に気付いていた。

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