第27話親バカ未来

「じゃあ、俺は行ってくるから!」


スタジオに行く恭介。

スタジオに入ると、メンバーが


「恭介、昨日は大丈夫だったか?あれから?」


「昨日は大丈夫だったけど、今朝からが

大変だったよ!」


恭介は昨日の車の中の話と、今朝の話を

メンバーにした。

すると


「うわ~来夢と斗夢、可哀想!」


「もう、俺達の養子にしようか?」


「何を言ってんだよ!そんな事をしたら

未来が毎日、ストーカーの様に家に来るぞ!」


「怖い~止めとくわ!」


「うん、未来ちゃんなら、それ位はするな!」


「でも、恭介どうするんだよ!」


「う~ん、相手が未来だからな~」


「うん、うん、分かるよ!」


「でも恭介、来夢と斗夢が大きくなって

どうしても自分のしたい事が、出来たら

さすがの未来ちゃんでも、変わるだろう?」


「そうかな?まぁ、この変にして、レッスン

しようぜ!コンサートを控えてるしな!」


「よ~し!やるか!」


「あいよ~」


気合いの入った、レッスンが終わりメンバーと、雑談をしていたら、恭介の携帯が鳴った。


「恭介、携帯鳴ってるよ」


「お~わり~未来からだ、珍しいな?

もしもし?」


「きょっ、きょっ、恭介さん!来夢が……」


「未来どうした?来夢が、どうしたんだよ!」


聞いて居た、メンバーにも緊張が走る。


「おい!未来しっかりしろ!来夢がどうしたんだよ!」


「恭介さん、来夢が女の子と、手を繋いで

歩いてるの!どうしよう?」


「バカ~~~!」


「恭介さん?」


「ビックリするだろう!もう来夢も小学3年生なんだから、女の子と手位は繋いで歩くよ!」


メンバーは、口に含んでいた、飲み物を吹き出す。


「で、未来、今は何してるの?……はぁ?止めろ!どうして後をつけるんだよ!ほっといてやれ!他の人から見たら、未来お前は児童を狙う誘拐犯だぞ!とにかく家に帰れ、もう

斗夢が帰って来るだろう?じゃあな!」


恭介が携帯を、切った途端に大爆笑。


「恭介、悪いけど、詳しく説明してくれ」


「だから、来夢が女の子と手を繋いで、歩いてるのを見て、パニックになって今、2人の

後をつけてるって言うから、家に帰れって言ったんだよ」


「ハハハハ、もう未来ちゃん、最高!」


「何が最高だよ!この先が思いやられるよ」


「だよな~彼女なんか連れて来たら、絶対に

彼女は泣かされるよな!」


「うん!あいつは、どんな小学生だったんだろう?って無理か、信長様命だから、どうせ

家で歴史の本ばっかり、読んでたんだろうな

そんな人に、理解しろって無理だよな~

どうしたら、いいと思う?」


メンバー全員が、首を横に振る。


「ヒドイよ~」


嘆く恭介。


「まぁ、今日はもう帰るわ、恐ろしいけど

来夢が心配だからな~」


「恭介、生きて明日も、会おうな!」


「ファイト!」


手を挙げて、帰る恭介。

家に着くと、恐る恐るドアを開ける。

部屋に行くと、来夢が正座をしていた。

斗夢は、遊んでいる。

恭介は


「未来、何で来夢は、正座をしてるの?」


「何で?恭介さん!小学3年生で、女の子と

手を繋いで歩くなんて、あり得ません!」


「あのな~未来、手を繋いで歩く位は、小学3年生にもなれば、みんな、してるよ!」


「みんな、してるよ?」


(ヤバい!スイッチ入れちゃったよ!)


「恭介さん!みんながしてたら、してもいいんですか?」


「いや、それは又、違う意味であって」


「どういう意味ですか?ちゃんと言ってください!子育てをするのに、ぶれては困ります!」


「じゃあ、未来は何歳だったら、手を繋いで

歩いていいの?」


「それは、成人になってからです!」


「未来、そんな事は有り得ないから、小学3年生でも、好きな子が出来たり、未来は小学3年生の時、信長様はどうだった?」


「そりゃ~好きでしたよ!」


「その気持ちと、一緒なんだよ!未来と

相手が違うだけなの、分かる?」


「そうやって、言ってくれれば分かります」


「じゃあ、来夢の正座を、止めさせてあげな!」


「来夢、もういいよ」


来夢が恭介の所へ、走って行く。

小さな声で


「パパ、ありがとう!」


恭介と来夢は、お互いに親指を立てて、合図した。

斗夢は、意味が分からずに、じ~っと見ていた。

少し未来が、落ち込んでる様なので


「未来、ちょっと下の、コンビニに行ってくるから、来夢、斗夢行くぞ!」


「は~い」


「パパ、どうしたの?」


「ママが、しょんぼりしてるから、来夢

ママは多分、来夢が取られそうで、寂しかったんだと思うよ、ママは来夢と斗夢の事が、大好きだからな!許してあげろよ、ママの

好きなプリンを、買ってあげよう!」


「うん!」


「うん!」


そして


「ただいま~」


来夢と斗夢が


「ママ~プリン買って来たよ!」


「えっ!本当に?ありがとう、来夢、斗夢、恭介さん」


未来の顔が、笑顔になった。

けど恭介は


(これから先、こんな事を何回、繰り返すんだろう?あ~恐ろしい!)


と、思っていた。


翌日スタジオで、メンバーが集まって来る。


「恭介、来夢は無事か?」


「あ~何とかな!帰ったら正座してたよ!

手を繋いで歩くのは、成人になってからだって言い出すし!」


「で、恭介どうしたんだよ。」


「信長様を出したら、観念してくれたけど

落ち込んでるから、来夢と斗夢とでプリンを買ってあげたら、元気になったよ!」


「恭介、信長様とプリンに感謝だな!」


「あ~未来は大人だけど、1番子供だからな~」


「そこが、未来ちゃんのいい所だよ!」


「ありがとうな!さぁ、今日も頑張りますか?」


「あいよ~」


子供の成長は、本当に早い。

来夢が小学6年生、斗夢が小学4年生に

なった。

その間、桜庭家に何も、無い訳が無い。

未来の目を、掻い潜りながら恭介、来夢、斗夢は生きていた。

来夢は、小学6年生なので、修学旅行が有った。

それに、中学校の進学問題も有った。

恭介は、既に頭が痛い。


「ねぇ、恭介さん来夢は、進学校に行かすべきじゃ無い?」


「あのな~未来、今もレッスンしながら学校に行くだけでも、大変なんだぞ!進学校に入学させるなら、研修生を止めないといけないかも、知れないぞ!それでも、いいの?それに、どうしたいか来夢には聞いたの?」


「いえ、まだです」


「来夢に先に、聞かないと、学校に行くのは

俺でも未来でも無い、来夢なんだから!」


「そうですね!来夢に聞いてみます」


(未来の聞くは、脅迫に近いからな~

来夢、頑張れ!)






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