第26話来夢、斗夢が研修生

peaceの、メンバーは来夢と斗夢を歓迎してくれた。

厳しいダンスと、歌のレッスンをするが

さすが恭介の息子達で、素質が有った。


「来夢~斗夢~行くぞ!」


「は~い!」


「恭介さん待って!私も行くから!」


「どうして未来が?」


「私だって、来夢と斗夢のレッスンを

見たいじゃ無いですか!」


「え~!ママ、来るの?」


と、来夢と斗夢。


「何よ!ママが行ったら、駄目なの?」


「だって!ママうるさいから!」


「私は、何時も静かです!さぁ、行くわよ!」


そう言って、真っ先に車に乗り込む未来に

桜庭家の男子達は、無言で顔を見合わせる。

スタジオに着くと、メンバーは久しぶりの

未来に大喜びだった。


「あれ?未来ちゃん、元気だった?」


「久しぶりだね~」


「最近は静かに、なったから寂しかったよ!」


(家では、相変わらず、うるさいんだよ!)


と、思う桜庭家の男子達。


「あの~1度に、みなさん言わないで

ください!それに静かになったって

どういう事ですか?私は、ずっと静かですよ!」


(ヤバい!やっちまった!)


「あっ、いやテレビとかに、出なくなったからだよ」


「そういう事ですか、今日は来夢と斗夢の

レッスンを見せて、頂きます」


「どうぞ、どうぞ、大歓迎だよ!」


(本当に、うちのメンバーは未来に飼い慣らされてるな!)


恭介は思う。

そして、研修生が全員、揃ったので

レッスンが始まった。

小学1年生の斗夢から20歳の子達迄居る。

みんな、必死にレッスンをする。


(みんな凄いな~恭介さんも、こんな厳しい

レッスンをして、今が有るんだね、もっと

大切にしよう!)


未来は、そう思っていた。

そこに恭介が、やって来た。


「未来どう?見てみて」


「こんな中で、来夢も斗夢も頑張ってやって

るね!それに恭介さんの事を、又、見直しましたよ!」


「そうか?」


(うそ~)


そんな言葉でも、嬉しい恭介だった。


「ねぇ、恭介さん、帰りにご褒美に何処か

ご飯に連れて行ってあげましょうよ」


「未来!大きな声で言うな!」


「どうして?」


「絶対メンバーが、付いてくるから!」


「良いじゃない、みんなで行きましょうよ!」


(駄目だ、未来これは絶対に言うな!)


諦める恭介。

研修生が帰ると、未来が


「みなさん、ご飯を食べに行きましょうよ!」


「お~未来ちゃん、待ってました!」


「行ったら、何かやってね!」


「何をですか?」


「まぁ、行けば分かるよ!」


そう、まだ自覚の無い未来には、何の事だか

分からなかった。

店に入ると


「いらっしゃいませ~8名様ですか?」


「9名に見えますか?」


行ったそうそうに、やらかす未来。

今日は来夢と斗夢に、合わせてファミリー

レストランにした。

すると、店員達がざわつく。

国民的アイドルのpeaceが、来たのだから

当たり前の光景だった。

みんなは、もちろん未来の事も承知していた。

みんな、未来に何か言われると思い、必要最低限しか、しゃべらない。


「この店の人達って、愛想が無いわね?

どうしたのかしら?」


そこに居た全員が


(未来、あんたの口が、怖いんだよ!)


そう思ったが、決して口には誰もしなかった。

すると未来が


「貴方達は、どうして何もしゃべらないの?

お店の決まりなの?それなら会社に言わないとね!貴方達もしんどいでしょう?」


「いえ、会社の決まりでは有りません」


「じゃあ、どうして?」


「失礼が有ると、いけないので」


「失礼な事を言わなきゃ、良いじゃないの!」


全員が


(店員さんの言ってる事、分かる、分かる。)


「はい、かしこまりました」


そして料理が、運ばれて来る。


「お子様ランチの、お客様は?」


「それは、聞かなくても分かるでしょう!」


「すみません」


そして来夢と斗夢に、恐る恐る渡す店員さん。


「私達が、お子様ランチを食べると、思ったのかしら?変わってるわね?」


全員が


(未来ちゃん、あんたには負けてるよ!)


でも、やっぱり口には出さない。

そして、食事が終わると、デザートが

運ばれて来た。

店員さんは、プリンを斗夢に渡そうとした。


「それは私のプリンです!何を勝手に!」


プリンになると、人が変わる未来だった。


「すみません」


全員


(あの子、もう泣くぞ!)


そんな事は、分からない未来は


「でも、やっぱりデビューするのって、難しいんですね?来夢と斗夢は、どうですか?」


「う~ん、デビューしようと思ったら

14、15歳位になるだろうね!男の子は

声変わりも有るし、だから最初は、peaceの

バックで、踊ってファンを付けて行くのが

いいかな?」


「まぁ~そんなに?」


「でも恭介の、才能を受け継いでるから

来夢も斗夢も、デビューしたら売れるよ!

安心して、未来ちゃん」


「あの~私が、産んだんですけど、恭介さん

1人の子供みたいに!」


全員


(やっちまった~)


「よし!今日は、これでお開きにしようぜ!」


恭介が切り出す。

メンバーは


(やれ、やれ~)


「お疲れ~」


「おう、お疲れ~」


「お疲れ様です」


礼儀正しい、来夢と斗夢だった。

家に帰る、桜庭ファミリー。

子供達は、少し走ると、ウトウト寝ている。

すると未来が


「恭介さん、アイドルって、やっぱり

そんなに良いんですか?」


「未来、未来は俺の24時間テレビの手話を

見て、手話を習いに行ったんだろう?人に

影響を与えられる仕事って、そんなに無いと

思うよ!」


「そうですね!あの時は、感動しましたから、来夢と斗夢にも、そんな人間になって

欲しいな!」


「そうだな!」


(うん?どうした?今日の未来は、良い

お母さんになってるぞ、何時もこれ位なら

心配が無いんだけどな?)


家に着いて、みんな眠りにつく。

翌朝


「来夢、斗夢、人に影響を与えられる様な

人間になるのよ!」


「パパ~ママが、変な事言ってるよ~」


(昨日の延長だな?参ったな~)


「未来、まだ2人には早いよ!」


「い~え!恭介さん、何でも早い方が

いいんです!来夢、斗夢分かりましたか?」


「は~い!」


返事はするが、分からない来夢と斗夢。


(絶対に分かって無いな!)


と、思う恭介だった。


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