第22話未来、テレビ出演のオファー

翌日

何時もと変わり無く、子供達を保育園に

送って戻る未来。

恭介は、今日は昼から仕事なので、家に

居た。

すると、電話が鳴った。


「はい、もしもし桜庭ですが…はい、私ですけど………」


と、未来が電話で、話をしている。


「だから、どうして私が………」


何時もの、未来が出ている。

少しして、電話は終わった。


「どうした?」


「プロデューサーさんが、テレビに出て

くれって、恭介さんに言っても、断れるから

電話して来たって、私を待っている視聴者の

為にも、出て欲しいって」


「で、どうするの?」


「待っててくれる人が、居るなら出ないと

いけないかな?」


「気にしなくても、いいんじゃない?」


(マジ?ヤバイよ!)


「う~ん、まぁ1度、プロデューサーさんに

会ってみるよ」


「うん」


仕事に行く恭介。

スタジオで、メンバーに


「プロデューサーから、電話が有って

未来、テレビに出るかも知れない」


「やったぜ~」


「久しぶりに、未来節が聞けるな~」


「今から楽しみだぜ!」


「恭介、反対するなよ!」


「何でだよ!」


「俺達の楽しみを、奪うんじゃないよ!」


「未来は、おもちゃか?」


「まぁ、おもちゃは静かだけどね!」


笑うメンバー。

頭を抱える、恭介。

その頃、未来は


「あ~桜庭さん、よく来てくれましたね!」


「お久しぶりです」


「2人目を出産されても、相変わらず

美しいですね~」


「そんな事は、無いですよ」


(やった~)


「で、何のテレビに、出るんですか?」


「今回は、バラエティーは、どうかなと

思いまして。」


「バラエティーですか?私は芸人でも、何でも無いですよ」


「ハハハ、分かってますよ、アイドルや、芸人、タレントとゲーム形式で、戦って貰うん

ですよ、どうですか?」


「は~あ」


「視聴者の為、それに、旦那さんの為ですよ」


「恭介さんですか?」


「そう!桜庭さんは、何時もファンの為に

頑張ってるでしょう?だから奥さんも、待っている視聴者の為に、頑張りましょう!」


未来は、思わず


「はい!」


と、返事していた。

その夜


「恭介さん、私テレビに出るから、バラエティーだって」


「バラエティー?未来、何するの?」


「何か、ゲーム形式で、アイドルと芸人とタレントさんで、戦うんだって」


「それ何時の?」


「えっと、これ」


未来は、貰った資料を恭介に、渡した。


「ヤバイよ!これ、俺も出るよ!他の

メンバーも」


「えっ!そんな事、言わなかったよ!

でも良かった~」


「良く無いよ!絶対に、同じチームには

してくれないから!」


「え~嫌だよ!」


(フ~どうなるやら!)


翌日


「みんな、俺達が出るバラエティー番組に

未来も出るんだって」


「うそ!」


「本当!」


「もう最高!」


「やられたな!恭介、あのプロデューサーに」


「あ~」


「でも楽しみだな、未来ちゃんと戦うんだぜ!」


「反対に何か、怖いよな~」


「ハハハ」


笑うメンバー。

バラエティー番組の、収録日。


「ではpeaceが5人、芸人が6人、女性タレントが5人なんで、4人ずつ4チームに分かれて

ゲームをしていただきます」


4チームの、メンバーが発表された。

未来は恭介と、別のチームだった。

peaceの芳樹と芸人2人のチームだった。


「え~どうして、私は恭介さんと別のチーム

なの?私、あっちのチームに行くから」


そう言って、スタスタと恭介の所に歩いて

行く。


「あっ、桜庭さん、奥さん、それは駄目ですよ」


「どうして?」


「視聴者の為ですよ」


「だから、どうして別のチームだったら

視聴者の為になるのよ!」


恭介が


「未来、もう決まってるから、ちゃんとしろ!」


そう言って、芳樹の所に連れて行く。


「芳樹、頼むな!」


「おう!」


芳樹とメンバーは、笑っている。

他の出演者は、ビックリして言葉を失って

いる。

未来は、しぶしぶ


「はい」


と、自分のチームに戻る。

ゲームが始まると、未来は豹変する。

信長様の戦への、執念と一緒だった。

共演している、女性タレントが


「私、あの人と対戦するの、嫌だ」


と、言い出した。

なので、未来の対戦相手は、芸人になった。

未来は強かった。

ゲームが終わって、チームに戻る芸人。


「桜庭さん、奥さん無茶苦茶ですね~

いっさい、手加減してくれませんよ」


「ごめんな」


謝る恭介。

未来は、自分の時以外も、芳樹と芸人に

指示を出している。

そう、未来にとって、ここはもう戦場だった。


「ちょっと、貴方達、芸人さんが負けて

どうするのよ!次は勝ちに、行くからね!

分かった?」


「はい!」


芳樹は恭介を見る。

恭介は手で、ごめんとしている。

そして、見事に未来のチームが優勝した。

上機嫌の未来は、何故、優勝したのか分かって、いなかった。

余りの未来の圧に、みんなが戦意消失して

しまったからだった。

そんな事を、気にする未来では無かった。


「恭介さん、一緒に帰ろう」


peaceのメンバーが


「未来ちゃん、たまには俺達と、ご飯食べようよ!優勝した、お祝いに!」


「本当?恭介さん、いい?」


「いいよ」


(駄目って、言っても聞かないだろう!)


そして、焼き肉を食べに行った。


「美味しい~もう最高!」


「良かった、良かった未来ちゃんが笑顔で

帰れて!」


「私は、何時も笑顔ですよ!」


一同


(どこが!)


「そうだったね~ごめんね」


「peaceの、皆さんは相変わらず、忙しいん

ですね?」


「有難い事に、ファンのお陰だよ!」


「優しいんですね、恭介さんも何時も

ファンの人達を気にして、peaceの

イメージを気にして、私に怒られてますよ」


「そうなんだ」


(それは未来ちゃん、貴方に問題が有るから

でしょう!)


でも、誰も口には、しなかった。

未来の性格を、知っているからだった。


「未来ちゃん、デザートは?」


メニューを見る未来。


「プリンが無いから、要らない」


不機嫌になる未来。


「未来ちゃん、まだプリンが好きなの?」


「はい、恭介さんと来夢、斗夢、プリンは

一生好きですよ!」


「参ったな~」


と、メンバー。

恭介は内心、嬉しかった。


(こういう所は、全然変わらないんだよな、

違った、全部変わって無かったわ)


そして、メンバーと分かれた、未来と恭介は

来夢と斗夢を迎えに行った。


「お義母さん、テレビ見てくださいね、私の

チームが優勝しましたから!」


「うん、必ず見るわ!」


(何か怖いな~)


恭介の母も、長年の付き合いで未来の性格を

熟知していた。


「じゃあ、ありがとうございました」


何も知らない未来は、上機嫌で帰って行った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る