第21話未来のケンカ

近頃、来夢が未来に、似てきた。


「どうして、僕が?」


が、口癖になっていた。

恭介が仕事の休みの日に、おもちゃがだしっ放しだったから


「来夢、おもちゃを片付けて」


「どうして、僕が?」


「だって、出したの来夢だろう?」


「又、出して遊ぶから、このままで

いいでしょう?」


なんて事を、言い出した。


「未来、今の内に、ちゃんとしないと

後々、困るよ」


「確かにね」


笑う未来。


「確かにじゃ無いよ!片付けは当たり前なんだよ、子供も大人も、それが躾だよ!」


「分かったわよ、さぁ~来夢、斗夢ちゃんと

片付けましょうね」


「え~使うのに!」


「お片付けは、ちゃんとしないとね、いる時に、又、出して遊ぶ、これは大事な事なんだよ、ちゃんと出来た子から、おやつだよ!」


すると、一生懸命に片付ける来夢。

それを真似する、斗夢だった。

2人は、おやつにありつけた。


(やるな~未来、コントロールが上手いな

運転は下手だけど!)


恭介の休みが、子供達と一緒になったので

車で出掛ける事にした。


「恭介さん、お弁当を持って、公園に

行こうよ!」


「そうだな!」


未来は、お弁当を作る。


「じゃあ、みんな行くぞ~」


「お~」


「私が運転するよ」


「駄目!危ないから、俺がするよ!」


「どうして危ないの?何時もしてるよ!」


「いい、俺がするから!」


「じゃあ、じゃんけんで決めよう」


恭介は負けた。

未来が、運転する事になった。


「あれ?未来、運転が上手くなってるじゃん」


「当たり前でしょう、毎日してるのに!」


(慣れると、こんなに変わるんだ!)


車の中で、恭介は子供達と遊んでいる。

普段は忙しいから、こんな時位は家族

サービスをする。

だけど、少しすると日頃が、ハードスケジュールなので、ついウトウトしてしまった。

すると、何やら外で、もめる声がして来た。

外を見ると、未来がもめていた。


「私が、ここに車を止め様としたのに、なんで貴方達が、止めるの?」


「は?俺達が、先だっただろう?」


「私が先です、車を出してください!」


「もう止めたんだから、他に止めろよ!

おばさん!」


「おばさん?何ですって~」


喧嘩の理由が、他に行ってしまった。

見かねて、恭介が出て行く。


「未来、どうした?」


「この人が、私の事を、おばさんて言うの!」


「わっ!peaceの桜庭さんだ!直ぐに

車出しますから!」


「あっ、いいよ!もう止めてるのに、俺達が

他に止めるよ」


「いいんですか?」


「あ~大丈夫だから」


そう言って、他の所に車を止める恭介。


「桜庭さん、カッコいいし神対応だよな!

奥さんは何だ?おばさんて、言葉に怒ってたな、変な人だな~良く釣り合ってるよな!」


「恭介さん、どうして私達が他に止めるの?」


「もめたくないから!」


「又、peaceのイメージ?」


「違うよ、あ~言う時は、言い合いしても

キリが無いの!それに未来、最後は

駐車の事じゃ無くて、おばさんて言われて

怒ってたじゃん」


「だって、おばさん何て、初めて言われたから!恭介さん、私はおばさん?」


「い~や、可愛い未来お姉さんだよ!」


すると来夢が


「ママは、お姉さんなの?どうして?」


思わず、笑ってしまう2人だった。

そして、公園で遊ぶ子供達。

斗夢は、小さいので未来と恭介が、交代で

遊ばせた。


「2人共、楽しそうで良かったね!天気も

良いし、これて良かったね!」


「本当だな!子供は外で遊ぶのが、1番だからな!」


「じゃあ、手を洗って、みんなでお弁当に

しようか?」


「そうしよう、来夢~手を洗って、お弁当だぞ~」


「やった~」


斗夢も喜んでいる。


「美味しい!」


そう言って、みんなで食べる。


(本当、こうして4人で食べると、美味しいな~)


未来は思っていた。

お弁当を食べると、帰る支度をした。


「又、来ようね!パパ、ママ!」


「うん!来ような、来夢!」


家に帰る、桜庭ファミリー。

夜は、お弁当の残りで済ませた。

思いっきり、遊んで疲れたのか、来夢も斗夢も早く寝てしまった。

すると恭介が


「未来、未来はもう、テレビには出ないの?」


「出ないよ!だって、あんな所で私が何を

話しても、何の役にも立たないからね、だから出ないよ、テレビに出る時間が有るなら

手話のボランティアに行くわよ」


そう未来は、ずっと手話を続けていた。

もう一人前だった。


「そうかぁ~」


「どうしたの?」


「いや、プロデューサーが、会う度に未来を

テレビに出してくれって、うるさくて!」


「私が、言いに行きましょうか?」


「いや、未来は来なくて、いいよ」


(未来が来ると、何時も何かが起こるんだから、家に居てくれ、頼む!)


「あら、そう?」


「あ~ちゃんと、断っとくから」


「うん、お願いね」


「了解」


そして、2人も早めに、寝る事にした。

明日の事も、知らずに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る