第20話未来の普段着

「いや、今は子育てで、忙しいので」


「またまた~保育園に行ってるじゃん、見たよ、週刊誌」


「だったら、どうしたんですか?」


「又、テレビに出てくれないかな?奥さんの

出演を待っている、視聴者が多くて!」


「プロデューサー、僕は穏やかに、暮らし

たいんですよ」


「分かってる、でもね奥さんが出ると、視聴率が上がるんだよね、前に出て貰った

コメンテーターの仕事から!」


(だから、それが1番、未来には、向いて

無いんだよ!)


聞いているpeaceのメンバーは、ニヤニヤ

しながら、やり取りを見ている。


「取り敢えず、今から仕事なんで」


その場から、逃げる様に仕事に行く恭介。

peaceの1日は、忙しい。

又、未来も忙しかった。

子供達を保育園に、送ると


(今日は、ご飯は何にしようかな?)


考えながら、家事をする未来。

その時、携帯が鳴った。


(あっ!五月だ!)


「もしもし?」


「おひさ~未来」


「久しぶりだね?」


「今度4人で、ご飯しようよ!みんな未来に

会いたいって!」


「うん!私も会いたい!子供達を恭介の

お義母さんに、お願いするから何時?」


「じゃあ、早い方がいいね、明日の夕方

仕事終わりに、会おうよ!何時も行ってた

カフェね!6時に!」


「うん!楽しみにしてる!」


「じゃあね~」


(うわ~斗夢を、出産して以来だな~

楽しみだな!よし、今日も頑張ろう!)


子供達を保育園に、迎えに行く。

帰って来て、来夢の話を聞く。


「ママ、今日ね、お歌習ったよ」


「そう?どんな、お歌?歌ってみて」


一生懸命、歌う来夢。

斗夢も、横で何やら言っている。

可愛いらしかった。


(本当に、子供の成長って早いな~)


夜、恭介が帰って来る。


「恭介さん、明日ね五月達とご飯に、行きたいんだけど、来夢と斗夢を、お義母さんに

お願いしてもいいかな?」


「いいんじゃない、五月ちゃん達と会うのも

久しぶりだろう?」


「うん、斗夢の出産以来」


「たまには、行っておいでよ!」


「ありがとう」


「じゃあ、俺も明日は、ご飯食べて帰って来るから、晩御飯は作らなくていいよ」


「優しいね恭介さん、ありがとう」


翌日、子供達をお義母さんに、お願いして

カフェに行った。

五月達が居た。


「久しぶり~」


「本当に久しぶり~」


「みんな、斗夢の時は、お祝いありがとう」


「もう、大きくなったでしょう?」


「今、2人共、保育園に行ってるよ」


「早いね~」


「うん」


「それにしても、未来?何時も、そんな格好なの?」


「そうだよ!だって子供達に、直ぐに汚されるし、家事をするのには、楽な格好じゃ無いとね」


「でもね~未来は、恭介さんの嫁なんだから

出掛ける時は、オシャレしなさいよ」


「どうして?」


「又、週刊誌に書かれるよ!」


「そう、そう」


「関係無いよ!」


「有るよ!もう未来には、来夢君と斗夢君が

居るんだから!」


「う~ん」


(子供が居ると、どうしてだろう?)


今一つ、分からない未来だった。

五月の言った通り、週刊誌に撮られていた。


[peace桜庭恭介の嫁、ダサダサの服で

お出かけ!]


(何?これ~ダサイとかじゃ無いの!実用性の問題なの!)


それを見た、恭介は


「まぁ、未来、少しはオシャレしないとね!

出掛けるのに、ジャージは無いよ!」


そう、あの日、未来はTシャツにジャージ

だった。

保育園の送り迎えも、そうだったが、みんな

気を使って言わないだけだった。

peaceのメンバーも、この姿には絶句していた。

そんな姿を見ても、プロデューサーは恭介の

所に、やって来る。


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