第18話未来、教習所に通う(3)

高速の練習の日


「高速は、一般道よりスピードを出すので

気を付けて、スピードを出し過ぎたりする

ので、後ろが余りにも、混むと待避所が

有るので、そこで先に、行かせて下さい」


「はい」


「おそ~っ!桜庭さん、これ一般道でも

遅いですよ、もう少し、スピードを

出して!」


「はい」


ビューン。


「出し過ぎ、出し過ぎ、あの?中間て

できませんか?」


「私、中途半端は、嫌いなんで!」


(何を、堂々と言ってんだよ!)


「次の、サービスエリアで、少し休憩を

します」


「はい」


(このままじゃ、時間に帰れ無いな?

帰りは俺が、運転しよう)


「じゃ、帰りは僕が、運転しますから」


「どうして?」


「桜庭さんでは、時間に帰れ無いんで」


「失礼な!」


と、言いながらも、後部座席で、サービス

エリアで買った、お菓子を食べていた。


「先生も、食べますか?」


「僕は、いいです!」


帰って来た、大川を見て、みんな察しが

付いた。


「お疲れ~」


それでも未来は、路上検定を受ける事に

なり、これに受かれば、学科の本試験

合格すると、免許証が貰える。

卒業検定の時は、普通、助手席に先生

後部座席に同じ生徒が、乗るのだが

生徒が誰も、来ない。

待っていると、事務長が肩を落として

歩いて来た。


(昨日、何か嫌な事でも、有ったのかな?

奥さんと、ケンカでも、したのかな?)


と、未来は考えていた。

あんただよ、未来。

事務長は、みんなから未来の話を、聞いて

いたので、気が重かった。

何も知らない、未来は上機嫌。


「出発~」


「余計な事は、言うな!」


と、出発した。

何事も無く、見事に合格した。

未来は、AT専用の免許を、取得したので

期間内なら、安くミッションの免許が

取れると、事務員さんが説明すると

先生達が


「桜庭さんは、ATで、充分ですよ!

今、車自体が、ミッション車は少ない

から!」


みんなが、ミッションを勧めない。

そりゃ、そうだ。

もっと難しい、ミッションを未来に

教えるなんて、誰もしたく無い。

説明をした、事務員を全員が睨む。


「じゃあ、桜庭さん、気を付けて試験

頑張って下さいね」


先生達が、上機嫌で、見送ってくれた。

そして、学科は本当に、なんの心配も

無く、合格した。

未来は、免許証を貰って、帰って来た。

ルンルンで、来夢と斗夢を、迎えに行った。

家に帰って、ご飯の用意をする。

恭介が、帰って来た。


「ただいま」


「おかえりなさい、ジャーン」


免許証を見せる。


「おめでとう!」


(ヤバい、受かったのかよ!)


ご飯を、食べていると


「恭介さん、休み有る?」


「どうした?」


「来夢と斗夢に、チャイルドシートが

要るから、買いに行きたいの」


「未来、車は?」


「あっ!そうだね、車が先だ!何が

いいかな?」


未来は、そういう所は、全然構わない

ので、走れば良かった。


「じゃあ、休みの日に先に、車を見に

行こうか!」


「うん!」


車を見に行く、桜庭ファミリー。


「未来、どんな車が、いい?」


「ハンドルが右なら、何でもいいよ」


「全部、右だよ!」


「恭介さんの、左じゃん」


「だから、俺のは外車なの!」


恭介は、マツダの人気車の赤にした。

わざわざ、目立つ色にした。

そして、3週間程で車が来た。

チャイルドシートは、恭介が付けた。


「未来、メンバーが、車のサイドに

未来って、書いとけって言ってたぞ!」


「どうして?」


「運転が、危ないからじゃ無い?」


「何を言ってるの?ちゃんと練習して

合格したんだから!」


「恭介さんも、入れるなら、入れるよ!

あっ!じゃあ信長様って、入れていい?」


「駄目!」


(始まった~)


メンバーに、免許の合格を、報告した。


「恐い~走る凶器だぜ!」


「車のナンバー教えて!見付けたら

離れて走るから!」


「来夢君と、斗夢君は大丈夫かな?」


「そこなんだよ、俺は!」


「なぁ、恭介、名前入れる事は言った?」


「信長様って、入れるって!」


「なんだ?まだ言ってんの?」


「未来ちゃんに、かかったらpeaceも

信長に勝て無いか!」


「ハハハハ」


未来の免許騒動も、終わり落ち着いた頃

来夢と斗夢を、保育園に入れると未来が

言い出した。


「未来、二人とも入れるんだ!」


「うん、調べるとね、やっぱり友達と

一緒に居る方が、成長も早いし、社会性が

出来るんだって!来夢と斗夢も、その方が

楽しいでしょう?」


「そうだな、色んな体験も、出きるしな!」


「うん!入園式は恭介さんも、行ってね!」


「うん、スケジュールを調整して貰うよ

でも、早いな~大きくなるのって!」


「本当だね!」


微笑み合う、二人。

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