女騎士スノーフレーク〜一人旅ヴァイスシティ〜

雨海月子

第1話 女騎士誕生〜キャラクタークリエイト〜

 ここに、ヴァイスシティのゲームブックを開こうとする冒険者がいる。無謀にも、一人旅でだ。冒険者の名誉のために補足すると、友達がいない訳ではない。訳ではないのだが、己の裁量だけで旅をしてみたいと思っていた。死んでも自己責任の範疇で。


女の名前は?

「…私の名前は、スノーフレーク」

種族と、年齢は。

「ティエンス。まだ仮死になったこともない、二十歳よ」

転がるダイスと選ばれる選択肢、決められていく経歴。

「私は冒険者レベル1で、技能はファイター/プリースト/ライダー/ウォーリーダー」

信仰は?

「慈愛と復讐の女神ミリッツァ。私は、かの女神のように慈愛を持ちたい」

経歴は?

「かつて師と呼べる人物がいた、かつて従者がいた、本から大きな影響を受けたことがある」

冒険に出た理由は?

「探している人がいるから」

騎獣は?

「レンタルのホース、いずれは買い取りたいわね。白い馬で…名前は、買い取ったらつけるわ」

道筋が決まる。悪徳の街に導かれる経緯が決まる。

「私はこの街の出身で、お世話になった師匠……剣の師匠が亡くなり、遺品整理をしていたら、【エドワード・ラトリッジ】という老人が師匠に手紙を出していたのを見つけたの。困り事があって、師匠に頼りたかったみたい。それを見て、私はこの街に戻ることにしたわ。師匠の訃報も伝えないといけないし、弟子の私ができることなら、代わりに手伝いたいから。

それと、私には【黒いロングソード】があるの……亡くなった、父の形見。これを持って、街に戻るわ」

装備品は大丈夫?

「スプリントアーマーを着て、バックラーも持ってる。冒険者セットも、師匠から受け継いだ天然石の耳飾りも、聖印も持った。保存食も、一週間分持ってる」


穢れなき心の名を冠した女が、悪徳の街に戻ってくる。

彼女がいつまでその名の通りでいられるかは、今のところ、誰も知らない。

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女騎士スノーフレーク〜一人旅ヴァイスシティ〜 雨海月子 @tsukiko_amami

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